美味しいトーストに欠かせないバター、多くの人は冷蔵庫で保存していますが、実は常温保存が可能であることをご存知ですか?近年、その利便性から常温保存の新常識が注目されています。この記事では、バターの常温保存の方法について解説し、適切な保存容器の選び方や、冷蔵庫で保存する際の注意点にも触れます。日々の食卓をより快適にするために、バターの賢い保存法を見直してみましょう。
【新常識】バターは常温で保存可能? 気になる保存容器と冷蔵保存時の留意点も
バターは乳の豊かな風味と香りを持ち、食事において欠かせない存在です。しかし、柔らかいパンには塗りにくく、乳製品故に取り扱い時には細心の注意が求められます。柔らかさを保ちつつ鮮度を維持する方法はないものでしょうか。ここではバターの保存方法について詳しく説明します。
バターの特性
バターに関する基礎知識とその保存期間についてお伝えします。

温度によって硬さが変わる
バターはその性質上、温度によって硬さが変わる乳製品です。常温に約15分置くと柔らかくなり、塗りやすさが増します。
冷蔵庫から出したままのバター:適温は約5℃
一般的な家庭用冷蔵庫の温度はおよそ5℃に設定されています。この温度では、バターは硬くなり、包丁で切るのに時間がかかりますし、柔らかいパンに塗りにくいです。
一方、バターを冷凍保存することで品質を損なわず、長期間保存することも可能です。この方法では必要な分だけを順次解凍して利用することができ、多くのプロのシェフが採用しています。
バターの適温:およそ15℃
スイーツを作る際には、「室温に戻したバター」を用意することがあります。バターは温度が上がると柔らかくなり、他の材料と混ざりやすくなります。
この状態なら、バターナイフで食パンに簡単に塗ることができるクリーム状になります。
溶かしバター:およそ30度の温度で
温めたフライパンにバターを投入すると、すぐに溶け出し、調理の際の油として最適です。この際に香ばしい香りが広がり、料理の味をより引き立てることができます。
ただし、一度溶けたバターを元の状態に戻すことはできません。
空気に触れると品質が低下する
バターは空気に長く触れると、脂肪が酸化し不快な臭いを発することがあります。これにより、味や色も劣化します。
開封後は、バターの切り口をラップで包み、空気を遮断することでその劣化を防ぐことができます。
開封後の保存期間は、冷蔵庫でおよそ1か月
未開封のバターはおおよそ1年間保存可能です。しかし、開封後は風味が維持できるのは約2週間で、1か月以内には消費期限を迎えます。酸化は空気に触れた部分から進行します。
室温での保存が可能
バターをもう少し柔らかくして、マーガリンのようにパンにスムーズに塗れたらいいのに、と思っている方は多いでしょう。保存の際にバターが固まってしまうことを避ける方法はないのでしょうか。
室温で保存する利点
バターを常温で管理すれば、いつでも柔らかい状態で使えるので便利です。朝の忙しい時間帯でも、スムーズにトーストに塗ることができます。また、冷凍庫に保存してあるバターをわざわざ室温に戻す必要がなくなり、そのまま料理やお菓子作りに取りかかることができます。
室温で保存可能な容器
19世紀のフランスで広まっていた保存容器が、1995年にアメリカで販売されるようになりました。
「バターベル」として知られるこの商品は大成功を収め、多くの人々に愛用されています。これを使うことで、バターを常温で保存できます。
・バターキーパー バターベルA Yi Wanle
この容器は二重構造になっています。内側の部分にバターをぎっしりと詰め、その外側には水を注ぎ入れます。この方法によって、バターが空気にさらされることがないため、酸化して劣化する心配がありません。バターの表面は水と接触しますが、乳脂肪が水を弾くので、溶けたり薄まったりすることはありません。
常温保存における保存期間の目安
バターは、その特性上、温度変化で形を変えるデリケートな食品です。そして、その主成分は牛乳です。常温でも腐敗しないのでしょうか。
バター200gを得るためには約4.4リットルの牛乳が必要です。牛乳から水分を取り除き、乳脂肪を固めて作られるのがバターです。そのため、水分はほとんど含まれていません。脂肪は食用油と同様に酸化することで劣化を進めます。しかし、空気を遮断する適切な方法があれば、常温で1か月は品質を維持できるとされています。
室温保存における2つの留意点
日本の夏が非常に暑くなると、バターを常温で保存していると溶けてしまい、液状化することがあります。特にベル型の容器に入れたバターが、そのまま容器から滑り落ちてしまう可能性もあるので、夏季には冷蔵保存を検討してみてください。
さらに、容器内の水を新鮮に保つことも大切です。2〜3日に一度は水を取り替えて、バターの新鮮さを維持することを心がけてください。
簡単にできる冷蔵保存
冷蔵保存は珍しい印象があるかもしれませんが、広く行われている方法です。
おおよそ2週間分を目安に活用
約2週間で使い切れる量にカットし、バターケースに入れ、冷蔵庫で保管しましょう。これによりバターを常に新鮮な状態で楽しめます。また、他の食品の臭いが移らないようにも注意が必要です。
切り分けた残りのバターは、冷凍保存しておくことで長く使うことができます。
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冷蔵保存可能な期間
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