甘酒は日本の伝統的な飲み物として、古くから親しまれています。その甘みと栄養価の高さで、「飲む点滴」とも称されるこの飲料には、魅力的な健康効果がたくさんあります。しかし、その成分に含まれる糖質については、注意が必要です。本記事では、甘酒の糖質成分について詳しく解説し、その健康への影響を多角的に検証します。ヘルシーな選択をするための参考に、甘酒の秘密を一緒に探ってみましょう。
甘酒の特徴について
甘酒は米や玄米を使った飲料で、多くの日本文化と繋がりのある飲み物です。
その歴史は古墳時代にまで遡り、「日本書紀」には「天甜酒」や「醴酒」という形で記録されています。
今日では、「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類が一般的で、それぞれの特徴を以下に示します。
米麹を使った甘酒
米麹甘酒は、米と米麹を原料とした飲み物です。
この甘酒は麹菌の発酵によって作られ、アルコールを含まない点が特徴的です。また、自然の糖分のみで甘みを感じることができ、砂糖を使用していないのも利点です。
次に紹介する酒粕甘酒よりも、低カロリーなものが多く見られます。
ビタミンB群やグルコースといった栄養素が豊富で、健康的な飲料として認識されています。市販されている甘酒は、多くの場合、米麹を使って作られています。
酒粕を使用した甘酒
酒粕から作る甘酒は、水に溶かして砂糖を加えた飲み物です。
これは米麹で作られる甘酒と異なり、少量のアルコールを含んでいます。甘さが豊かでカロリーが高いのが特徴で、日本酒の香りが感じられるため、好みが分かれることがあります。しかし、酒粕には独自の栄養素として食物繊維やタンパク質が含まれています。
妊娠中の方や小さなお子様には、米麹から作られた甘酒をおすすめします。
甘酒のカロリーと糖質について
甘酒はカロリーが高いイメージを持つ人が多いかもしれません。実際、そのカロリーはどのくらいなのでしょうか。甘酒は100mlあたりおおよそ80kcalです。酒粕甘酒のベースである酒粕は、100gあたり227kcalです。では、他の飲み物のカロリーを100mlあたりで比較してみましょう。
・調整豆乳 64kcal
・コーラ 46kcal
・りんごジュース 44kcal
比較してみると、甘酒のカロリーは若干高めであることが分かります。次に気になるのは糖質です。甘酒の糖質は100gあたり約18gです。他の飲み物と糖質を100gあたりで比べてみましょう。
・調整豆乳 4.5g
・コーラ 11.3g
・りんごジュース 11.8g
甘酒はお米を原料としているため、他の飲み物に比べて糖質が高いことが分かります。
甘酒の持つ栄養素
甘酒の栄養を詳しくご紹介します。
オリゴ糖
甘酒に使用される米麹は、コウジ菌を含んでおり、これがアミラーゼという酵素を生成します。
このアミラーゼによってでんぷんが糖へと変化し、さらにオリゴ糖へと分解されます。オリゴ糖は腸内で善玉菌の栄養源となり、腸内フローラを整える効果が期待されます。
その結果、老廃物の排出が促進され、肌を美しく整える効果が期待されます。
グルコース
でんぷんの分解によって生成されたブドウ糖は、体内で迅速に吸収されエネルギー源となります。その結果、代謝が活発化し、脂肪の燃焼効率が向上するため、減量にも効果的です。
ビタミンB群
炭水化物や糖質、そして脂肪の分解をサポートするビタミンB群を中心に、多量のビタミンが含まれています。これらのビタミンは、代謝を促進し、肌や髪の健康を維持し、さらに疲れを軽減する効果があり、我々にとって欠かせない栄養源です。
飲み過ぎに注意
甘酒を摂取しすぎると、そのカロリーと糖質が肥満を招く要因になります。1日に200ml、つまりコップ1杯を基準に摂取することをおすすめします。