現代社会は、スマートフォンやパソコンなど、目を酷使する環境にあふれています。目の疲れ、かすみ、ドライアイ…これらの悩み、もしかしたらビルベリーが解決してくれるかもしれません。ビルベリーは、目に良いとされるアントシアニンを豊富に含み、その効果は科学的にも証明されています。この記事では、ビルベリーがどのように目の健康をサポートするのか、その驚くべき効果をわかりやすく解説します。
ビルベリーとは?
ビルベリーは、ブルーベリーの仲間で、高さ20~60cmほどの落葉低木です。その特徴は、直径約7mmの青紫色の小さな果実。果肉は柔らかく、強い酸味があるため、生食にはあまり向きません。 주로ジャムやジュースなどの加工品として楽しまれています。古くから、果実や葉は食用や薬用として利用されてきました。特に北欧地域では、整腸剤としてジャムやジュース、シロップ漬けなどで親しまれています。ビルベリーの果実には、青紫色の色素成分であるアントシアニンが豊富に含まれており、果実の中心部まで染まっているのが特徴です。近年では、サプリメントの原料としても注目されており、吸収性を高めた特許成分「ナノビルベリー」も開発されています。
ビルベリーの効果
目の健康をサポートし、強力な抗酸化作用で知られるアントシアニン、そして腸内環境を整える食物繊維。ビルベリーはこれらの成分を豊富に含み、健康維持に役立つことが期待されています。
視機能を改善する効果
第二次世界大戦中、ある出来事がきっかけとなり、イタリアとフランスでブルーベリーの機能に関する研究が開始されました。その後の研究で、ビルベリーに豊富に含まれる色素「アントシアニン」が、視機能をサポートする役割を果たすことが明らかになりました。私たちが物を見る際、目に入った光景は網膜に像を結びます。網膜には「ロドプシン」というタンパク質が存在し、これが分解される際に生じる電気信号が脳に伝達され、視覚として認識されます。ロドプシンは常に再合成と分解を繰り返していますが、目の酷使によって再合成能力が低下します。アントシアニンはロドプシンの再合成を促進し、目の疲労感、かすみ、ぼやけといった症状の予防や改善に貢献すると考えられています。特に、ビルベリー由来のアントシアニン(VMA)の摂取は、夜間視力の向上、暗所での視力順応促進、眩光後の視力回復時間短縮などの効果が研究で示されています。さらに、加齢に伴う白内障の水晶体の濁りの進行を遅らせる可能性も指摘されています。
活性酸素を除去する効果
現代社会において、ガンや脳卒中といった生活習慣病の増加は深刻な問題です。これらの疾患の発症には、活性酸素が深く関わっていると考えられています。活性酸素は、紫外線、喫煙、精神的なストレスなどによって体内で生成され、細胞や血管をはじめとする全身に悪影響を及ぼします。活性酸素は生活習慣病のみならず、老化現象やその他の病気の原因にもなり得ると指摘されています。そんな中、ビルベリーに含まれるアントシアニンに、活性酸素を除去する抗酸化作用があることが明らかになりました。様々な野菜や果物の抗酸化力を比較した結果、ビルベリーはその中でも非常に高い抗酸化力を持つことが判明しました。特筆すべきは、ビルベリーのアントシアニン含有量に加え、「デルフィニジン系」や「シアニジン系」といった、特に強力な抗酸化作用を持つアントシアニンのバランスが良い点です。この点において、ビルベリーは他のブルーベリー品種と比較して優位性があると言えるでしょう。
ブルーライトの悪影響を軽減する効果
PCやスマホのディスプレイからは、ブルーライトという、エネルギーが強く目に良くないとされる光が出ています。この光は体内リズムを崩したり、目の疲労感につながったりする可能性があります。しかし、ビルベリーの研究によって、ブルーライトが原因で起こる細胞への悪影響を軽減する作用があることがわかってきました。
糖尿病性網膜症を予防する効果
ビルベリー由来のアントシアニン、特にデルフィニジン系は、血管を保護・強化する作用を持つことが知られています。目の健康維持には、酸素や栄養を運ぶ毛細血管の働きが重要です。アントシアニンの摂取により、目の毛細血管が強化され、血管の脆弱化を防ぐ効果が期待できます。さらに、アントシアニンには血糖値の上昇を抑制する可能性が示唆されており、糖尿病網膜症の予防にも役立つと考えられています。
血流改善効果
体の巡りが悪くなると、肩や首筋のこり、手足の冷えといった不調に加え、免疫機能の低下を招くこともあります。ブルーベリーに豊富なアントシアニンは、ビタミンPと似た作用を持つことで知られています。血液をサラサラにする効果があり、血管を丈夫にし、血液の流れを改善する効果が期待されています。
メタボリックシンドロームの予防効果
内臓脂肪の蓄積を背景に、高血糖や高血圧といった生活習慣病のリスクが高まるメタボリックシンドローム。日本では、40歳から74歳の男性のおよそ半数、女性のおよそ2割が該当、またはその予備軍と推測されています。近年、アントシアニンが、この深刻なメタボリックシンドロームの予防に役立つ可能性を示す研究が報告されています。
腸内環境を整える効果
ビルベリーは、その小さな果実全体を余すことなく食べられるのが特徴です。皮や種も一緒に摂取することで、食物繊維を効率的に取り込むことができます。ビルベリーには、水溶性と不溶性という2種類の食物繊維が含まれており、これらが小腸での糖やコレステロールの吸収を穏やかにする働きをします。また、食物繊維は腸内の有害物質を抑制し、腸内環境を改善することで、大腸がんの予防にも繋がると考えられています。さらに、ビルベリーにはポリフェノールの一種であるタンニンと、水溶性食物繊維のペクチンも含まれています。タンニンは、腸の粘膜を保護する収れん作用を持ち、ペクチンは便の水分量を調整する働きがあります。そのため、お腹の調子が優れない時には、ビルベリージャムなどが役立つかもしれません。近年では、ビルベリーが結腸炎の予防に貢献する可能性も示唆されており、腸内環境の維持に有用な果実として注目されています。
花粉症を予防する効果
花粉症の症状緩和には、発症前のビルベリー摂取が有効かもしれません。ビルベリーには、くしゃみ、鼻水、目のかゆみといった不快な症状を引き起こすヒスタミンの量を抑制する働きがあると考えられています。そのため、花粉症の予防に繋がる可能性があります。さらに、アレルギー症状全般に対するビルベリーの予防効果を示唆する研究報告もあり、その効果に期待が高まっています。
コラーゲンの安定化効果
コラーゲンは、お肌や関節の健康維持に欠かせない成分として知られていますが、実は目にも多く存在しています。そして、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンには、コラーゲン同士を結びつける力を高め、コラーゲンを壊してしまう酵素の活動を抑える効果が期待できるという研究結果が出ています。
炎症を抑える効果
研究によれば、アントシアニンは炎症を引き起こす酵素、特に5-リポキシゲナーゼの活動を抑制する効果があることが示唆されており、炎症緩和に寄与する可能性があると考えられています。
循環器機能の改善効果
妊娠に伴う脚のむくみや、鼻血、痔、あるいは生理痛といった症状に対する臨床研究も行われており、症状緩和への貢献が期待されています。
美肌効果
お肌のハリと弾力に不可欠なコラーゲンとエラスチン。これらのタンパク質は、年齢とともに減少する傾向があります。さらに、肌内部にはコラゲナーゼやエラスターゼといった酵素が存在し、これらがコラーゲンやエラスチンを分解することで、シワやたるみといった肌の悩みを引き起こします。ビルベリー葉エキスは、これらの酵素の活動を抑制する効果が期待でき、お肌の構造を保護し、ハリのある若々しい肌へと導きます。また、ビルベリー葉エキスには、肌の炎症を鎮める作用があり、ニキビ予防にも効果的です。豊富に含まれるポリフェノールは、シミやシワの原因となる活性酸素を除去し、肌の老化を遅らせるサポートをします。さらに、肌のターンオーバーを促進し、ヒアルロン酸の生成を促すことで、潤いのあるしなやかな肌へと導く効果も期待できます。