チュロス（スペイン語: Churros）は、スペイン、ポルトガル、モロッコ、キューバなどのラテンアメリカ諸国で人気のある揚げ菓子です。日本では「チュロス」として知られています。チュロスは、生地を絞り出して揚げたもので、外側はサクサクとした食感、内側は柔らかくふわっとしています。砂糖をまぶして食べることが多く、シナモンを加えることもあります。チョコレートソースやキャラメルソースなどをつけて楽しむことも一般的です。

チュロスの起源にはいくつかの説がありますが、代表的なものとしてはスペイン起源説とポルトガル起源説があります。

ポルトガル起源説によれば、16世紀初頭にポルトガルから中国明朝に伝わった揚げパン「油条」が、スペインにも伝わり、そこからチュロスが作られたとされています。

一方、スペイン起源説では、スペインの羊飼いが長期の野外生活の中で、簡単に作れるパンの代用としてチュロスを作り始めたとされています。この説では、チュロスの名前がヒツジの角（ナバホ・チュロ）に似ていることに由来するとされています。17世紀には、スペインでチュロス作りが職業として確立され、1621年にはチュロス作りの職人「チュレロ」がチュロスの値上げを申請したという記録もあります。

どちらの説にせよ、チュロスはスペインとポルトガルから新大陸に持ち込まれ、ラテンアメリカ各国で発展しました。ラテンアメリカでは、ドゥルセ・デ・レチェ（メキシコ、ペルー）やチョコレート、チーズを詰めた「レチュロ・レイェノ」や「チュロ・レジェノ」など、さまざまなバリエーションが登場しています。

スペインでは、チュロスは通常、カーブしており、砂糖をまぶさず、濃いホットチョコレートに浸して食べることが多いです。一方、日本では、まっすぐで砂糖がまぶされたチュロスが一般的です。また、スペイン・マドリードの老舗「サン・ヒネス」などでは、24時間営業しており、軽くて香ばしいチュロスを濃厚なチョコレートと一緒に楽しむことができます。

日本では、日清製粉ウェルナが「チュロス」の商標を登録しており、他の会社では「チュリトス」や「チュロッキー」といった商標で販売しています。

チュロスはスペイン発祥の揚げ菓子であり、日本でも人気のあるスイーツです。本場スペインと日本のチュロスの違いはいくつかあります。

外観と形状:

本場スペインのチュロスは比較的細長い形状であり、表面がざっくりとした模様が特徴です。一方、日本のチュロスは太めの形状で、表面は滑らかな仕上がりが一般的です。

味と甘さ:

本場スペインのチュロスは、砂糖をまぶしたり、シナモン風味の砂糖をかけたりすることが一般的で、甘さは控えめです。一方、日本のチュロスは砂糖をまぶしたり、チョコレートやカスタードクリームといった甘いディップソースを添えたりすることが一般的で、甘さが強調されることがあります。

食べる場所:

本場スペインのチュロスは、街角のチュロス専門店やカフェ、市場などで手軽に楽しむことができます。スペインでは特に朝食時に人気のあるスイーツです。一方、日本のチュロスはデパートや商業施設のフードコート、イベント会場などでよく見かけることがあります。日本ではおやつやデザートとして楽しむことが一般的です。

サイズと価格:

本場スペインのチュロスは比較的小ぶりで、一般的にリーズナブルな価格で提供されます。一方、日本のチュロスは大きめのサイズで、ディップソースを添える場合が多いため、価格が本場スペインよりもやや高めになることがあります。

これらの違いにより、本場スペインのチュロスと日本のチュロスはそれぞれ独自の特徴を持ち、異なる食べ方や楽しみ方があります。どちらも美味しいスイーツであり、地域や文化に合わせて楽しむことができます。

チュロスの作り方は次の通りです。

生地作り:

小麦粉、水、少量の砂糖、塩を混ぜて生地を作ります。

この生地は粘り気があり、熱湯で練ることで適度な粘度が得られます。

搾り出し:

生地を星型の搾り器に入れ、油で揚げるためにチュロスの形に搾り出します。

チュロスには真っ直ぐな形と湾曲した形があります。湾曲形は、揚鍋のふちから中心に向かって螺旋状に搾り、揚げた後に適当な長さに切断します。

揚げる:

搾り出した生地を高温の油で揚げます。

生地が膨張し、外側がカリカリに揚がるまで調理します。

トッピング:

揚げたチュロスにハチミツ、砂糖、シナモンなどをまぶします。

生地にココアなどを混ぜて味付けすることもあります。

星型の理由

チュロスの生地は熱湯で練られており、粘り気が強く、揚げる際に内部の水分が気化して急激に膨張しやすいです。このため、丸い搾り器で作ると爆発の危険があります。星型の搾り器を使うことで、表面積が大きくなり、油からの熱が均等に伝わりやすくなります。また、水分が効率よく放出・蒸発するため、急激な膨張を防ぎます。

チュロスの調理には、専用の搾り器と揚鍋がセットになった調理機が使われることもあります。

「チュリトス」と「チュロス」の違いは以下の通りです。

チュリトス:

作成・商標登録: 株式会社ジールハウスが商標登録しているお菓子です。

材料と見た目: チュロスを基にして作られており、材料や見た目はほぼ同じです。

販売: 「チュリトス」として販売されている場合は、株式会社ジールハウスの製品です。

チュロス:

一般的な存在: スペイン・ポルトガルなどで広く食べられている揚げ菓子で、特定の商標はありません。

材料と見た目: 一般的に使われる材料や見た目は「チュリトス」と同じですが、特定のブランドに属しません。

販売: 「チュロス」として販売されている場合は、その他のメーカーや店舗で提供される製品です。

チュリトスは特定の企業（ジールハウス）が商標登録したブランド名で、チュロスはその一般的な類似品を指します。

チュロスの情報を知ることで新たな視点や、一口頬張った瞬間に味わう喜びが増す事でしょう。チュロスの魅力を一緒に探求し、味わってみましょう。