炭酸水 苦い
炭酸水を飲んだことがある人なら、あの独特の苦みを経験したことがあるでしょう。しかし、その苦みの正体は何なのでしょうか?炭酸水の苦みは、単なる味覚の問題ではありません。実は、炭酸水の苦みには科学的な理由があるのです。今回は、炭酸水の苦みの原因や、苦みを感じる人と感じない人の違いについて探っていきましょう。
炭酸水が苦いと感じるのはなぜ?
炭酸水以外の原因で苦いと感じること
炭酸水は『酸っぱい』と感じることもある
炭酸水を飲むと、時折「酸っぱい」と感じることがあります。これは、炭酸水が弱酸性を示すためです。炭酸水のpH値は5〜6程度で、酢やレモン果汁ほど強い酸性ではありませんが、「酸性」の定義であるpH値7以下に該当します。
炭酸水の製造過程では、『脱気』という工程があります。これは、酸素が水に溶け込んだままだと製品が劣化するおそれがあるため、炭酸ガスを入れる前に酸素を抜く作業です。脱気によって製品を安定させ、炭酸ガスを溶け込みやすくします。溶け込んだ炭酸ガスの刺激によって、舌の酸味受容体が活性化され、酸っぱさを感じさせます。
ただし、この酸っぱさの感じ方には個人差があり、炭酸水の種類によっても酸味の強さは異なります。強い炭酸水ほど、より強い刺激を感じる傾向にあります。また、炭酸水に慣れていない人は、最初は酸っぱさに敏感に反応するかもしれません。
炭酸水の適度な酸味は、口の中をさっぱりとリフレッシュしてくれる効果があります。暑い日や食事の後などに炭酸水を飲むと、爽快感が得られるでしょう。ただし、歯のエナメル質を徐々に溶かす可能性があるため、飲み過ぎには注意が必要です。
炭酸水が苦いときにおいしくする方法
炭酸水の苦みが気になる方におすすめの方法をいくつかご紹介します。
まず、炭酸水を少し空気にさらして炭酸を抜くことで、苦みを感じにくくなります。コップに注いだ炭酸水に氷を入れたりマドラーでかき混ぜたりすると、早く炭酸が抜けます。ただし、やりすぎるとガスが完全に抜けてしまうので、加減が大切です。
次に、砂糖やガムシロップを加えることで、炭酸の苦みが和らぎ、飲みやすくなります。コーラやサイダーには大量の糖分が含まれていますが、炭酸水は少しの糖分でも甘みを感じることができるので、心配しすぎる必要はありません。かき氷のシロップや、ゆず茶、はちみつなども良い選択肢です。
また、フルーツ酢で割るのもおすすめです。フルーツ酢自体は酸っぱくて飲みにくいですが、炭酸水と割ることでそれぞれが飲みやすくなります。様々な味のフルーツ酢が販売されているので、試してみるのも面白いでしょう。
レモン汁を入れるのも効果的です。国産レモンを絞るのが最もおすすめですが、食卓用のレモン汁やチューハイ用のレモンジュースでも美味しく飲むことができます。産地やメーカーによって味が異なるので、違いを楽しむのも一興です。
さらに、ミネラルウォーターで薄めて濃度を下げることで、苦みを抑えられます。他の味を混ぜるのに抵抗がある方や、カロリーが気になる方、たくさん飲みたい方に適しています。
最後に、オレンジジュースやリンゴジュースなどの好きな飲み物で割ると、手軽なデザートドリンクに変身します。トマトジュースもサッパリと飲めるので、夏にはピッタリです。濃い味が好みなら、「カルピス」を入れて自家製「カルピスソーダ」を作るのもおすすめです。
自分好みの炭酸水の飲み方を見つけて、健康的で美味しい炭酸水を楽しんでください。
苦くない炭酸水はある?
炭酸水を選ぶ際、苦みの強さは重要なポイントの一つです。そのまま炭酸水を飲みたい人には、苦みを感じにくい商品がおすすめです。
例えば、『南アルプス天然水スパークリング』は、南アルプスの天然水を使用し、適度なミネラルを含んだまろやかな味わいが特徴です。硬度は1Lあたり約30mgと低めで、強いガス圧による爽快な刺激と後味の良さが人気を集めています。
一方、ダイエットを意識している人には、『いろはす無糖スパークリング』がおすすめです。この商品は、「いろはす」ブランド初の機能性表示食品で、『難消化性デキストリン』という食物繊維を含んでいます。脂肪の吸収を穏やかにし、血糖値の上昇を抑える働きがあるため、健康志向の方や糖尿病が気になる方にも適しています。
お酒の割り材としても人気なのが、『ウィルキンソン タンサン』です。人工炭酸水ではありますが、そのままでも飲むことができます。水のまろやかさは天然水に少し劣りますが、強い炭酸の刺激が好きな人にはおすすめです。氷を入れても炭酸が飛びにくいのも特徴の一つです。
また、『ウィルキンソン タンサン』には、『難消化性デキストリン』を含むものや、苦みを感じたい人向けの『トニック』もあります。炭酸水は苦い!と決めつけずに、表示をチェックして自分の好みに合った商品を選ぶことが大切です。
苦い炭酸水も飲むといいことがある!
炭酸水は苦みがあるために敬遠されがちですが、実は健康にとって嬉しい効果がたくさんあります。
まず、ダイエットに効果的です。食事の15~20分前に常温の炭酸水を300~500ml飲むと、胃が膨れて少ない食事量でも満足感が得られ、減量につながります。また、炭酸水を飲むと血液中の二酸化炭素が増え、エネルギー消費効果も期待できます。
疲労回復効果も期待できます。炭酸ガスは水素イオンと結びつき、疲労の原因となるphバランスの崩れを中和してくれます。レモン果汁と一緒に飲むとさらに効果的です。
腸の働きも活発になります。炭酸ガスが腸内の血行を促進し、便秘や下痢の改善、老廃物の排出を助けます。ただし、腸内ガスがたまりやすい人やIBSの人は飲みすぎに注意が必要です。
肩こりの解消にも役立ちます。炭酸ガスにより血液の流れが活発になり、凝り固まった肩の血行が改善されます。炭酸水を飲むだけでなく、湯船に入れて入浴することでもダブルの効果が期待できます。
さらに、代謝アップにも効果があります。体内の二酸化炭素濃度が上がると、体は酸素不足と判断して血液循環を促進し、新陳代謝が向上します。また、水分摂取による体温調節のためのエネルギー消費も、ダイエットの相乗効果となります。
苦みのある炭酸水ですが、その効果を知れば、ぜひ生活に取り入れたくなりますね。
まとめ
炭酸水の苦みは、炭酸ガスが水に溶け込むことで生じる炭酸の影響であり、個人の味覚受容体の感受性の違いによって、苦みを感じる程度が異なるのです。炭酸水の苦みの科学的メカニズムを理解することで、自分に合った炭酸水の選び方ができるでしょう。