クリスマスケーキとは
クリスマスの到来を華やかに告げるのは、色鮮やかな装飾と共に、豪華で愛らしいクリスマスケーキの存在です。キャンドルの揺らめく灯りに照らされた、艶やかなフルーツやクリームを纏ったケーキは、祝祭の空気を一層高めます。ホリデーシーズンに欠かせないこの上品な味わいを、歴史や文化的背景に触れながらご紹介しましょう。
クリスマスにケーキを食べるのって日本だけ?
クリスマスには世界各国で様々な伝統的なお菓子がお祝いの席で食べられています。日本でおなじみの生クリームケーキとは一味違う、個性的なスイーツが存在します。
フランスでは「ブッシュ・ド・ノエル」と呼ばれる切り株のような形のケーキが人気です。この独特の形状は、キリストの誕生を祝して暖炉に続けて薪を投げ入れた習慣に由来しているとされています。ドイツでは「シュトーレン」というドライフルーツ入りの甘いパンがクリスマスの定番です。長細い形状から「坑道」を意味する名前がついた珍しいお菓子で、表面の粉砂糖がキリストの産着を表しているそうです。
イタリアのミラノ発祥の「パネトーネ」も欠かせません。ドーム型のパンにドライフルーツが入っており、数週間かけてゆっくりと味わう伝統があります。 イギリスではナッツやドライフルーツ、スパイスを詰め込んだ「クリスマスプディング」を湯せん焼きにして食べます。一方のアメリカではケーキよりも旬の果物を使ったパイや七面鳥の丸焼きが代表的なクリスマス料理です。
このように、クリスマスケーキには世界各地で独自の文化と歴史が息づいています。日本の生クリームケーキとは一線を画した、個性豊かなスイーツを味わえるのも魅力的ですね。
日本ではなぜクリスマスにケーキ!と習慣づいたのでしょう?
クリスマスケーキは、不二家のマーケティング戦略によって生み出された、日本独自の文化です。もともと日本にはクリスマスケーキの習慣がありませんでした。1910年に不二家がフルーツケーキを「クリスマスケーキ」として販売したのが始まりです。
当初は贅沢品でしたが、冷蔵技術の普及により現在の形へと進化。1952年のクリスマスセールで広く知られるようになりました。不二家のマーケティングが、クリスマスケーキを日本の風物詩に定着させたのです。異文化を上手く取り入れた、日本独自の文化と言えるでしょう。
世界各国のクリスマスケーキを楽しんで♪
クリスマスシーズンにはさまざまな国や地域で、それぞれの伝統に根ざした個性的なクリスマスケーキが食卓を彩ります。
イギリスでは干し果物やスパイス、ブランデーを使った重厚な味わいのプディング、ドイツでは栗を使ったスパイシーな香りのケーキが人気です。アメリカでは色鮮やかなデコレーションケーキ、フランスではきのこの形をしたアーモンドクリームたっぷりのブーシュ・ド・ノエル。真夏のオーストラリアやニュージーランドではパブロバやフルーツケーキが定番です。
このように世界中で多様なクリスマスケーキが愛されており、異なる文化に触れる良い機会となるでしょう。日本でも手に入りやすい一部の海外のクリスマスケーキを、今年のホリデーシーズンに是非味わってみてはいかがでしょうか。
まとめ
クリスマスケーキは、キリスト教の祝祭から生まれた伝統の一つですが、その豪華さと愛らしさから、すっかり日本の年末年始の風物詩としても定着しました。装飾の多彩さ、フルーツやクリームの艶やかさは、祝祭の喜びを表現する象徴でもあります。キャンドルの揺らめきに照らされた姿は、家族や友人と過ごす時間をより温かく輝かせてくれるでしょう。