カモミールティー カフェイン

カモミールティーは、癒しとリラクゼーションの象徴として広く愛されています。特にカフェインを含まないため、夜のひとときを穏やかに包み込む飲み物として重宝されています。しかし、その効果はカフェインフリーなだけではありません。カモミールに含まれる成分がもたらす健康効果にも注目が集まっています。本記事では、カモミールティーのカフェインに関する真実と、その多様な効能について詳しく探ります。

カモミールの概要

カモミールは、キク科に属するハーブで、白い小花を咲かせます。英語ではローマンカモミールやジャーマンカモミールと呼ばれ、和名はカミツレです。この植物には「逆境に耐える」や「苦難の中の力」といった意味の花言葉があります。英国ナショナルトラスト協会の監修により出版された『ハーブ図鑑110』(レスリー・ブレンネス著、槙島みどり訳、日本ヴォーグ社)によれば、この花言葉は特に繁殖力の高さに由来し、踏みつけられるほどに広がることから来ているそうです。

カモミールの利用は古代にさかのぼります。エジプトでは、太陽への捧げものとして用いられ、その治癒能力の高さから他のハーブ以上に重んじられていました。古代のアングロサクソンの書物『Lacnunga』では、ヨモギやイラクサ、フェンネルと共に9つの神聖なハーブの1つとして数えられています。

その薬効が重視され、多様な方法で利用されてきたカモミールは、現在では日本でも広く栽培され、主にハーブティーとして親しまれています。

カモミールの品種とその風味・香りについて

カモミールには多くの種類がありますが、有名なのは「ローマンカモミール」と「ジャーマンカモミール」です。

それぞれの特性や用途には違いがあり、特にハーブティーには味にクセがない「ジャーマンカモミール」が人気です。ティーやエッセンシャルオイル、苗を選ぶ際には、どの種類かをよく確認して選びましょう。

カモミールのメリットとその働き

ビアトリクス・ポターの『ピーターラビットのおはなし』に登場する場面で、お腹を痛めたピーターにお母さんが「カミツレ」のお茶を飲ませる情景を思い出す方もいるでしょう。

海外では、カモミールティーはよく子ども向けに用いられ、寝ぐずりや夜泣きの対策として親しまれています。ローマン種やジャーマン種のカモミールは以下のような効果を持つと言われています。

ストレス軽減・不安緩和・快眠促進の効果

カモミールは、心身を落ち着ける効果を持つと言われています。お茶として飲むと、リラックスしたいときや眠る前に心の安らぎをもたらしてくれるでしょう。

胃の健康を助ける効果

カモミールは胃に対する素晴らしい効果を持っていると言われています。吐き気を抑えたいときや食べ過ぎによる不調を感じた際はもちろん、食欲がないときにもおすすめです。

体を温める効果

カモミールは体を温める働きがあり、冷え性の改善に役立ちます。風邪の初期症状の際には、ホットで飲むことを推奨します。

カモミールの副作用と妊娠中における安全性

カモミールは一般に子どもでも安心して使用できると言われますが、その使用には注意が必要です。

特に、キク科植物に対するアレルギーがある方は、絶対に使用を避けてください。カモミールティーを飲んだ後にアナフィラキシーショックを起こし、重篤な呼吸困難に陥るケースも報告されています。また、過剰摂取は胃の筋肉に影響を与えると言われていますので、アレルギーがない方も用量には気を付けてください。湿布として使用する際は、目の周りを避けるようご注意ください。

妊娠中のカモミールの使用については、流産や早産を引き起こすという医学的証拠はありませんが、完全に安全とも宣言されていないようです。ノンカフェインのカモミールティーですが、妊婦の体調や病歴、摂取量によってはその抗炎症作用がリスクとなる可能性があります。

妊娠中の方は必ず医師に相談し、推奨された範囲内での摂取を守ってください。また、カモミールの精油の使用は避けてください。

カモミールティー