ブラックオリーブ

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ブラックオリーブ

地中海を代表する食材のひとつ、ブラックオリーブ。その深みのある風味と豊かな栄養価は、料理に上品な味わいをもたらしてくれます。塩味と苦みのバランスが絶妙なブラックオリーブは、さまざまな料理に幅広く活用されています。今回は、この魅力的な食材の魅力と活用方法について、詳しくご紹介していきます。

ブラックオリーブとは

ブラックオリーブは、地中海沿岸地域が原産の常緑高木であるオリーブの実が熟したものです。この黒い実は、古代ギリシャ時代から美容と健康のために食されてきました。日本では、塩漬けやオイル漬けに加工された状態で缶詰や瓶詰めに詰められ、販売されています。
ブラックオリーブの製造工程には、伝統的な「ナチュラルブラック」と現代的な「カリッシュブラック」の2つの方法があります。ナチュラルブラックは、アルカリ溶液を使わずに自然に熟成させる方法で、カリッシュブラックはアルカリ溶液に漬けて人為的に黒く熟成させる手法です。
スモーキーでほろ苦い味わいが特徴的なブラックオリーブは、サラダやパスタ、ピザなどの食材として幅広く利用されています。また、オリーブオイルの製造時に出る搾り滓を原料とした「オリーブペースト」にも使われるなど、様々な用途に活用されています。

グリーンオリーブとの違い

オリーブには、未熟な状態で収穫されるグリーンオリーブと、完熟した状態で収穫されるブラックオリーブの2種類があります。収穫時期の違いにより、味わいや食感、栄養価にも差異があります。

グリーンオリーブは未熟なため渋味と酸味が強く、収穫後に各種の方法で渋み抜きが施されます。一方のブラックオリーブは、熟成により果肉が黒く変色し、渋みが抜け甘みが増します。ブラックオリーブの方がビタミンCやカロテノイドなどの抗酸化物質が豊富で、食物繊維も多く含まれる傾向にあります。

グリーンオリーブは塩水や塩漬けが一般的ですが、ブラックオリーブは干し果実のような食感の乾燥オリーブや、オリーブオイルでマリネされた商品もあります。料理に使う際の風味や食感の違いを活かせる点で、両者は異なる存在と言えるでしょう。

ブラックオリーブ

ブラックオリーブのカロリーと栄養

ブラックオリーブは地中海料理に欠かせない食材です。見た目以上に栄養価が高く、健康的な食材と言えます。1個(可食部3g)あたりのカロリーは約4kcalと控えめながら、不飽和脂肪酸のオレイン酸を豊富に含んでいます。このオレイン酸には、コレステロールを減少させる作用や腸の働きを活発にする効果があります。

また、抗酸化作用を持つビタミンEを多く含むため、活性酸素から体を守る働きがあり、肌の健康維持にも役立ちます。さらに、カルシウムが豊富で、骨や歯の形成を助けるほか、神経の興奮を穏やかにするなど、様々な効能が期待できます。

このように、ブラックオリーブはカロリーが抑えめながらも、不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラルなど、バランスの良い栄養素を含む、まさに健康的な食材なのです。

ブラックオリーブの食べ方

地中海の恵みたっぷりなブラックオリーブは、豊かな風味と奥深い味わいが魅力的な伝統食材です。苦みや渋みが控えめなので、種を取り除けば素朴な味を楽しむことができます。イタリアはもちろん、スペイン、ギリシャ、南仏など、地中海沿岸の国々の料理に欠かせない存在となっています。

代表的な利用法としては、パスタやピザへのトッピング、サラダの彩りとして、スープの具材などが挙げられます。サンドイッチやパンに添えても風味を一層引き立ててくれるでしょう。フランスでは、ブラックオリーブをオリーブオイルとアンチョビで和えた「タプナード」と呼ばれるペーストが人気を博しています。カットしたパンにこれを塗れば、地中海の味覚が堪能できます。

保存も効くブラックオリーブは、一年中常備しておくと重宝する万能食材。世界各国の料理に多彩なアクセントを加え、楽しみを広げてくれます。

まとめ

ブラックオリーブは、その豊かな風味と栄養価から、多くの料理に欠かせない存在となっています。オリーブオイルや料理の風味付けとして使われるほか、サラダやピザ、パスタなどにトッピングとしても活躍します。健康への良い影響も期待でき、一粒一粒に凝縮された旨みは、料理に深みと上品な味わいを与えてくれます。ぜひ、その魅力に触れてみてください。