糖尿病 でも 食べれる ケーキ

「甘いものは別腹」とはよく言いますが、糖尿病を抱える方にとっては、ケーキなどのスイーツはなかなか手が出しにくいもの。でも、誕生日や記念日など、特別な日には美味しいケーキを味わいたいですよね。そこで今回は、糖尿病の方でも罪悪感なく、美味しく食べられる低糖質ケーキの選び方を徹底解説します。血糖値の上昇を気にせず、心ゆくまでスイーツを楽しめるヒントが満載です。選び方のポイントを知って、健康と美味しさを両立させましょう!

糖尿病患者の多くがお菓子を断ち切れない現状

糖尿病の治療において、食事と運動による血糖管理は不可欠です。しかし、糖尿病と診断されても、日常的にお菓子や甘味を摂る人は少なくありません。本来、間食は血糖値を乱すため控えるべきですが、家族や医師から注意を受けても、それを守れない人もいます。もちろん、「健康のため」にお菓子を食べる糖尿病患者はいないでしょう。しかし、元々甘いものが好きだったり、禁止されると余計に欲しくなったりする心理も働きます。特に糖尿病患者は甘党が多く、厳しい食事制限をしていると空腹を感じやすいものです。血糖値が落ち着いてきた時に、糖質の多いお菓子を摂ると、血糖値は急上昇し、身体に負担をかけます。そのため、糖尿病患者が間食をする際は、血糖値への影響が少ない食品を選ぶことが重要です。

糖尿病患者が間食を摂りすぎると?

糖尿病患者の約9割が、3度の食事以外に間食をしているという調査結果があります。適切な間食は、不足しがちな栄養を補う上で有効な手段ですが、過剰な摂取は治療においてマイナスに作用します。なぜなら、カロリー過多、糖質・脂質の摂りすぎ、血糖値の乱れを引き起こす可能性があるからです。糖尿病治療では、肥満の予防と改善が非常に大切です。間食の過食が体重増加を招くことは周知の事実ですが、肥満とは単なる体重の増加ではなく、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、体脂肪が蓄積した状態を指します。糖尿病の方が肥満になると、様々な合併症のリスクが高まります。動脈硬化、高血圧、狭心症、心筋梗塞、脂質異常症、脂肪肝などは、肥満を伴う糖尿病患者によく見られる疾患です。さらに、糖尿病の三大合併症である、網膜症、神経障害、腎症も併発しやすくなるため注意が必要です。糖尿病の食事療法では、栄養バランスを考慮した食事メニューが求められます。しかし、糖質や脂質の多い間食を摂りすぎると、全体の栄養バランスが崩れてしまいます。その結果、血糖コントロールが困難になり、高血糖状態が続くことも考えられます。高血糖が慢性化すると血管が損傷し、動脈硬化などの血管・心臓疾患を招きやすくなります。

糖尿病の方も安心して楽しめるおすすめのお菓子とは?

糖尿病の食事療法中でも、甘いものが恋しくなるのは自然なことです。では、実際に糖尿病でも食べられるお菓子はあるのでしょうか?甘さ控えめなら良いのか、カロリーが低ければ大丈夫なのか、疑問に思う方もいるでしょう。おやつを選ぶ際には、「低糖質」「低脂質」「低カロリー」を意識すると良いでしょう。例えば、砂糖不使用や人工甘味料を使ったお菓子、豆乳やおからを使ったヘルシーなスイーツがおすすめです。最近は、糖質制限のスティックケーキや低糖質クッキーなど、様々な商品が販売されているので、探してみると良いでしょう。日本糖尿病学会の資料には、「砂糖を多く含む食品は、血糖値や中性脂肪を上げやすく、糖尿病治療には好ましくない」と記載されています。そのため、ジュース、アイスクリーム、ジャム、菓子パン、お菓子などは、できるだけ避けるべきだとされています。しかし、これは全てのお菓子が禁止というわけではありません。「砂糖が多く含まれるもの」「血糖値や中性脂肪を上げやすいもの」を避ければ、お菓子を食べても良いということです。ただし、量やタイミングには注意が必要です。特に寝る前のお菓子は脂肪が蓄積しやすいので避けましょう。

チョコレートは糖尿病患者の血糖値を本当に下げるのか?

メディアで「チョコレートが血糖値を下げる」という情報に触れたことがあるかもしれません。チョコレートの主原料であるカカオ豆には、カカオポリフェノールという成分が含まれており、これがインスリンの働きを助けると考えられています。糖尿病専門医である栗原医師によると、カカオ含有量70%以上のダークチョコレートを糖尿病患者が少量摂取した際に、ヘモグロビンA1cの値が改善する傾向が見られたという研究結果があります。カカオ豆には、血糖値の調整に重要な食物繊維が豊富で、糖の吸収を緩やかにし、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。さらに、カカオポリフェノールは動脈硬化や高血圧の予防にも役立つため、糖尿病治療中の人にとって注目すべき成分と言えるでしょう。ただし、チョコレートには糖質や脂質も多く含まれています。「血糖値が下がる」という理由で大量に食べると、肥満や高血糖の原因となります。おやつとしてチョコレートを食べる場合は、カカオ70%以上のダークチョコレートを選び、板チョコの半分程度(25g以内)を目安にしましょう。

糖尿病治療中でもケーキが食べたい時の対処法

糖尿病の方の中には、甘いものがお好きな方が少なくありません。お誕生日などの特別な日には、ケーキを楽しまれることもあるでしょう。しかし、糖尿病の治療中であれば、ケーキは控えるべき食品の一つです。とは言え、嗜好品は1日200kcalまでであれば、摂取しても問題ないとされています。もちろん、日々の食事でバランス良く栄養を摂っていることが前提です。注意すべき点として、一般的なケーキは1個あたり300~500kcalと高カロリーです。そのため、一度に全部食べることは避け、半分から3分の2程度に留めることが大切です。また、糖質を抑えたケーキを選ぶのも良いでしょう。例えば、糖質70~80%オフのチーズケーキであれば、1個食べても162kcal程度です。糖質を抑えながらも、満足感のある味わいが楽しめるためおすすめです。特に、生クリームをたっぷりと使用したケーキは、糖質だけでなく脂質も豊富です。血糖値の急上昇を引き起こしやすく、また、血糖値がなかなか下がりにくくなるため、糖尿病治療中の方はできる限り避けるのが賢明でしょう。

糖尿病患者がコンビニでお菓子を選ぶ際の注意点

近年、低糖質ダイエットの普及に伴い、コンビニエンスストアやスーパーマーケットでは、低糖質を謳ったスイーツ、お菓子、アイスクリームが数多く販売されるようになりました。糖質量の抑制はもちろんのこと、低カロリーの商品も増加しており、食事療法に取り組む糖尿病患者の方々にとっては大変有益な状況と言えるでしょう。お菓子を選ぶ際には、これらの「低糖質」「糖質オフ」「糖質カット」と表示された製品を積極的に選ぶように心がけましょう。しかしながら、パッケージに低糖質と記載されていても油断は禁物です。購入前には必ず、栄養成分表示に記載されている糖質量(炭水化物量)とカロリーを確認することが重要です。目安としては、1個あたり150kcal未満、かつ糖質量が10g以下のお菓子、アイスクリーム、スイーツを選ぶと良いでしょう。特にカップアイスにおいては、1個あたりエネルギー80kcal、糖質量8.0g以下の商品も多数見受けられます。砂糖を使用せず、豆腐を原材料に使用している製品もあり、これらは糖尿病患者の方でも比較的安心して口にすることができます。暑い季節には、冷たくて甘いアイスクリームは魅力的ですが、このような商品を活用してみてはいかがでしょうか。豆腐特有の風味はほとんどなく、通常のアイスクリームと遜色ない美味しさを堪能できるのは嬉しい点です。

間食で甘いものを食べると糖尿病になるって本当?

「甘い物を口にしたら即糖尿病になるのでは?」と過剰に心配する方がいますが、それは少し考えすぎです。糖尿病は、インスリンの働きが不十分になることで起こる病気で、甘い物を食べただけで発症するわけではありません。もしそうなら、甘い物が簡単に手に入る現代では、ほとんどの人が糖尿病になってしまうでしょう。確かに、甘い物の摂り過ぎは肥満につながり、健康には良くありません。しかし、血糖値を上げる「糖質」は、甘い物だけに含まれるわけではないのです。例えば、白米やパン、麺類、芋類などにも多く含まれており、これらも食後の血糖値を上昇させます。甘い物を控えることは大切ですが、それ以上に、3食を規則正しく、ゆっくりとよく噛んで、腹八分目に抑えることの方が、糖尿病予防には重要です。

糖尿病患者がお菓子を食べる際の注意点

糖尿病治療中の方にとって、食事と運動による血糖管理は非常に重要です。間食には、糖質の低い果物や乳製品が推奨されますが、毎日同じものだと飽きてしまうこともあるでしょう。どうしてもお菓子が欲しくなった時は、低糖質、低脂質、低カロリーなスイーツやアイスを選ぶのがおすすめです。「砂糖不使用」でカロリーゼロの人工甘味料を使ったものも良いでしょう。また、食べるタイミングも重要です。低糖質のお菓子でも食後に血糖値は上昇するため、運動前などに食べるのが理想的です。テレビを見ながらダラダラと食べるのは、血糖コントロールだけでなく肥満の原因にもなりかねません。食べ過ぎを防ぐには、袋から直接つまむのではなく、1回分をお皿に出してから食べるようにしましょう。小分け包装のお菓子を選ぶのも、1個あたりのカロリーや糖質を把握しやすくおすすめです。

まとめ

糖尿病の食事療法中、「甘いものを一切禁止」というわけではありません。重要なのは、摂取量、内容、頻度を意識することです。低糖質のおやつでも、頻繁に口にしていれば血糖コントロールは困難になります。嗜好品は1日100kcal程度に抑え、多くても200kcalを超えないようにしましょう。糖質の多いお菓子を摂り続けると高血糖状態が続き、糖尿病網膜症、神経障害、腎症といった重篤な合併症を引き起こすリスクが高まります。合併症を発症してからでは、元の健康な状態に戻ることは難しいのが現状です。しかし、適切な血糖コントロールと食事・運動療法を継続すれば、糖尿病でも健康な人と変わらない生活を送ることが可能です。日々の小さな努力を積み重ね、健康維持に努めましょう。

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