柑橘界の至宝「せとか」。その名を聞けば、芳醇な香りと濃厚な甘みが脳裏に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。デコポンや清見の仲間でありながら、まるで別格。薄い皮を剥けば、なめらかな果肉と溢れ出す果汁が、口の中を至福で満たします。その味わいはまさに「柑橘の大トロ」と呼ぶにふさわしく、一度食べたら忘れられないほどの感動を与えてくれます。この記事では、せとかが持つ唯一無二の魅力と、関連キーワードを徹底的に解説。せとかのすべてを知り、その美味しさの虜になりましょう。
せとかとは?「柑橘のトロ」と称される所以

せとかは、ミカン科のタンゴールというグループに属し、デコポンや清見といった柑橘の仲間です。外見は温州みかんに似ていますが、皮は非常に薄く、果肉はとろけるように柔らかく、果汁がたっぷり含まれています。濃厚な甘みと控えめな酸味が絶妙なバランスで、幅広い世代に愛される味わいから「柑橘のトロ」とも呼ばれています。せとかは、清見とアンコールを交配させたものに、さらにマーコットというみかん類とオレンジ類の交雑種を掛け合わせた柑橘です。それぞれの品種の優れた特性を受け継ぎ、濃厚な甘みとジューシーさを兼ね備えています。
せとかの基本情報:サイズ、重量、価格
せとかの大きさは、一般的な温州みかんよりもやや大きく、1個あたり約200gから300g程度です。価格は他の柑橘類と比較するとやや高めで、良質なものであれば3kgあたり3500円から6000円程度が相場です。つまり、1個あたり平均すると350円から600円程度となります。せとかは生産量が限られており、見た目や味の良さから贈答用としても人気があるため、高級柑橘として扱われています。
せとかの生い立ち・歴史:比較的新しい品種
せとかは、1998年8月21日に農林認定品種として登録され、2001年10月18日に品種登録された比較的新しい柑橘です。(出典: 農林水産省 品種登録データベース(品種登録迅速化総合電子化システム), URL: https://www.hinshu2.maff.go.jp/vips/cmm/apCMM112.aspx?TOUROKU_NO=9398&LANGUAGE=Japanese, 2001-10-18)
アメリカで生まれたマーコットなどの糖度が高い品種の特性を活かしつつ、日本の気候での露地栽培に適応させ、より早く成熟し、種が少なく糖度が高い品種を目指して開発されました。育成地の長崎県口之津町から見える「早崎瀬戸」の美しい風景と、その豊かな香りから「せとか」と名付けられました。
せとかの魅力:おすすめポイント
せとかの何よりの魅力は、その濃厚な甘さと、とろけるような食感です。薄い皮の中にたっぷりの果汁が閉じ込められており、口に入れた瞬間に芳醇な甘みが広がります。清見からはジューシーさを、アンコールからはとろける甘さを、マーコットからは食べやすさを、それぞれの品種から良いところを受け継いだ、まさに優良品種です。甘み、食感、そしてジューシーさ、その全てにおいて最高レベルと言える、完成度の高い逸品です。
味も見た目も至高の逸品
せとかは、その味の良さに加えて、外観の美しさも魅力です。果皮は非常に滑らかで光沢があり、カットした際には、鮮やかなオレンジ色の果肉がぎっしりと詰まっているのが見て取れます。
せとかの味わい方:皮の剥き方とおすすめの食べ方

せとかは手で皮を剥くことも可能ですが、皮が薄いため、少し剥きづらいと感じる場合は、ナイフでカットする方法がおすすめです。薄い内皮は、そのまま食べてもほとんど気になりません。くし形にカットすることで、せとか特有の、とろけるような食感をより一層堪能できます。
ジュースやジャムなど、多彩なアレンジ
せとかは生で食べるのが一番ですが、その濃厚な風味は、ジュースやジャム、ゼリーといった加工品にも最適です。特に、せとかを贅沢に使ったジュースは、他では味わえない特別なものです。ここでは、美味しいせとかジュースの簡単な作り方をご紹介します。
【材料】
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せとか:2個
【簡単レシピ】
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せとかの果皮を丁寧に剥き、ミキサーに入れやすいように適当な大きさにカットします。
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カットしたせとかをミキサーに入れ、果肉が完全に滑らかになるまでしっかりと攪拌します。
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お好みのグラスに注ぎ入れれば、自家製せとかジュースの完成です!
せとかのベストシーズン:最も美味しい時期は?
せとかが最も美味しく味わえる旬の時期は、一般的に1月から4月にかけてで、特に3月頃が出荷量のピークを迎えます。栽培方法の違いによって収穫時期が異なり、1月、2月頃はハウス栽培されたせとか、3月以降は露地栽培されたせとかが旬を迎えます。ハウス栽培のせとかは、1月下旬から2月上旬にかけて収穫されることが多いです。
せとかの名産地:どこで多く栽培されているの?
せとかの主な産地としては、愛媛県、和歌山県、佐賀県などが挙げられます。中でも愛媛県はせとかの生産量が日本で最も多く、全国の生産量の約7割を占めています。和歌山県は、温暖な気候と水はけのよい土壌に恵まれ、昔から果物栽培が盛んな地域です。佐賀県は、せとかの姉妹品種として知られる「麗紅」の生産量が日本一を誇ります。
愛媛県:せとか生産量日本一
愛媛県は、温暖な気候と瀬戸内海の豊かな自然環境のおかげで、みかんをはじめとする柑橘類の栽培が非常に盛んな地域です。せとかの他にも、清見や不知火(デコポン)、ぽんかんなど、バラエティ豊かな柑橘類が栽培されています。
和歌山県:果物の楽園
温暖な気候と水捌けの良い土壌に恵まれた和歌山県は、せとか栽培に適しており、古くから柑橘類の栽培が盛んな地域です。
佐賀県:麗紅の一大産地
佐賀県は、みかんの生産地として広く知られています。せとかの姉妹品種である「麗紅」の生産量は日本一を誇り、「はまさき」というブランド品種も存在します。
美味しいせとかの選び方:見分けるためのヒント
美味しいせとかを選ぶためには、外観と重さを確認することが重要です。表面に光沢があり、滑らかなものがおすすめです。ヘタが緑色をしているものは新鮮な証拠です。手に持った際に、ずっしりとした重みを感じるものは、果汁が豊富に含まれています。
見た目で判断するポイント
せとかを選ぶ際には、まず外観を丁寧に観察しましょう。表面に傷や斑点がなく、鮮やかな色合いで艶があるものがおすすめです。ヘタの部分が緑色でみずみずしいものを選ぶと、より長く美味しさを堪能できます。
重さで選ぶポイント
せとかを選ぶ際、手に取って重さを確かめるのは重要なポイントです。果実がずっしりと重いものは、果汁を豊富に含んでいる可能性が高いと言えます。大きさの近いものをいくつか持ち比べて、より重いものを選びましょう。
結び
せとかは、その濃厚な甘みと滑らかな舌触りで、まさに「柑橘のトロ」と呼ぶに相応しい逸品です。旬の時期には、ぜひその美味しさを堪能してください。価格はやや高めですが、その味わいは価格に見合うだけの価値があります。大切な人への贈り物としても最適です。
せとかは種がありますか?
せとかは通常、種が少ない品種として知られていますが、まれに種が含まれている場合があります。
せとかの保存方法は?
せとかを保存する際は、直射日光を避け、涼しい場所での保管が推奨されます。冷蔵保存する場合は、乾燥を防ぐため、ビニール袋などに入れて保存すると良いでしょう。
せとか、その特別な魅力とは?
せとかの最大の特徴は、何と言ってもその芳醇な甘さと、口の中でとろけるような滑らかな食感です。加えて、果皮が非常に薄いため、手軽に皮をむいて食べられる点も人気の理由の一つです。