チーズ 糖尿病

チーズは一般的に健康的な食品と考えられがちですが、糖尿病患者にとっては注意が必要な食材でもあります。チーズには乳製品由来の天然の糖分が含まれているため、適量を超えた摂取は血糖値の上昇を招く可能性があるのです。しかし、チーズには良質なタンパク質やカルシウムなどの栄養素も豊富に含まれており、賢明に取り入れることで糖尿病管理の役に立つ食品にもなり得ます。本記事では、チーズと糖尿病の関係について、適切な量や種類の選び方、献立への取り入れ方などをわかりやすく解説していきます。

ヨーグルトやチーズを食べている人は⼼筋梗塞や脳卒中のリスクが低い

健康的な生活を送る上で、乳製品は欠かせない存在です。乳製品には良質なタンパク質、脂肪、カルシウム、マグネシウムなどの豊富な栄養素が含まれており、これらの栄養素が血管の健康維持や血栓形成の予防に寄与します。特にヨーグルトには腸内環境を整える善玉菌が、チーズにはCLAという動脈硬化予防に役立つ脂肪酸が含まれています。 実際、大阪大学などによる9万人超の日本人を対象とした長期追跡調査では、乳製品の摂取量が多いグループは、摂取量が少ないグループに比べて、男性では心筋梗塞などの死亡リスクが最大22%低いことが明らかになりました。乳製品を適量摂取することで、生活習慣病のリスクを大幅に下げられると期待されます。 ただし、乳製品にはカロリーや塩分が多く含まれているため、過剰摂取には注意が必要です。健康的な生活習慣を身につけるには、乳製品を1日の目安量である「ヨーグルト1個とチーズ20g程度」を心がけ、バランスの取れた食生活と運動を継続することが重要になります。

乳製品が2型糖尿病と高血圧のリスクも低下

近年の研究では、乳製品の摂取が生活習慣病のリスクを低減する可能性が示されています。海外の大規模な調査でも、乳製品を摂取している人は2型糖尿病や高血圧のリスクが低いことがわかっています。 マクマスター大学などが行った21カ国、14万人以上を対象とした9年以上の追跡調査によると、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を1日2回以上摂取していた人は、まったく摂取していない人に比べて、2型糖尿病のリスクが12%、高血圧のリスクが11%、メタボリックシンドロームのリスクが23%それぞれ低下していました。 乳製品には良質なたんぱく質やカルシウム、ビタミンB2などの栄養素が豊富に含まれており、これらの栄養素が血糖値の適正化や血圧上昇の抑制に貢献していると考えられています。一方で、カロリーやコレステロールも多く含まれているため、適量を守ることが重要です。バランスの良い食生活の一環として、乳製品を上手に取り入れましょう。

牛乳・チーズ・ヨーグルトの脂肪酸が糖尿病リスクを低下

近年の研究によると、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品に含まれる不飽和脂肪酸が、体内のコレステロール値やインスリン値、インスリン感受性を改善し、さらに炎症を抑える働きがあることが分かってきました。 動物性食品に多く含まれる不飽和脂肪酸の過剰摂取は、動脈硬化や心筋梗塞などの心血管疾患リスクを高める可能性がある一方で、乳製品に含まれる脂肪には健康に良い働きをするものも存在します。適量を守れば、毎日乳製品を摂取することが推奨されています。 米ハーバード公衆衛生大学院の研究チームは、「牛乳、チーズ、ヨーグルトなどに含まれる特定の脂肪酸が、2型糖尿病発症リスクを60%も低下させる可能性があることが分かりました。体内で生成できないこれらの脂肪酸は、食事から摂取する必要があります」と述べています。 この研究結果は、米国国立心臓・肺・血液研究所の支援を受けた大規模な疫学調査から導き出されたものです。3,736人の成人を対象に、血中の特定の脂肪酸レベルが高い人ほど、糖尿病発症リスクが低いことが確認されました。

ジャンクフードをヨーグルトに置き換えて糖尿病リスクを低下

ジャンクフードの摂り過ぎは糖尿病のリスクを高める一方、ヨーグルトの習慣的な摂取は、その危険性を低減させることがケンブリッジ大学の研究で明らかになった。同大学の研究チームは、英国人3,502人を対象に11年間にわたる大規模調査を実施。その結果、ヨーグルトを食べる習慣があると、2型糖尿病のリスクが最大28%下がることが判明したのだ。 高カロリーのジャンクフードに代えてヨーグルトを選ぶことで、糖尿病予防に一石を投じられる。ヨーグルトには良質なタンパク質や食物繊維が豊富に含まれており、血糖値の上昇を和らげるとともに、腸内環境を整える働きもある。MRC疫学ユニットのニタ フォロウヒ氏は「ヨーグルトは腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすプロバイオティクス効果も期待できる」と指摘する。 小さな食生活の変化から、健康的な生活習慣へと意識を切り替えよう。ジャンクフードを控え、ヨーグルトを上手に活用することで、糖尿病リスクの低減に一歩を踏み出せるはずだ。

まとめ

チーズを糖尿病食に賢明に取り入れるためには、種類や量を適切に管理することが肝心です。低脂肪や低カロリーのチーズを選び、1日の摂取量を40~60gに抑えましょう。また、チーズ以外の食材とのバランスも大切です。チーズは主菜やおかずに組み合わせ、食事全体の糖質量を控えめにすれば、栄養のある食事が実現できます。

チーズ