フランス・ボルドー地方の伝統菓子として知られるカヌレ。その独特な食感と風味は、多くのスイーツ愛好家を魅了してやみません。しかし、この小さな焼き菓子の美味しさを生み出す秘密は、実はシンプルな材料に隠されているのです。外はカリッと、中はモチっとした完璧な仕上がりを実現するためには、どのような材料を選び、どのように組み合わせるのが良いのでしょうか。この記事では、カヌレ作りに欠かせない材料の秘密に迫ります。
カヌレとは何か?
「カヌレ」という言葉は、「溝のついた」という意味を持っています。このお菓子の正式名称は「カヌレ・ド・ボルドー」です。
カヌレは16世紀頃、フランスのボルドーにある女子修道院で生まれたとされています。ワインの製造過程で卵白を使用し、その際に余った卵黄を使って、修道女たちがこのお菓子を作り始めたのが起源です。
かつての修道女たちが工夫を凝らして考案したカヌレを、自宅で手作りしてみましょう。
カヌレの基本レシピ (テフロン型使用時:5個、銅型使用時:6個)
バターを小鍋に入れ、中火で混ぜつつ加熱して淡い茶色になるまで待ちます。茶色くなったら鍋底を水で冷やし、そのまま置いておきます。
次に、バターを約60℃に冷やします。
続いて、牛乳を加えてホイッパーで練らないように優しく混ぜ合わせます。多少ダマが残っても構いません。
冬場は常温に戻るのに時間がかかるため、急ぐ際はぬるま湯で湯せんするか、オーブンの発酵機能を利用すると便利です。
型の内側にバターをまんべんなく塗ります。
オーブンの天板を戻し、230℃で20分焼き、その後190℃に下げて30~40分焼きます。焼き色がしっかり付くまでが目安です。
型から外してみて焼き色が足りない場合は、焼き時間を延長してください。
カヌレ特有の“す”が生地の中にできることで、その風味が引き立ちます。
美しいカヌレを作るための秘訣
生地を極端に混ぜすぎるとグルテンが過剰に生成され、生地が型からあふれることがあります。
このように生地があふれた場合、表面の焼き色にばらつきが生じることがあります。ダマが目立つ場合は網でこすことで解消が可能なので、優しく混ぜることがポイントです。
生地を適度に混ぜることの重要性
このレシピでは、生地を最低でも12時間、できれば24時間しっかり休ませるのが最善です。冷蔵庫で十分に時間を置くことで、グルテンが落ち着き、焼き上がる際の生地の膨張を防ぐことができます。
休ませる時間が異なる生地の焼成10分後の状態を観察すると、短い時間しか休ませていないものは型から大きくはみ出しています。
生地を十分に休ませる
カヌレの焼き加減には、焼き始めの温度が調整できているかが鍵となります。家庭のオーブンでは予熱が完了しても設定温度より10〜20℃低い場合があるため、温度管理が大変重要です。
そのため、オーブン用の温度計を利用し、実際の庫内温度を確認しながら焼くことをおすすめします。また、オーブンの扉を開けると庫内温度がすぐに下がるので、手早く作業を進めることが求められます。
カヌレ作りは、丁寧な生地の準備と厳密な温度管理が肝心です。生地を混ぜすぎること、休ませる時間が短いこと、オーブンの温度が低すぎることの3つは、良質なカヌレ作りには避けるべきポイントです。
もし焼成中に生地が型からはみ出したり、焼き色が不均一になった場合は、上記の要点を見直してください。
庫内の温度を適切に管理する
いくつかの秘訣を押さえれば、プロ顔負けのバリッともっちりなカヌレをおうちで作ることが可能です。
自宅でも挑戦して、お店の味に負けない絶品カヌレを作ってみませんか?