カフェ イン 眠くなる
カフェインといえば、目覚ましやリフレッシュのために、多くの人々がコーヒーやエナジードリンクなどの飲み物を愉しむ成分として広く知られています。一方で、「カフェインを摂取すると眠くなる」という意外な経験をしたことはありますか？不思議に思う方も多いでしょう。しかし、カフェインが体と脳に及ぼす影響は一筋縄ではいきません。その意外な理由と科学的な裏付けを探る旅に一緒に出かけましょう。
カフェインで眠くなることってあるの？
カフェインといえば眠気覚ましというイメージがありますが、実は「カフェインを摂ったのに眠くなった」という経験をする人もいます。これは決して珍しいことではありません。カフェインには中枢神経を刺激し、覚醒を促す働きがありますが、すべての人に同じように作用するわけではないのです。たとえば、カフェインに対する感受性は人それぞれで、もともと効きにくい体質の人もいますし、逆に過剰な刺激により自律神経が乱れ、疲労感や眠気を強く感じるケースもあります。また、カフェインはヒスタミンという神経伝達物質の放出を促しますが、それが逆に脳に混乱を与えることもあります。つまり、カフェインは必ずしも「眠気覚まし」になるとは限らないのです。
カフェインを摂取するタイミングなどで眠くなることもある
カフェインを摂っても目が覚めないどころか、かえって眠くなった――そんな経験をしたことがある人は意外と多いものです。実は、カフェインの効果は摂取した直後に現れるわけではなく、体内で吸収され、脳に作用するまでには一定の時間が必要です。一般的にその効果が感じられるまでには20～30分程度かかるとされており、その間にすでに眠気がピークに達してしまうと、カフェインの効果が追いつかず、結果的に眠く感じてしまうことがあります。また、砂糖やミルクをたっぷり入れた甘いコーヒーを飲むと、血糖値が一時的に上昇し、その後急激に下がることによって強い眠気を引き起こすこともあります。眠気覚ましを狙うなら、ブラックコーヒーを適切なタイミングで飲むのが効果的です。
カフェインの効果切れによって眠くなる
カフェインには一時的に眠気を抑える効果がありますが、それは体内の「アデノシン」という眠気を誘発する物質の働きをブロックすることで実現されています。カフェインはアデノシンとよく似た構造をしているため、アデノシンの受容体に先回りして結びつき、神経を鎮静させる信号を遮断します。その結果として脳が活性化され、眠気が抑えられるのです。しかし、この効果は永続的なものではなく、一定時間が経過してカフェインの働きが弱まると、再びアデノシンが受容体に結合し始めます。その際、カフェインでブロックされていた分、アデノシンが一気に作用し、反動のように強い眠気を感じることがあります。さらに、カフェインによって無理に活動したぶん、体がより疲れている場合も多く、その結果、効果が切れたあとに深い眠気が襲ってくるのです。
まとめ
カフェインを摂取した後に眠気を感じるのは、その利尿作用による脱水症状、またはカフェインによる一過性の興奮後の反動である可能性があります。また、個々のカフェインに対する反応は、遺伝的要素や日々の摂取量にも左右されます。しかし、何より大切なのは、良質な睡眠と適量のカフェイン摂取のバランスです。過度のカフェイン摂取は健康へのマイナス影響があるため、眠気をとる目的でなければ、カフェイン摂取量の見直しを視野に入れてみてください。