シナモンティー 肝臓

現代の忙しいライフスタイルにおいて、健康を維持するための手軽な方法として注目されているのがシナモンティーです。古くからスパイスとして利用されてきたシナモンの成分が、どのようにして肝臓に影響するのか、そのメカニズムについて解説します。

シナモンに含まれる栄養

シナモンはスパイシーで豊かな香りを持つスパイスであり、その栄養成分も魅力的です。まず注目すべきは「シンナムアルデヒド」という成分で、これがシナモン特有の香りを与えます。さらに、シナモンにはマンガン、カルシウム、鉄、マグネシウムといったミネラルが豊富に含まれ、これらは骨を健康に保ち、エネルギー代謝にも寄与するとされています。

加えて、シナモンにはビタミンKとビタミンAが含まれています。ビタミンKは血液凝固を助け、ビタミンAは視力と肌の健康を支えます。また、シナモンは食物繊維も豊富で、腸内環境を整え消化を促進する効果が期待されます。

このように、シナモンは単なる調味料以上の価値を持ち、多くの栄養素が健康維持に貢献する食品です。日々の生活に取り入れることで、栄養バランスを改善し、健康促進に役立てることができます。

漢方では「桂皮」として知られ、古くからアジアや地中海地域で血行促進に利用されてきました。

循環する血液における影響

シナモンには、体の冷えを和らげ、血行を促進する成分が含まれています。その効果により、冷え症や肩こり、関節痛、腹痛、下痢、月経痛など、冷えからくる痛みに対して有効とされています。

さらに、血流が円滑になることで、酸素や栄養が細胞の隅々にまで届きやすくなり、肌のシワやくすみ、目の下のクマの改善に役立ったり、抜け毛や骨の脆化を予防する効果も期待されています。

血管を若返らせる方法

シナモンに含まれる「シンナムアルデヒド」は、毛細血管の細胞をしっかり固定する受容体「Tie2」を活性化する可能性があります。

毛細血管の構造は壁細胞と内皮細胞の二重構造になっており、加齢によってこれらの層が分離し、隙間が生じることがあります。この隙間から血液や栄養分が漏れ出し、血流の低下や血管の炎症が引き起こされることがあるようです。

シンナムアルデヒドは、Tie2の活性化を通じて、剥がれた毛細血管の細胞を再び密着させ、漏れの問題を改善します。

コレステロールその他

シナモンは、善玉コレステロールとして知られるHDLコレステロールを維持しつつ、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを低下させる作用があるとされています。また、動物を用いた研究では、血圧低下の効果も確認されています。

シナモンパウダーの一日当たりの適切な摂取量

シナモンを摂取しすぎると、副作用を引き起こす可能性があります。特に肝機能や胃腸に問題を生じることが知られています。

これらの副作用を避けるためには、適切な量のシナモンを摂取することが重要です。具体的には、1日あたり以下の量を目安にしてください。

体重60kgの成人:約2g 体重15kgの子供:約0.5g

肝機能や胃腸の問題を起こしやすいのは、特に「カシアシナモン」という種類のシナモンです。

カシアシナモンに含まれるクマリンが副作用の原因として挙げられています。一方、セイロンシナモンはクマリンの含有量が比較的少ないですが、それでも過剰摂取は避けるべきです。

シナモンパウダーとスティックとの違い

スティックタイプにした乾燥樹皮は、食材と一緒に煮込んだり漬け込んだりと、香りをじっくり引き出すのに最適です。カレーやシチューに加えて煮込むと、いつもとは違った味わいに仕上がり、きっと驚かれることでしょう。

パウダータイプは、その使いやすさが大きな魅力です。コーヒーや紅茶、ホット豆乳、甘酒などに振りかけると、日常の飲み物にシナモンの豊かな香りが加わります。気分を変えたいときに最適です。また、ヨーグルトやトーストに振りかけるのはもちろん、リンゴやなし、ももなどのジャムとも抜群に合います。

シナモンの副作用とサプリメント使用時の注意事項

「クマリン」という成分は桜の葉に含まれており、桜餅にも利用されています。この成分が含まれる「カシアシナモン」に関しては、長期間にわたり大量に摂取しない限り健康への影響は懸念されないとされています。長期間「カシア」を摂取する際には、適切な摂取量を守ることが大切です。

体重60kgの成人であれば1日あたり2g未満(小さじ1弱)、体重15kgの子供では1日あたり0.5g未満にすることが推奨されています。

「セイロンシナモン」については、含まれるクマリンの量が非常に少なく、通常のスパイスとしての使用量では問題にならないようです。

シナモンは非常に香りが強く、小さじ1杯を使うことは少ないかもしれませんが、「カシア」を使用する場合は過剰摂取に注意が必要です。

「カシア(シナニッケイ)」はシナモンの一種で、多くのクマリンを含んでおり、多量の摂取は肝臓に負担をかける可能性があります。サプリメントを選ぶ際には、クマリンが少ない「セイロンシナモン」を選ぶと安全です。

一部の人には、シナモンが蕁麻疹のようなアレルギー反応を引き起こすことがあるようですが、多くの人には安全であり、抗アレルギー効果もあるとされています。

シナモンティー