甘くてジューシーな果実が魅力のびわですが、栽培していると様々な病気に悩まされることがあります。葉に黒い斑点が出たり、果実が腐ってしまったり…せっかく育てたびわが病気になってしまうのは悲しいですよね。この記事では、びわがかかりやすい代表的な病気とその原因、症状、そして具体的な対策方法を徹底的に解説します。病気に負けず、美味しいびわを収穫するための知識を身につけましょう。
びわ栽培の基本情報
びわは、初夏の訪れを告げる果物として親しまれており、庭のシンボルツリーとしても人気があります。常緑樹であるため、一年を通して緑を楽しめるのも魅力です。種から育てることもできますが、実をつけるまでに長い年月を要するため、一般的には苗木から育てるのが効率的です。鉢植えで育てる場合は、剪定を行うことでコンパクトなサイズに保つことができ、ベランダなどの限られたスペースでも栽培が可能です。
びわの主な病気
癌腫病
癌腫病は、びわの葉、果実、枝、幹、新梢、樹皮、そして主根にまで発生する、細菌性の病害です。感染すると、枝や幹に小さな豆粒ほどの大きさから、バレーボールほどの大きさのコブが形成され、樹の成長を阻害します。葉には、大型の黄色いぼかし状の斑点が現れ、果実には黒褐色の円形をした潰瘍ができます。また、芽枯れを引き起こすこともあります。
癌腫病の対策
癌腫病が発生した枝は、速やかに剪定し、切り口には殺菌作用のある癒合剤を丁寧に塗布して、さらなる感染を防ぎます。この病気は伝染力が強いため、剪定した枝は直ちに他の場所へ移動させ、適切に処分することが重要です。樹木に傷をつけないように注意し、菌が最も活発になる25~26℃の気温に注意を払います。特に梅雨の時期や9月は発病しやすい時期なので、こまめな観察が必要です。また、ナシヒメシンクイやカマキリムシなどの害虫が傷口から侵入し、感染を広げる可能性があるため、これらの害虫の防除も同時に行うことが効果的です。
ごま色斑点病
ごま色斑点病は、葉、新梢、特に若い葉に発生しやすい糸状菌(カビ)による病害です。感染すると、葉に無数の小さな黒点が生じ、その周囲が紫がかった赤色に変色するのが特徴です。症状が進むと、著しい落葉を引き起こすことがあります。
ごま色斑点病の対策
糸状菌は高温多湿な環境で繁殖が活発になるため、風通しを良くすることが重要です。発病した部分を見つけたら、速やかに除去してください。早期発見と対応が被害を最小限に抑えます。梅雨時期など、発病しやすい時期には、殺菌剤を定期的に散布して予防に努めましょう。
まとめ
びわは比較的病害の少ない果樹ですが、放置すると深刻な被害をもたらす病気も存在します。主な病気として、果実や葉に黒い斑点を生じさせる黒斑病、葉に灰白色の斑点を生じさせ落葉を促す灰斑病、枝や幹にコブを形成する胴枯病、そして近年問題となっている、果実が腐敗する疫病などが挙げられます。これらの病害からびわを守るためには、日頃からの観察を怠らず、早期発見と適切な防除対策が不可欠です。具体的には、剪定による風通しの確保、薬剤散布、発病した枝や果実の除去などを徹底することが重要となります。
質問:びわの苗木はどこで買えますか?
回答:びわの苗木は、一般的な園芸店やホームセンター、インターネット通販などで手に入れることができます。購入する際は、品種や苗の状態をよく確認し、信頼できる販売店を選びましょう。
質問:びわを鉢植えで育てる場合、鉢のサイズはどのくらいが良いですか?
回答:苗の土が付いた根の部分よりも一回り大きな鉢を選びましょう。目安としては、直径18~30cm程度の6号鉢から10号鉢がおすすめです。植物の成長具合を見ながら、少しずつ大きな鉢に植え替えていくと良いでしょう。
質問:びわの収穫時期はいつ頃になりますか?
回答:収穫時期は、品種や栽培地域によって多少差がありますが、おおむね5月下旬から6月頃にかけてが一般的です。実全体が鮮やかなオレンジ色に染まり、袋掛けをしている場合は袋をそっと外すと甘い香りが漂ってくるのが収穫の目安となります。