コーヒーは、古代から現代に至るまで、世界中で愛され続ける飲み物です。その起源については様々な伝説が語られていますが、最も有名なのはエチオピアの山羊飼いカルディの物語です。カルディが山羊たちが元気になる赤い実を発見し、それを食べることで自らも爽快な気分を得たという伝説から、コーヒーが眠気覚ましや薬として使われるようになったと言われています。さらに、イスラム世界を経てヨーロッパや日本にも伝わり、今日では私たちの生活に欠かせない存在となっています。この記事では、コーヒーの起源から世界的な広がり、そして日本への伝来や喫茶店文化の誕生まで、コーヒーの歴史を追いながら、その魅力を探っていきます。
コーヒーの起源:語り継がれる物語と初期の活用
コーヒーの起源にはいくつかの伝説があり、その中でも有名なのはシーク・オマールとカルディの物語です。シーク・オマールは、モカ王の娘の病気を癒したものの追放され、オウサブ山中で赤い実を発見し、スープとして飲むと爽快な気分になったという伝説があります。一方、カルディはエチオピアで山羊飼いをしており、山羊たちが赤い実を食べて元気になるのを見て自身も試したところ、同様に爽快な気分になったと伝えられています。これらの伝説は、コーヒーが当初、イスラム教の僧侶の眠気覚ましや薬として利用されていた可能性を示唆しています。1千年ほど前には、アラビアの都バグダットの王立病院長ラーゼスが、エチオピア原産の灌木バンの種実(豆)を煎じた汁液が胃に良いと書き残しており、当時コーヒー豆が薬として珍重されていたことがわかります。
コーヒーの広がり:イスラム世界からヨーロッパ大陸へ
アラビアを起源とするコーヒーは、イスラム教全土へと広がり、1510年頃にはカイロに世界初のコーヒー店が出現しました。1554年には、トルコの首都コンスタンチノープルに「カヴェー・カネス」という著名なコーヒー店が誕生し、コーヒー豆を煎って石臼で挽き、煮出して飲む方法が親しまれていました。ヨーロッパへの普及は、17世紀にロンドンのトルコ人貿易商ダニエル・エドワードがコーヒーを振る舞ったことがきっかけとなり、1652年にはロンドンにコーヒー店がオープンし、異国の飲み物として人気を集めました。10年後にはロンドン市中に2000軒ものコーヒー店が林立するブームとなりました。当初は煮出して飲むターキッシュ・コーヒーが主流でしたが、フランスでドリップ式のコーヒーが考案され、コーヒーの豊かな味と香りを最大限に抽出する方法が確立されました。
喫茶店のルーツ:無料試飲から近代化の波へ
喫茶店のルーツは、ロンドンのコーヒー店のように、無料試飲から始まったものが多くあります。トルコ人貿易商がコーヒーを振る舞ったことがきっかけで大評判となり、コーヒー店がオープンしたのが近代的な喫茶店の始まりとされています。フランスでは、ブリキ職人がドリップ式のコーヒーを考案し、煮出すコーヒーから漉すという近代コーヒーの基盤が編み出されました。1763年のこの発明は、コーヒーの一大革命であり、コーヒーの豊かな味と香りを最大限に抽出する方法として、現在でも広く利用されています。

日本への伝来:江戸時代から文明開化の時代へ
日本へのコーヒーの伝来は、足利時代にポルトガル人やスペイン人が伝えたという説もありますが、有力なのは江戸時代にオランダ商人が長崎出島に持ち込んだという説です。1797年の「長崎寄合町諸事書上控」には、遊女が貰った物の中に「コヲヒ豆一箱。チョクラート」という記述があり、1782年には蘭学者志筑忠雄が訳した「万国管窺」にコーヒーに関する記述が見られます。江戸末期には、シーボルトが日本人にコーヒーの良さを説明すればもっと飲むようになると述べています。明治時代に入ると、西洋御料理店でコーヒーが提供されるようになり、1888年には鄭永慶によって東京に日本初の本格的な喫茶店「可否茶館」が開業しました。鹿鳴館の時代に一般庶民が利用できる喫茶店を開業した鄭氏の功績は、日本コーヒー史において特筆されています。
日本のコーヒー文化の黎明期:普及と進化
明治時代の中頃から、コーヒーを飲ませる店が徐々に増え、明治末には東京・銀座に「カフェー・プランタン」や「カフェー・ライオン」が開店しました。特に、ブラジルコーヒーの販路拡大とPRのために開かれた「カフェ・パウリスタ」は、コーヒーの大衆化に大きく貢献しました。ブラジルへの移民の見返りとして、ブラジル政府から無償のコーヒー豆が提供され、低価格で提供された「パウリスタ」は、最盛期には20数店舗、従業員も1000名を越えるほど繁盛しました。「パウリスタ」で働いていた柴田文次は、後にキーコーヒーを創業し、コーヒーの製造・販売、世界のコーヒーやコーヒー器具の紹介、コーヒー農園事業などを手がけ、日本のコーヒー文化の発展に大きく貢献しました。また、コーヒーシロップなどの新しい商品を開発し、コーヒーの啓蒙や広告宣伝を積極的に行い、日本のコーヒー文化の発展に大きく貢献しました。
結論
コーヒーは、その起源から世界中に広がり、様々な文化と融合しながら発展してきました。伝説的な発見から、喫茶店の誕生、そして現代の缶コーヒーに至るまで、コーヒーは私たちの生活に深く根ざしています。これからもコーヒーは、人々に安らぎと活力をもたらし、新たな文化を創造していくことでしょう。
コーヒー発祥の地は?
コーヒーの起源には諸説ありますが、エチオピアのアビシニア高原が有力です。カルディという山羊飼いが、山羊が赤い実を食べて元気になるのを見て自身も試したところ、爽快な気分になったという伝説があります。
世界初の喫茶店はどこに誕生したのでしょうか?
世界で最初のコーヒー店は、1510年頃にエジプトのカイロにできたとされています。その後、トルコのコンスタンチノープルにも有名なコーヒー店「カヴェー・カネス」が誕生しました。
缶コーヒーの「ルーツ(Roots)」とは?
かつてJTから販売されていた缶コーヒーブランド「ルーツ(Roots)」は、JTの飲料事業撤退とともに一度は市場から姿を消しましたが、その後サントリーから「ルーツ アロマブラック」として復活しました。ルーツは、すっきりとした飲み口と豊かな香りが特徴であり、特にリキャップ可能な広口ボトルの「アロマブラック」はファンが多かった商品です。サントリーから復活した「ルーツ アロマブラック」は、セブン&アイグループ限定で販売され、その味わいは往年のファンを魅了しています。香料や乳化剤が含まれているものの、缶コーヒーとしての味わいはトップクラスであり、その完成度の高さが評価されています。