甘酸っぱい香りと鮮やかな赤色が魅力のいちご。その可愛らしい姿は、食卓を華やかに彩るだけでなく、私たちの心もときめかせてくれます。実は、いちごは単なるデザート以上の価値を持つ、美容と健康の強い味方。ビタミンCをはじめとする豊富な栄養素が、健康維持に貢献すると期待されています。この記事では、いちごの栄養成分、効果的な食べ方、保存方法、手軽にできるレシピなど、いちごの魅力を徹底的に解説します。さあ、いちごの知られざるパワーを紐解き、その甘酸っぱい奇跡を体験してみましょう。
いちごに含まれる主要な栄養素
いちごは、その約90%が水分で構成されていますが、ビタミンCをはじめ、カリウム・食物繊維・葉酸・鉄分など、さまざまな栄養素をバランスよく含んでいるのが特徴です。これらの成分は、毎日の健康的な食生活をサポートするうえで注目されているものばかり。体の調子を整えたいときや、栄養バランスを見直したいときにも、取り入れやすい果物のひとつです。

ここからは、いちごに含まれる代表的な栄養素について、もう少し詳しくご紹介していきます。
抗酸化成分・ビタミンCで毎日の健康サポート
いちごは「ビタミンCの宝庫」とも言われるほど、ビタミンCを豊富に含む果物です。その含有量は、同じくビタミンCを多く含むグレープフルーツや温州みかんに比べて、約2倍とされています。
例えば、文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』によると、可食部100gあたりのビタミンC含有量は、いちご62mg、グレープフルーツ36mg、温州みかん32mgです。
ビタミンCは、日々の健康維持に役立つ栄養素のひとつで、抗酸化成分としても知られています。ストレスを感じやすい時期や、寒暖差が気になる季節などにも、意識して摂り入れたい成分のひとつと言えるでしょう。
中くらいのいちごを10粒ほど食べれば、成人が1日に必要とするビタミンC(目安量:100mg)の多くを補えるとされており、毎日の食事に取り入れやすいのも嬉しいポイントです。
出典:文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』 https://fooddb.mext.go.jp(2023年12月20日)
むくみや食塩の摂取が気になる方に:カリウムのはたらき
いちごに含まれるカリウムは、体内の水分やミネラルバランスを保つために欠かせない成分のひとつです。塩分の多い食事が続いたときや、むくみが気になるときに取り入れてみるのも一案。デザートとしていちごを楽しむことで、カリウムを自然に摂取できます。
毎日の元気を支える:鉄分と葉酸
いちごには、鉄分や葉酸といった、日々の食事で意識したい栄養素も含まれています。鉄分は、赤身の肉や魚に多く含まれる「ヘム鉄」とは異なり、植物性の「非ヘム鉄」ですが、たんぱく質と一緒に摂ることで、より効率よく活用されやすくなります。例えば、いちごとヨーグルトを一緒にとると、バランスのよい組み合わせに。
また、葉酸はビタミンB群の一種で、妊娠期や授乳期に特に注目される成分でもあります。いちごの甘酸っぱさとともに、食事に彩りを添えてくれる栄養素です。
食生活で気軽に取り入れたい:食物繊維
いちごは、水溶性・不溶性の食物繊維をバランスよく含んでおり、どちらも健康的な食生活を支える重要な存在です。水溶性食物繊維は、食後の急激な血糖値上昇をゆるやかにする働きがあるとされ、不溶性食物繊維は、おなかの調子を整えるサポートをしてくれます。
日々の食生活の中で、いちごを取り入れることは、腸内環境を意識するうえでもおすすめの一つです。
いちごをより楽しむために:おすすめの食べ方
いちごに含まれるビタミンCは、熱に弱く水に溶けやすい性質を持っています。そのため、ビタミンCを意識して摂りたいときには、生のまま食べるのが一般的に適しているとされています。
また、洗うときには「ヘタをつけたまま、流水で手早く」がポイント。先にヘタを取ってしまうと、ビタミンCや葉酸などの栄養素が水に溶け出しやすくなると言われています。ヘタ付きのまま洗うことで、栄養をキープしつつ、風味も損ねにくいとされています。
冷凍いちごの楽しみ方
冷凍いちごは、生のいちごに比べて多少の栄養変化があるものの、長期保存ができ、さまざまな料理に使える便利な食材です。冷凍保存することで旬の美味しさをとどめておくことができ、スムージーやヨーグルトのトッピング、ジャム作りなど、活用の幅も広がります。
冷凍中にビタミンCが一部減少する可能性もありますが、家庭で適切に保存すれば、おいしさと栄養のバランスを保ちながら楽しむことができます。旬の時期にはフレッシュないちごを、オフシーズンには冷凍いちごを上手に取り入れるのがおすすめです。
冷凍いちごの上手な保存方法
生のいちごを冷凍保存する際は、いくつかのコツを押さえることで、風味を損なわずに保存できます。まず、いちごを丁寧に洗い、水分をしっかりと拭き取ってからヘタを取り除きましょう。次に、いちご同士がくっつかないように、平らな容器やクッキングシートを敷いたトレイに間隔を空けて並べ、急速冷凍します。急速冷凍することで、いちごの細胞破壊を最小限に抑え、解凍後の食感をより良く保てます。完全に凍結したら、保存用の密閉袋や容器に移し替え、冷凍庫で保管します。冷凍庫の奥など、温度変化が少ない場所に置くと、より長期間の保存が可能です。
冷凍いちごを活用した簡単レシピ
冷凍いちごは、そのままシャーベットのように食べるのはもちろん、様々な料理やお菓子作りに手軽に活用できます。例えば、冷凍いちごと牛乳や豆乳、お好みでバナナなどを加えてミキサーにかければ、手軽に美味しいスムージーが完成します。また、冷凍いちごを耐熱ボウルに入れ、少量の砂糖とレモン汁を加えて電子レンジで加熱すれば、あっという間に自家製いちごジャムが作れます。その他、冷凍いちごを細かく刻んでヨーグルトやシリアルにトッピングしたり、ケーキやマフィンなどの焼き菓子の材料として使用するなど、アレンジは無限大です。
いちごを楽しむための適量と注意点
いちごはビタミンCや食物繊維を含む、日常に取り入れやすい果物のひとつです。ただ、美味しさゆえについつい食べ過ぎてしまうことも。 厚生労働省と農林水産省が推進する「食事バランスガイド」では、成人が1日に摂取する果物の目安をおよそ200gとしています。いちご1パック(Mサイズ)は約250〜300g程度のため、1日で1パックすべてを食べると、やや多めになることもあります。
毎日の食事にうまく取り入れるためにも、量を意識しながらバランスの良い食生活を心がけることが大切です。
また、いちごは水分を多く含むため、一度にたくさん食べると体が冷えたり、お腹がゆるくなることがあるとも言われています。特に冷えやすい体質の方や、胃腸の調子が気になる方は、体調に合わせて無理のない量で楽しむことがポイントです。
自家製いちごジャムを作る際の注意点
いちごを使った加工品として人気のいちごジャムですが、市販のジャムは糖分が多く含まれているため、摂取量には注意が必要です。市販のいちごジャムには、風味や保存性を高めるために、多くの砂糖が使用されていることが一般的で、カロリーが高くなりがちです。糖分やカロリーが気になる場合は、低糖度のジャムを選んだり、果肉含有量の多いジャムを選ぶのがおすすめです。また、自宅で手作りする際は、砂糖の量を控えめにしたり、砂糖の代わりに蜂蜜やメープルシロップなどを使用することで、カロリーを調整できます。
無加糖いちごスイーツ:自家製いちごアイスクリーム
甘味料を一切使わず、いちごそのものの自然な甘さを堪能できる、シンプルなアイスクリームの作り方をご案内します。
【材料】
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新鮮ないちご:200g
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プレーンヨーグルト(無糖):100g
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レモン果汁:小さじ1
【作り方】
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いちごを丁寧に洗い、へたを取り除きます。
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全ての材料をブレンダーに入れ、滑らかになるまで混ぜ合わせます。
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2をフリーザーバッグに移し、冷凍庫で冷やし固めます(1時間おきに揉むことで、なめらかな仕上がりになります)。
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冷えた器に盛り付ければ完成です。
まとめ

本記事では、いちごに含まれるさまざまな栄養素や、日常の食事への取り入れ方、保存のコツなどをご紹介しました。いちごはビタミンCをはじめとする栄養成分を含み、毎日の健康的な食生活をサポートしてくれる果物のひとつです。
旬の時期には新鮮ないちごを、その他の季節には冷凍いちごをうまく活用することで、年間を通じていちごの美味しさや栄養を楽しむことができます。
今回の内容を参考に、ご自身の体調やライフスタイルに合わせて、無理なく・おいしく・楽しくいちごを取り入れてみてください。身近な果物だからこそ、日々の食事に取り入れやすく、より豊かな食生活につながるはずです。
【免責事項】本記事は、一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスを意図するものではありません。健康上の問題がある場合は、必ず専門家にご相談ください。記事の内容を参考にされる場合は、ご自身の責任において判断してください。当サイトは、記事の内容に基づいて生じた結果について、一切の責任を負いかねます。
質問1:毎日いちごを食べることは健康に良くないのでしょうか?
回答:いちごは栄養満点ですが、過剰摂取は避けるべきです。厚生労働省が推奨する1日の果物摂取量の目安は200gです。いちご1パックはおよそ290gですので、毎日1パック食べるのは推奨される量を上回ってしまいます。適量を守るようにしましょう。
質問2:冷凍したいちごは、栄養価が落ちてしまいますか?
回答:冷凍いちごは、生のいちごと比較して栄養価が大きく変わることはありません。ただし、ビタミンCは若干減少する可能性があります。適切な冷凍方法と保存方法を実践することで、ビタミンCの減少を抑えることが可能です。
質問3:いちごジャムを食べると太りやすいでしょうか?
回答:一般的に、市販のいちごジャムは砂糖を多く使用しているため、カロリーが高めです。体重や糖分の摂取量が気になる方は、果肉が多く含まれているジャムや、低糖質のジャムを選ぶことをおすすめします。