キャベツ生産量日本一!知られざる産地とおいしさの秘密

食卓に欠かせない野菜、キャベツ。その国内生産量で圧倒的なシェアを誇るのが、群馬県嬬恋村を中心とした地域です。高原の冷涼な気候と肥沃な大地が育むキャベツは、みずみずしく、甘みが強いのが特徴。しかし、なぜこの地が日本一のキャベツ産地となったのか、そして、そのおいしさの秘密は何なのでしょうか?本記事では、あまり知られていないキャベツ産地の舞台裏、食欲をそそるおいしさの秘密に迫ります。

キャベツの主要産地

農林水産省が発表した2022年のキャベツ収穫量データによると、トップは群馬県、次いで愛知県、3位は千葉県となっています。

キャベツは寒さには強いものの、高温には弱い性質を持ち、生育に適した温度は15~20度程度です。

収穫時期によって主要な産地も異なり、春キャベツは千葉県や神奈川県、夏から秋にかけては北海道や群馬県、冬キャベツは愛知県などが知られています。

美味しいキャベツを育てるための条件

美味しいキャベツを育てるには、いくつかの条件が重要です。ここでは、特に大切な3つのポイントを解説します。

冷涼な気候

美味しいキャベツを育てるための最初の鍵は、冷涼な気候です。

キャベツは、おおよそ15度から20度の間で生育が最も良好となる野菜です。故に、夏の強い暑さは苦手であり、夏場は群馬県のような涼しい高地で栽培されることが多いです。反対に、冬の厳しい寒さの時期には、愛知県といった比較的温暖な地域で栽培が行われています。

降雨量の多い気候(豊かな水源)

キャベツ栽培の成功を左右するもう一つの要素は、降水量の多さです。

キャベツはその構成要素の約9割が水分という、非常に水分の多い野菜です。したがって、生育には十分な水分が不可欠となります。降雨が多く、常に潤った土壌であれば、水分をたっぷり含んだ、ジューシーで美味しいキャベツが収穫できるでしょう。

昼夜の気温差

キャベツ栽培における3つ目の重要な要素は、昼と夜の寒暖差が大きいことです。

キャベツは、日中の温暖な気候で光合成を行い、葉に栄養を蓄えます。夜間の気温が著しく下がると、日中に蓄えた栄養の消費を最小限に抑え、翌朝を迎えることができます。

なぜ、気温の低下が栄養消費を抑制するのでしょうか。その理由は植物の呼吸作用にあります。一般的に、野菜や果物は葉や果肉に蓄えた栄養を使いながら呼吸をします。しかし、気温が低い環境下では呼吸が抑制されるため、栄養を保持することができるのです。

このように、昼夜の気温差が大きい気候は、甘みがあって美味しいキャベツを育てるために不可欠な条件と言えるでしょう。

キャベツ