カシューナッツは、ナッツ類の中でも特に人気がありますが、その一方で、思わぬ違和感や不快感を抱く人も少なくありません。風味や食感だけでなく、見た目から、「カシューナッツが苦手」と感じる人がいるのです。この記事では、そんなカシューナッツの特性やアレルギーについて詳しく探っていきます。
カシューナッツとは？
カシューナッツは、ウルシ科に属するカシューの木から採れる種子です。この木の実は、赤やオレンジ色の「カシューアップル」と呼ばれる果実の下部に、勾玉のような独特の形をした種子がついているのが特徴です。毎年3月から6月にかけて収穫が行われ、日本ではローストされたものや生のものがスーパーやコンビニ、ネット通販などで購入できます。
「日本ナッツ協会（Japan Nut Association）」が発表した「輸入統計」によると、2021年の日本におけるカシューナッツの輸入量は13,384トンで、2020年の11,592トンと比較して約15%増加しています。近年の輸入量は増加傾向にあり、カシューナッツはケーキやパン、おやつ、スイーツ、さらにはおつまみとしても広く親しまれています。
カシューナッツは、インド、ブラジル、タンザニア、モザンビークなど、温暖で湿度の高い亜熱帯地域で主に栽培されています。特にコートジボワールは、世界のカシューナッツ生産量の約20%を占める主要な生産国であり、インド、ベトナム、ブルンジとともに世界の生産量の50%以上を占めています。2021年のデータでは、日本で流通しているカシューナッツのうち、インド産が51%、ベトナム産が47%を占めています。
カシューナッツアレルギーとは？
カシューナッツアレルギーは、体が誤ってカシューナッツに含まれるタンパク質を有害と認識し、過剰な免疫反応を引き起こす状態です。症状は軽症の場合、口周りの腫れや痒みなどに止まりますが、重症化すると喉の腫れによる呼吸困難や意識障害などのアナフィラキシーショックを発症する恐れがあります。 このアレルギーは生まれつき持っている人や、継続的にカシューナッツを摂取した結果獲得する人もいます。カシューナッツはナッツ類の中でもアレルゲン性が高く、他のナッツ類にもアレルギー反応を示すケースが多いのが特徴です。 カシューナッツアレルギー体質の人は、カシューナッツを含む食品を避けるだけでなく、製造ラインの共有や不注意による混入にも注意を払う必要があります。食品表示を確認し、アレルギー症状が出た場合は速やかに医療機関で受診することが重要となります。
カシューナッツが含まれている食べ物に注意！
カシューナッツは風味豊かで栄養価も高く、様々な料理の隠し味として活躍しています。しかし、アレルゲンとなるタンパク質を含むため、一部の人にアナフィラキシーショックなどの重篤な症状を引き起こす危険性があります。 カシューナッツアレルギーがある人は、加工食品や飲食店で提供される料理にも油や調味料としてナッツが潜んでいる可能性があることに注意が必要です。せっかくの外食やおいしい食事が、思わぬアレルギー反応のリスクとなりかねません。 つきましては、原材料表示をしっかりと確認するとともに、飲食店では事前にアレルギーについて伝えることが不可欠です。万が一アレルギー症状が出た場合、軽症と思われても口内の異常や嘔吐の可能性があり、重症化すれば命にも関わるアナフィラキシーショックに進行するリスクがあります。カシューナッツアレルギーの人は常に対処法を熟知し、予防対策を怠らないよう心がける必要があるでしょう。
食品へのアレルゲン表示
アレルギー疾患の患者数が増加する中、食品へのアレルゲン表示は消費者の安全を守る上で重要な役割を担っています。アレルゲンには卵、乳製品、小麦、そば、落花生、えび、かになどの主要なものがあり、これらの原材料が製品に使用されている場合は包装やメニューに明記されます。適切な表示により、消費者はアレルギー症状のリスクを事前に回避でき、安心して食事を楽しめます。 一方で、特定原材料に準ずるアレルゲン物質として、カシューナッツ、アーモンド、ごま、牛肉、いか、さけ、くるみ、まつたけ、オレンジ、鶏肉、バナナ、豚肉、ゼラチンなど21品目が指定されています。これらの原材料については、表示が義務付けられているわけではありませんが、推奨されています。消費者庁の指導を受けて、食品関連事業者は積極的な情報開示に努めています。アレルギー物質を適切に表示することで、潜在的な健康被害を防ぎ、顧客の信頼を得ることができます。食の安全性と透明性を高める観点から、アレルゲン表示の徹底が不可欠となっています。
まとめ
カシューナッツは美味しく栄養価が高い食材ですが、アレルギーリスクをはじめ、さまざまな要因から不安を感じる人もいます。特にカシューナッツアレルギーは重篤な症状を引き起こす可能性があり、アレルギーを持つ方は、食品の原材料表示を確認するなど注意が必要です。食品業界も適切なアレルゲン表示を行うことで、安全性と消費者の信頼を守る責任を担っています。カシューナッツを安全に楽しむために、正しい情報と予防策が求められています。