家庭菜園初心者さんでも育てやすいキャベツ。シャキシャキとした食感と、炒め物、サラダ、煮込み料理など、どんな料理にも合う万能さが魅力です。春キャベツ、冬キャベツなど、季節によって異なる品種を栽培するのも楽しみの一つ。この記事では、苗の植え付け時期から、栽培を成功させるためのコツまで、初心者さんにもわかりやすく徹底解説します。適切な時期に植え付け、ポイントを押さえれば、自宅で新鮮でおいしいキャベツを収穫できます。さあ、あなたもキャベツ栽培に挑戦してみませんか?
キャベツとは?特徴と品種
キャベツはアブラナ科の一年草で、原産は地中海沿岸です。大きさや形が異なる多くの品種が存在し、それぞれ個性的な特徴を持っています。大きく分けると、春に種をまき、梅雨時期から夏に収穫する「夏秋キャベツ」、夏に種をまき、冬に収穫する「冬キャベツ」、秋に種をまき、春に収穫する「春キャベツ」の3種類があります。収穫時期によって、葉の硬さや甘みが変化するのも魅力です。生育期には大きく結球し、条件が整えば黄色い花を咲かせます。
キャベツの栄養価と健康効果
キャベツは、栄養豊富な野菜として知られています。βカロテン、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンK、ビタミンU、葉酸、カルシウム、カリウム、食物繊維など、様々な栄養素をバランス良く含んでいます。特にビタミンUはキャベジンとも呼ばれ、胃の粘膜を保護・修復する作用があり、胃腸の健康をサポートします。また、豊富な食物繊維は、便秘の改善や予防に効果的です。日々の食生活にキャベツを取り入れることで、健康維持に役立ちます。
プランターでの栽培は可能?難易度と期間
キャベツは畑だけでなく、プランターでも気軽に栽培できます。プランター栽培なら、ベランダなどの限られたスペースでも栽培が可能で、移動も簡単です。深さ30cm以上ある大型プランターを用意すれば、キャベツは十分に育ちます。ただし、栽培期間は種まきから収穫まで110日~140日と比較的長いため、栽培難易度は「普通」とされています。特に家庭菜園初心者には、害虫が少なく、温度管理がしやすい「秋まき」栽培がおすすめです。
一年を通して楽しめる!栽培時期ごとの特徴
キャベツは、ほぼ一年を通して栽培できる野菜です。大きく分けて「春まき」「夏まき」「秋まき」の3つの時期があり、それぞれの時期に適した品種を選ぶことが大切です。春植え向き、秋植え向きの品種があるので、育てたい時期に合わせて選びましょう。温暖な地域では一年中栽培できますが、各時期で管理のポイントが異なります。初心者の方には、比較的害虫が少なく育てやすい「夏まき」または「秋まき」がおすすめです。
キャベツが苦手な暑さ対策
キャベツは暑さに弱い性質を持っています。生育に適した温度は15℃~25℃で、涼しい気候を好みます。真夏の気温が28℃を超えると生育が鈍くなるため、どの時期に種をまく場合でも、温度管理が重要になります。特に、夏まきキャベツのように暑い時期に植え付けをする際は、苗が強い日差しで弱らないように、遮光シートなどで日陰を作るなどの対策が必要です。
大きく育てる秘訣:肥料と土寄せ
せっかく育てるなら、大きく、ずっしりと重いキャベツを収穫したいですよね。キャベツの大きさは、外側の葉の生育に大きく左右されます。外葉が大きく育つことで光合成が活発になり、結球も大きくなります。外葉を大きく育てるためには、適切な「肥料」と丁寧な「土寄せ」が欠かせません。生育初期のキャベツは肥料の吸収があまり良くないので、緩効性の肥料を元肥として与えるのが効果的です。追肥は栽培時期に合わせて頻度を調整し、土寄せも行うことで株を安定させましょう。
害虫から守る!防虫ネットと寒冷紗
キャベツなどの葉物野菜は、アブラムシやアオムシ、ヨトウムシといった害虫がつきやすいのが難点です。しかし、適切な対策を講じることで被害を最小限に抑えることができます。最も一般的な対策は、防虫ネットや寒冷紗を使用して、物理的に害虫の侵入を防ぐことです。特に夏にキャベツを栽培する際は、寒冷紗を使用することで、害虫対策に加えて、温度上昇を抑制する効果も期待できます。
連作障害を防ぐための知恵
キャベツを栽培する上で注意したいのが、アブラナ科特有の連作障害です。これは、同じ場所で繰り返し同じ種類の野菜を育てることで起こり、土壌の栄養バランスが崩れたり、特定の病害虫が増えたりする現象を指します。その結果、キャベツの生育が悪くなってしまうのです。連作障害を避けるためには、同じ畑でキャベツなどのアブラナ科野菜を栽培する場合、最低でも2~3年は間隔を空けることが大切です。その期間中は、異なる科の野菜を植えることで、土壌環境を改善し、健全なキャベツの育成を促しましょう。
栽培場所選びのポイント:太陽と風
キャベツは、一年を通して日当たりと風通しの良い場所を好みます。十分な日光は、キャベツが大きく育ち、しっかりと結球するために不可欠です。また、風通しの良さは、病害虫の発生を抑える効果も期待できます。ただし、真夏の強い日差しは、デリケートな苗を弱らせる原因となることも。夏場に栽培する場合は、日よけネットなどを活用して、午後の強い日差しを遮る工夫をしましょう。適切な場所選びが、甘くて美味しいキャベツを育てる秘訣です。
土壌の準備:水はけ、保水性、pH
キャベツ栽培に適した土壌は、肥沃で水はけが良いことです。土壌のpHは、弱酸性から中性(pH5.5~6.5)に調整することが理想的です。このpH範囲を保つことが、キャベツの健康な成長には欠かせません。植え付けを行う前に、堆肥や腐葉土を土に混ぜ込むことで、土壌の栄養価を高め、水はけと保水性のバランスを良くしましょう。根がしっかりと張り、効率的に栄養を吸収できる環境を作ることが大切です。
畑での土づくりと元肥
畑にキャベツの苗を直接植える場合は、植え付けの2週間前までに畑を深く耕し、石灰などを混ぜて土壌の酸度を調整します。そして、植え付けの1週間前になったら、元肥を施しましょう。元肥には、肥料効果が2~3ヶ月持続するタイプの有機質肥料や緩効性化成肥料がおすすめです。元肥をしっかりと施すことで、キャベツが初期生育に必要な栄養を十分に得られ、その後の成長が安定します。
プランター栽培に最適な土壌づくり
プランターでキャベツを育てるなら、市販の野菜用培養土を使うのが簡単で安心です。自分で土を作る場合は、赤玉土7、腐葉土2、バーミキュライト1の割合で混ぜ合わせると、キャベツの生育に適した水はけと保水性のバランスが取れた土になります。プランターに土を入れる際は、7割程度を目安にし、ウォータースペースを確保することで、水やりの際に土が流れ出るのを防ぎ、根が呼吸しやすくなります。プランターの底には必ず鉢底石を敷き、排水性を高める工夫も忘れずに行いましょう。
キャベツの播種時期と品種の選び方
キャベツの種まきには、大きく分けて3つの時期があります。2月下旬から3月中旬の「春まき」、7月中旬の「夏まき」、そして10月初旬から11月下旬の「秋まき」です。家庭菜園初心者には、比較的害虫が少なく、温度管理がしやすい「夏まき」または「秋まき」からの挑戦がおすすめです。栽培時期によって適した品種が異なるため、春植え用、夏植え用、秋植え用の品種の中から、自分が育てたい時期に合ったものを選ぶことが、キャベツ栽培成功の秘訣です。
春まきキャベツの栽培時期とポイント
春まきキャベツの種まき時期は2月下旬から3月中旬、植え付け時期は3月中旬から4月中旬、収穫時期は6月上旬から7月中旬です。春に種をまき、梅雨や夏に収穫する夏秋キャベツは、他の時期に比べてやや栽培が難しいとされています。キャベツの発芽に適した温度は15℃から30℃と幅広いため、種まき後は保温対策を行いながら育てる工夫が大切です。霜や寒さから苗を守り、安定した発芽と生育を促すことが、栽培成功へのカギとなります。
夏まきキャベツの栽培時期と注意点
夏まきキャベツの種まき時期は7月中旬、植え付け時期は8月中旬から9月上旬、収穫時期は11月中旬から12月中旬です。夏に種をまき、冬に収穫する冬キャベツは、植え付けから収穫までの期間が比較的短い品種が多いのが特徴です。若苗は夏の強い日差しに弱く、葉が焼けてしまうことがあるため、植え付け後は寒冷紗などで日よけ対策をしっかりと行いましょう。この時期の栽培は比較的管理がしやすく、初心者の方にもおすすめです。
秋まきキャベツの栽培適期とポイント
秋まきキャベツの種まきに適した時期は10月上旬から11月下旬頃です。苗の植え付けは11月中旬頃、収穫は翌年の4月下旬から5月中旬頃となります。秋に種をまき、春に収穫を迎える春キャベツは、比較的害虫の被害が少なく、栽培管理が容易なため、家庭菜園初心者の方にもおすすめです。植え付け時にしっかりと元肥を施しておけば、年内の追肥は基本的に不要です。春になり、新しい葉が生長し始めたら追肥を行うことで、生育が促進されます。
種まきのステップ
キャベツを種から育てる場合、プランターや畑に直接種をまく方法もありますが、苗がある程度の大きさになるまでは、セルトレイやペーパーポット、またはポリポットなどで育苗してから、プランターや畑に植え替える方法がおすすめです。育苗を行うことで、発芽率を高めることができ、初期の生育管理がしやすくなります。
育苗トレイ・セルトレイ・ペーパーポットでの種まき手順
育苗トレイ、セルトレイ、またはペーパーポットを使用する場合は、約1cm程度の深さの植え穴を作り、そこに種を1~2粒(または3~4粒)ずつまきます。種をまいた後は、薄く土を被せて、たっぷりと水をやりましょう。キャベツは通常3~5日程度で発芽します。発芽後、生育の良い株を1カ所につき1本になるように間引きを行います。間引き後、本葉が3~4枚程度に成長したら、各ポットに1苗になるように間引き、その後の定植に備えましょう。
ポリポットでの種まき手順
家庭菜園で鉢植えやプランターを使って、少ない株数を育てる場合は、ポリポットでの育苗も適しています。ポリポットを使用する場合は、1つのポットに種を3~4粒まきます。直径3cm程度、深さ1cm程度の穴を作り、種をまく際は出来るだけ重ならないように間隔をあけて種をまき、その後軽く用土をかけます。発芽後、最も生育の良いものを1本だけ残して間引き、育てていきます。
プランター・畑への直播
プランターや畑で直接種から育てる場合は、深さ1cmほどの浅い溝を作り、種を約1cm間隔で点々と蒔くのが一般的です。発芽後、本葉が2枚になった段階で、生育の良くないものを少しずつ間引いていきます。最終的に、本葉が5~6枚に成長した時点で、株間が4cm程度になるように間引きを行いましょう。
苗の間引きと定植時期
本葉が2枚出始めたら、生育の悪い苗から順に取り除き、最終的に元気な苗を残します。セルトレイやペーパーポットで育てた苗は本葉が3~4枚の頃、ポリポット育苗の場合は本葉が4~5枚になった頃が定植の目安です。畑やプランターに直接種を蒔いた場合は、本葉が5〜6枚に育った段階で最終的な間引きを行い、定植へと進みます。適切なタイミングで間引きと定植を行うことで、苗は丈夫に育ち、結球もスムーズに進みます。
苗の選び方と植え付け時の注意点
元気なキャベツを育てるには、健康な苗を選ぶことが不可欠です。葉の色が鮮やかで濃く、茎がしっかりとしていて太く、病害虫の被害が見られない苗を選びましょう。特に、夏まきキャベツのように暑い時期に植え付けを行う際は、強い日差しによって葉が傷まないよう、できるだけ涼しい早朝の時間帯を選んで植え付けることが重要です。これにより、苗への負担を減らし、根付きを良くすることができます。
プランターへの植え付け方と株間
プランターにキャベツの苗を植える際は、まずプランターの7割程度まで土を入れ、水やり用のスペースを確保します。株間は、早生品種であれば30~40cm、中晩生品種であれば40~45cmを目安に植え穴を掘ります。株間が狭すぎると、キャベツが十分に大きく育たず、逆に広すぎると生育が遅れて葉が硬くなることがあるので注意が必要です。植え付ける際は、根を傷つけないように丁寧に扱い、やや浅めに植えるのがポイントです。特に、キャベツの子葉が土に埋もれてしまわないように、根っこの部分と土の表面が同じくらいの高さになるように浅く植えましょう。大型プランターの場合は2株、小型プランターなら1株を目安に植え付けます。ポリポットで育てた苗は、植え付け前に水に浸すか、植え付け後にたっぷりと水を与えます。水やり後、株元を軽く押さえて苗を安定させ、根の活着を促すために植物用活力剤(例:ハイポネックス原液)を1000倍に薄めて与えるのも効果的です。
畑への植え付け方と株間
キャベツの苗を畑に植え付ける際、プランター栽培と同様に、株間を適切に確保することが大切です。畝を立てる場合は、1条植え(1列)なら高さ約10cm、幅50~60cmの畝を、2条植え(2列)なら高さ約10cm、幅80cm程度の畝を用意します。株間は、早生品種であれば30~40cm、中晩生品種であれば40~45cmを目安に、苗が成長した際に葉が隣の株と重ならないよう、余裕を持たせて植え穴を掘りましょう。植え付けの深さは、苗の土の表面と畑の土の表面が同じ高さになるように、やや浅めに植え付けるのがポイントです。深植えは生育不良の原因となることがあります。植え付け後は、根付きを良くするためにたっぷりと水をやり、苗の活着を促進します。
定植後の防虫対策:防虫ネットをトンネル状にかける
キャベツの苗をプランターや畑に植え付けた後は、速やかに害虫対策として防虫ネットや寒冷紗を設置しましょう。植え付け前にキャベツの葉に虫が付着していないか確認し、もし見つけたらすぐに取り除いてから防虫ネットをかけます。防虫ネットは、隙間があるとそこから害虫が侵入してしまうため、地面にしっかりと固定し、隙間ができないように注意して設置することが重要です。
水やりの頻度とポイント
キャベツは多湿を嫌う性質があるため、水やりの頻度には注意が必要です。種まき直後は、たっぷりと水を与え、発芽するまでは土の表面が乾燥しないように適宜水やりを行います。苗を植え付ける前には、ポリポットに入った苗をポットごと水に浸しておくと良いでしょう。植え付け後2日後には水やりを行います。水に浸けていない場合は、植え付け後にしっかりと水を与えてください。その後は、基本的に朝に水やりを行うようにし、定植直後を除き、土の表面が乾いたタイミングで水を与える程度で十分です。特に、結球が始まる時期には水やりを控えめにすることで、玉割れを防ぎ、キャベツが健全に成長します。ただし、乾燥しすぎると生育が悪くなるため、土の状態をこまめに観察し、メリハリのある水やりを心がけましょう。
肥料・追肥のタイミングと種類
キャベツは肥料を好む野菜です。苗を植え付けてから2週間ほど経過したら、1回目の追肥を行いましょう。春まきと夏まきの場合は、植え付けから3~4週間後に1回目の追肥と土寄せを同時に行い、適切な肥料を与えます。その後、結球が始まる前に2回目の追肥と土寄せを行うのがおすすめです。秋まきのキャベツは、元肥をしっかりと施していれば、年内の追肥は控えめにして、冬を越して新しい葉が伸び始めた頃に1回、そして結球が始まる前に2回目の追肥と土寄せを行います。追肥には、窒素、リン酸、カリウムがバランス良く配合された市販の野菜用肥料を使用すると良いでしょう。また、外葉の成長を促進するために、追肥と同時に株元に土寄せを行うことも効果的です。
病害虫の予防と具体的な対策
キャベツ栽培でよく見られる問題の一つが、病害虫による被害です。特に春や夏に種をまくキャベツは、病害虫の影響を受けやすい傾向があるため、注意が必要です。キャベツ自体は比較的病気に強い野菜ですが、アブラムシ、アオムシ、ヨトウムシ、コナガ、ダイコンシンクイムシなどの害虫がつきやすいという特徴があります。これらの害虫や病気からキャベツを守るためには、適切な予防策を早期に講じることが大切です。
キャベツに発生しやすい病害と対策
キャベツ栽培においては、菌核病、黒腐病、軟腐病、根こぶ病といった病気に注意を払う必要があります。「菌核病」は、春先や雨が多い時期に発生しやすい病気で、キャベツの表面に綿のような白いカビが生え、その中に糞のような黒い塊が現れるのが特徴です。菌核病を発見した場合は、感染拡大を防ぐために、株ごと抜き取って処分することが重要です。「黒腐病」は、降水量が多い年に発生しやすい病害で、キャベツの葉が黄色く変色し、徐々にその範囲が広がり、乾燥して破れやすくなります。黒腐病を見つけたら、株ごと抜き取って焼却するか、土の中に深く埋めて処分しましょう。「軟腐病」は、キャベツが結球し始める頃から発生する可能性があり、葉に病斑が現れると徐々に株全体に広がり、ベトベトと腐った状態になり、悪臭を放ちます。水はけの悪い土壌や窒素過多が原因で発生しやすくなるため、病斑を見つけたら株ごと引き抜いて処分してください。「根こぶ病」は、根の部分に発生する病害です。根にこぶ状のものができ、病気が進行すると腐敗したり、生育が悪くなったりします。酸性度の低い土壌で発生しやすい根こぶ病は、発見次第、株ごと抜き取って処分します。病気が発生した場合は、感染の広がりを最小限に抑えるため、速やかに病変部分や株を取り除くようにしましょう。
キャベツに発生しやすい害虫と対策
キャベツには、アオムシやヨトウムシ、アブラムシ、コナガ、ダイコンシンクイムシなどの害虫が発生しやすいので、注意が必要です。アオムシは苗を丸ごと食べてしまうことがあるため、見つけ次第捕殺し、必要に応じて殺虫剤を使用しましょう。殺虫剤の使用をできるだけ避けたい場合は、定期的にキャベツの葉を観察し、アオムシを見つけ次第捕殺するほか、植え付け後に防虫ネットをかけるなどの対策を行いましょう。ダイコンシンクイムシは、キャベツなどのアブラナ科野菜に発生しやすい害虫で、キャベツの芯を食害して成長を止めてしまうため、発見したらすぐに駆除することが大切です。効果的な害虫対策としては、寒冷紗や防虫ネットで覆って栽培するのが一般的です。特に夏の栽培では、寒冷紗が強い日差しによる温度上昇を和らげる効果も期待できます。定期的に葉の裏などを確認し、早期発見と早期対応を心がけることが重要です。
収穫時期と見極め方
キャベツの収穫時期は、種をまく時期によって異なります。夏に種をまいた場合は11〜12月頃、秋に種をまいた場合は翌年の4月下旬~5月中旬(結球してから約2ヶ月後が目安)が収穫の目安となります。キャベツは植え付けから10週間ほど経つと徐々に結球し始め、収穫時期が比較的揃いやすいため、結球が早い株から順に収穫していくと良いでしょう。収穫のタイミングは、キャベツの玉がしっかりと締まり、ずっしりとした重みがあり、つやがある状態になったときです。玉を軽く手で押してみて、葉が固く詰まっていることを確認しましょう。収穫する際は、結球を手で押し出すようにして、外葉を数枚残し、包丁などで株元を切り取ります。収穫が遅れると玉が割れてしまうことがあるため、適切な時期を見極めて早めに収穫するようにしましょう。
冬を越えて甘みを増す秘訣
秋に種をまくキャベツは、耐寒性を持つ品種が多いですが、厳しい寒さや霜が降りる地域では、冬越しの準備が大切です。寒さ対策としては、不織布で覆う方法が効果的です。1.2〜1.5メートル間隔で支柱を立て、その上に不織布をかけるだけで簡単に設置できます。この冬越しを行うことで、キャベツは霜にさらされ、内部のデンプンが糖に変わり、甘みが増しておいしくなります。工夫次第で、寒い地域でも品質の良いキャベツを育てることが可能です。
とう立ちを防ぐために
秋に種をまき、冬を越して春に収穫する春キャベツは、とう立ちに注意が必要です。キャベツの苗は、低温状態が一定期間続くと、結球する前に花芽ができてとう立ちしてしまいます。春キャベツのとう立ちを防ぐには、とう立ちしにくい品種を選ぶこと、適切な時期に種をまき、小さめの苗で冬越しさせること、寒冷紗で覆ってトンネル栽培をすることが重要です。
裂球(玉割れ)への対策
収穫時期を迎えたキャベツは、速やかに収穫することが大切です。収穫時期を過ぎても成長を続けるため、内部からの圧力で外側の葉が割れてしまいます。裂球したキャベツは、その部分から腐りやすくなります。特に春まきで夏に収穫するキャベツは裂球しやすいので、収穫時期を逃さないようにしましょう。また、結球期における急激な吸水も原因となります。結球が始まる頃には水やりを控え、土が乾燥しすぎないように管理しましょう。もし玉が割れそうな場合は、株元を少し持ち上げて根を数本切ったり、外葉を数枚折ることで、一時的に吸水を抑えることができます。
外葉が紫色になる原因
キャベツの外葉が紫色になる原因は、アントシアニンという色素にあります。アントシアニンは、キャベツなどのアブラナ科の野菜に含まれる色素で、冬の寒さによって生成され、野菜を紫色に変色させる現象が起こります。変色するのは外気に触れた部分のみで、内部は緑色のままなので、問題なく食べられます。
まとめ
キャベツは、食卓でおなじみの野菜であり、炒め物から煮込み料理、サラダまで幅広く活用できます。畑での栽培が一般的ですが、深型の大型プランターを使用すれば、ベランダなどの限られたスペースでも気軽に栽培を楽しめます。プランター栽培も露地栽培も可能なキャベツは、基本的な育て方とコツを理解すれば、年間を通して収穫することも可能です。近年は品種改良が進み、初心者でも育てやすい品種や、春まき、夏まき、秋まきといった栽培時期に合った品種が多く登場しています。特に家庭菜園に初めて挑戦する方には、害虫が少なく、温度管理が比較的容易な「秋まき」がおすすめです。 キャベツ栽培は、適切な時期に種まきを行い、土壌を整え、水やりや追肥、病害虫対策などの基本を抑えれば、決して難しくはありません。この記事でご紹介した詳しい栽培方法とコツを参考に、ぜひご自宅でのキャベツ栽培に挑戦してみてください。愛情を込めて育てた新鮮なキャベツは、市販のものとは違う特別な味わいがあり、普段の料理をより豊かにしてくれるでしょう。種から丁寧に育てたキャベツは、収穫の喜びもひとしおです。
キャベツ栽培に適したプランターサイズは?
意外かもしれませんが、キャベツはプランターでも育てることが可能です。プランター栽培ならベランダなど限られた場所でも栽培でき、移動も簡単で便利です。キャベツ栽培には、深さ・幅ともに30cm以上ある深底の大型プランターを選びましょう。小型のプランターや鉢で栽培する場合は、基本的に1つのプランターに1株を育てるようにします。
キャベツ苗のプランターへの植え方は?植える間隔は?
プランターにキャベツの苗を植え付ける際は、株間を十分に確保することが大切です。早生品種であれば30~40cm、中晩生品種であれば40~45cmを目安に植え穴を掘ってください。一般的に、大型プランターの場合は2株、小型プランターであれば1株を目安に植え付けると良いでしょう。植え付けの際は根鉢を崩さないように浅く植え、子葉が土に埋まらないように注意してください。
家庭菜園初心者におすすめのキャベツの種まき時期は?
家庭菜園初心者の方には、「夏まき」または「秋まき」での栽培がおすすめです。秋まきはキャベツにつきやすい害虫が少なく、温度管理も比較的容易なため、栽培に成功しやすいでしょう。夏まきは初心者向けの品種が多く、比較的短い期間で収穫できるというメリットがあります。
キャベツは種をまいてから何日くらいで芽が出ますか?
キャベツの種をまいた後、およそ3日から5日程度で発芽するのが一般的です。ただし、発芽に適した温度を保つことが大切で、20~25℃くらいが理想的です。春に種をまく場合は、発芽に適した温度が15℃~30℃と幅広いため、温度管理をしながら育てる工夫が必要になることもあります。
キャベツがとう立ちするのを防ぐには、どうしたら良いでしょうか?
秋に種をまいて春に収穫するキャベツは、まだ小さい苗の時期に一定期間低温にさらされると、葉が丸く結球する前に花芽ができて「とう立ち」という状態になることがあります。これを防ぐためには、とう立ちしにくい品種を選ぶこと、種まきの時期を守り小さめの苗で冬を越せるようにすること、そして寒さ対策として寒冷紗で覆いトンネル栽培を行うことなどが重要です。
キャベツの玉割れ(裂球)を防ぐにはどうすれば良いですか?
キャベツの玉割れは、主に結球が始まる時期に急激に水分を吸収したり、収穫時期が遅れたりすることが原因で起こります。結球が始まる頃には水やりを控えめにして、土が乾きすぎないように注意して管理しましょう。また、キャベツの玉がしっかりと締まり、表面につやが出てきたら、時期を逃さずに収穫することが大切です。もし玉が割れそうになっている場合は、株元を少し持ち上げて根を数本切るか、外側の葉を数枚折ることで、一時的に水分吸収を抑えることができます。特に春に種をまいて夏に収穫するキャベツは玉割れが起こりやすいので注意が必要です。
キャベツの連作は避けた方が良いですか?
キャベツはアブラナ科の植物であり、同じ場所で続けて栽培すると連作障害が起こりやすい作物です。同じ畑や土でアブラナ科の植物を繰り返し栽培すると、生育が悪くなったり、病気や害虫が増えたりする可能性があります。順調に栽培を続けるためには、少なくとも2~3年は間隔をあけて、異なる科の作物を栽培するようにしましょう。













