
栄養や健康に関心が高まる中、「糖質」についての議論が増えています。ダイエットや健康維持、疾病の予防において糖質の取り扱いは重要な課題となっているだけに、一日に摂取するべき糖質の量というのは誰もが気になるところでしょう。そこで本日は、1日に必要な糖質について詳しく解説していきます。私たちの身体にとって糖質がどのような役割を果たし、適正な摂取量とはいったい何なのか、一緒に見ていきましょう。
そもそも「糖質」とは?
そもそも「糖質」とは何でしょうか。食べ物の中にはたんぱく質、脂質、そして「糖質」(別名、炭水化物)が含まれていて、これらの要素は「三大栄養素」と呼ばれる重要なエネルギー源です。私たちの活動や身体の構造を支える役割があります。その中で、「糖質」は体内で消化・分解され、グルコースとなり、皆さんが思考したり動いたりするために必要なエネルギーを供給するものなのです。
しかし、糖質は「肥満の元」とする誤解が広がっています。商品には「糖質ゼロ」や「低糖質」をアピールするものも増えており、糖質制限ダイエットが流行っています。過剰摂取は体重増加に繋がりますが、糖質を過度に制限するとエネルギー不足で体調を崩すこともあります。ですので、無理な制限は避け、適量を理解し、コントロールすることこそが大切です。

糖質の1日の摂取量の目安
糖質をコントロールするコツ
糖質を上手に管理するためには、その取り扱い方を理解することが肝心です。以下に、それについての3つのポイントを挙げます。
まず第一に、1日の食事内で糖質の摂取量を均等に配分することが大切です。ただし、糖質を全く取らないような食生活ではなく、適量の摂取が必要です。糖質制限として、食事の量や回数を極端に減らすのはお勧めできません。朝、昼、晩の3食しっかり食べつつ、それぞれの食事で、炭水化物の制限をするなど糖質量を適切に制限しましょう。一般的な目安として、食後の活動量が比較的少ない夕食での糖質摂取は控えめにし、朝、昼、晩の摂取量のバランスを4:4:2に保つことが推奨されます。
次に、食品ごとの糖質量について把握することも重要です。糖質の主源である炭水化物だけでなく、果物や果汁、甘い菓子にも糖質は多量に含まれています。そういった食材の糖質量を理解することで、より適切な食事の選択が可能となります。
そして最後には、適度な運動を行うことも糖質コントロールには大切です。これは身体内での糖質の消費を増加させ、その結果、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。生活の中で意識的に歩くことや、週に数回ジムで運動するなど身体を動かすことはおすすめです。
健康を維持するために、日々の食事や運動の取り組みは大切です。一人一人の体調や状態に合わせた最適な糖質のコントロール方法を見つけ、アクティブに取り組んでみてください。
糖質量を上手に抑える1日の食事例
1日の糖質摂取量を適度に抑えた食事の例を、3回の食事別に提案します。
【朝食】糖質40g~60g目安
白米の代わりにキノアか玄米を用意、プロテインが豊富な卵と野菜もしっかりと摂ります。卵を1個(1g以下)、野菜(糖質5g程度)を十分に摂取し、主食にキヌア(糖質30~40g)または玄米(糖質35~55g)を選ぶと良いでしょう。朝は主なエネルギー源となる糖質を多めに摂ることが許容できますが、その日の活動に支障が生じないよう朝食を抜くことは避けましょう。
【昼食】糖質40g~60g目安
具だくさんのサラダに、豆腐(糖質2g程度)や鶏むね肉(5g程度)といったたんぱく質をトッピング。ランチのお店で食べる場合も、ファストフードやラーメンなど栄養バランスが偏りやすいものは避け、ご飯がマストなら「少なめ」をオーダーしましょう。うま味調味料やスパイスを活用すれば、低糖質でも満足感のある一食に。
【夕食】糖質20g~30g目安
夕食は特に糖質を抑え、脂質やたんぱく質、食物繊維を中心に考えます。魚や肉の煮込み料理と、豆類(糖質10g程度)や海藻(1g以下)の食物繊維を組み合わせましょう。また、キヌア(糖質15~30g)と煮込み料理に配することが肝心。
いずれの食事でも、無理なく続けられることが大事。糖質を制限しながらも、栄養バランスの良い食事を心掛け、楽しみながら食事をすることが望ましいです。

まとめ
糖質の適正摂取量は生活スタイルや体質等により変わりますが、厚生労働省によると一般的な大人の場合、一日のエネルギー摂取 目安量の50~60%を目安にし、総エネルギー摂取量2000kcalの人なら約250~300gが適量とされています。しかし、必要以上の摂取は避けましょう。
よくある質問
1日に取っていい糖質の量は?
1日に取っていい糖質の摂取量は、年齢や性別、日々の身体活動量によって異なりますが、一般的な目安としては1日の総エネルギー摂取量の50~65%を糖質から摂取することが推奨されています。たとえば、1日に必要なエネルギーが2,000キロカロリーの場合、糖質の摂取量の目安は250~325g程度となります。糖質は1gあたり4キロカロリーなので、計算しやすいのが特徴です。
糖質の摂取量を過剰にすると、消費しきれなかった分が中性脂肪として体内に蓄積され、肥満や生活習慣病のリスクが高まります。そのため、糖質の摂取量を意識し、主食や間食の糖質量にも注意を払うことが大切です。一方で、糖質が不足するとエネルギー源が足りなくなり、体調不良を引き起こす可能性もあるため、極端な糖質制限は避ける必要があります。
糖質制限を意識する場合でも、1日あたりの糖質摂取量は130g以下を目安にする方法が一般的ですが、健康状態や目的によって適切な糖質量は異なるため、自分に合った摂取量を見極めることが重要です。