生クリームで作る極上ケーキ!選び方と使いこなし術

ケーキ作りの成功の鍵を握る生クリーム。素材のクオリティが仕上がりに直結するため、その選び方から使いこなし術まで知っておくとワンランク上の味わいを楽しめます。今回は、知識ゼロからでも始められる、生クリームの選び方からケーキ作りにおける応用テクニックをご紹介します。これらを覚えれば、おうちでプロ級の極上ケーキを作ることも夢ではありません。さあ、一緒に極上のケーキ作りの旅へ出かけましょう!

【生クリームの選び方】プロの味を実現!フランス菓子の専門講師が教える、生クリームの選び方と使い方

デコレーションケーキやムース作りにおいて、生クリームの選び方はとても重要です。

スーパーには多くの種類が並んでいて、どれを選べばいいのか悩んだことはないでしょうか?

お菓子作りを始めた当初、手に入る種類が少なく、「この味はケーキ屋さんとは違うな」と感じながら選んでいました。

現在では、ショップに行かなくても手軽に生クリームを購入できるのは嬉しいですね。

適切な選び方を知ることで、プロ顔負けの味を実現できます!

おいしいスイーツ作りに欠かせないポイントとして、生クリームの選び方や植物性と動物性の違い、また乳脂肪分による使い分けや保存方法を解説します。

この記事を参考にすれば、お菓子作りにぴったりの生クリームを選べるようになりますよ。

動物性と植物性の生クリームの違いとは?

すべての要素において、原材料、味、口溶け、価格、色、泡立ち、作業性、賞味期限、カロリーが異なります。

動物性と植物性の特徴を表にまとめました。

簡単に言えば、お菓子作りでは

美味しさを求めるなら動物性、取り扱いやすさなら植物性

といった使い分けを行います。

さらに、低カロリーが嬉しい、軽やかな味わいが好み、コストを抑えたいなど、何を重視するかで選び方が変わってきます。

動物性クリームは風味とコクがあり、口溶けが良く高脂肪なものほど素早く泡立ちます。しかし、泡立て過ぎると扱いが難しくなることもあります。

植物性クリームは口溶けや風味で劣りますが、軽くてさっぱりとしています。泡立てに時間はかかりますが、安定性があり形を保ちやすいです。

植物性脂肪を使用したクリームとは?

動物性の食品が美味しいとされている中、なぜ植物性のものが存在するのでしょうか。

実は、植物性の製品は乳脂肪を含む生クリームの代わりとして開発されたのです。

これは植物油脂に乳化剤や安定剤、着色料、香料を組み合わせた生クリーム風の油脂製品です。

使用される植物油脂には、パーム油、ヤシ油、コーン油、なたね油、大豆油などが一般的です。

生クリームに似せるために、工業的にこれらの油脂に添加物を加えることが必要となります。

この過程で乳化剤や安定剤が使用され、植物由来の製品の色を調整するために着色料が追加されます。

生クリームとホイップクリームの違いを知っていますか?

スーパーでは「ホイップ」とラベルが付けられた商品を目にすることが多いのではないでしょうか。

その名前の通り、ホイップクリームは「お菓子作りで泡立てて使用する」ために設計された製品です。

「泡立てに最適なクリーム」であり、加熱調理には向いていません。

試しに加熱してみると、すぐに分離してしまいます。

純粋な脂肪分の生クリームとは何か?

ミルクの乳脂肪を凝縮したものです。

日本では以下のように定められています。

・原料は生乳や牛乳から取り出した乳脂肪のみ

・乳脂肪分が18%以上であること

・植物性脂肪や乳化剤、安定剤などの添加物を含まないもの

独特の風味と豊かなコクがあり、パティシエのケーキに負けない味を楽しめます。

和の要素を取り入れたフランス菓子のレシピでは、「クリーム」と表記された原材料名のものを使用することをおすすめしています。

生クリーム以外に存在するクリームにはどのような種類があるのか?

ホイップクリームやフレッシュクリームなどとして販売されています。

パッケージの裏面を確認してみましょう。

「生クリーム」という名称は使用できないため、以下のように記載されています。

乳または乳製品を主成分とした食品

クリームの3つの種類とはご存知ですか?

以下の3つに分けられます。

① 添加物が含まれた乳脂肪クリーム。これは、乳脂肪に乳化剤や安定剤を加えたもので、味は生クリームとほとんど変わりません。

② コンパウンドクリーム(乳脂肪+植物性脂肪)。このクリームは、乳脂肪の一部を植物性脂肪に置き換えたもので、良いところを組み合わせています。

③ 植物性クリーム。乳脂肪が全て植物性油脂に置き換わったクリームです。

「生クリーム」対「その他のクリーム」を比較した場合、以下のような相違点があります。

「添加物入りの乳脂肪クリーム」は、「生クリーム」と呼ばれることが多いですが、実際には生クリーム以外のカテゴリーに含まれます。

以上を踏まえ、お菓子屋さんのクオリティを目指すなら、原材料に「クリーム」と記載されているものを選ぶのが良いでしょう。

生クリームの低脂肪タイプと高脂肪タイプの違いとは?

商品名の数字は乳脂肪分のパーセンテージを示しています。

お菓子を作る際には、35%から50%の範囲で選びます。

① 低脂肪 35%② 中脂肪 38~42%(40%前後)③ 高脂肪 47%

オンラインのクラスでは、これらの3タイプを使い分けます。

ちなみに、高脂肪は乳脂肪分が45~50%、低脂肪は20~35%です。

低脂肪を使うと軽い仕上がりになり、脂肪分が多いほど濃厚で深い味わいになります。

菓子作りは乳製品の脂肪分で差をつけよう!

お菓子作りにおいてはとても大切なポイントです!

乳脂肪分を誤ると、ケーキが崩れたり、重いムースになったりといった失敗を招くことがあります。

低脂肪 35~38%軽めの食感を楽しみたいムースやプリンに適しています。フルーツのさわやかさを活かしたい場合にも良い選択です。

乳脂肪分 40%前後泡立てて使用するデコレーションケーキにぴったりです。

低脂肪 20~30%コーヒーや紅茶に加えるのに適しています。

特性を考慮し、お菓子がどのように仕上がるかのイメージに合わせて使い分けることが大切です。

失敗を避ける一番の方法は、レシピ通りの%を正確に揃えることです。

乳脂肪分の違いが泡立ちに与える影響とは?

ホイップクリームの質感は、その脂肪分によって大きく変化します。

生クリームは、乳脂肪の分子が連結することで泡立ちます。脂肪分が高いと泡立ちは早くなりますが、形が崩れやすくなるため扱うのが難しくなります。

よくある失敗例の写真があります。

低脂肪のクリームは、泡立つまで時間がかかりますが、その分空気を多く取り込み、軽やかな泡立ちになります。ご覧の通り、ふんわりした仕上がりで、ムースに混ぜ込んだり、デザートの上に載せたりするのにぴったりです。

脂肪分が40%程度のものは、ケーキのデコレーションに最適で、濃厚な味わいを楽しめます。

高脂肪タイプは、濃厚な風味を引き出したい時に利用され、35%のクリームと組み合わせて脂肪分を調整することもあります。

なぜコンパウンドクリームが選ばれるのか

余談ですが、どのお菓子に使用するかは、作り手の好みや作業経験によって異なることがあります。

例えば、大勢でデコレーションケーキを作る際には、植物性クリームを一部混ぜることがありました。

これがつまり、コンパウンドクリームというものです。

もし作業に慣れておらず、クリームが分離してしまうなら、コンパウンドクリームを選ぶ方が最終的に美味しく仕上がるでしょう。

どんな環境で作るのか、そして作業経験を考慮して選択してください。

ホイップクリームの適切な保存法

せっかく上質な生クリームを選んだのに、取り扱いを間違えると油っぽくなったり、胸やけの原因になることもあります。

ボウルに入れた生クリームや泡立てたものを、室温にそのまま放置していませんか?

オンラインレッスンでしばしば見受けられますが、作業開始直前まで必ず冷蔵庫に保管しましょう。

生クリームには脂肪球という小さな脂肪の球が大量に含まれており、それぞれの大きさを均一に保つには、5℃以下の温度が必要です。

室温に放置すると脂肪球が溶けてしまい、液体が油っぽくなり口当たりが悪くなります。

こういった理由から、生クリームは5℃以下で冷蔵保存し、取り扱う際は10℃以下を意識してください。

いかがでしたでしょうか?

生クリーム選びや使い方の参考にしていただければ嬉しいです。

ケーキ生クリーム