バナナ 野菜

バナナ 野菜

葡萄冷凍

バナナは実は野菜ではなく果物に分類されますが、その栄養価の高さや調理方法の多様性から、野菜同様に私たちの食生活に欠かせない存在となっています。トロピカルな風味と独特のテクスチャーを持つバナナは、デザートだけでなく、メインディッシュやサイドディッシュとしても活躍する万能食材なのです。

バナナやパイナップルは果物じゃない!?

フルーツコーナーで目にするバナナやパイナップルは、一般的には「果物」と認識されていますが、実は植物学的には「果実」とは異なる分類になるのをご存知でしたか?


管理栄養士のゆかりさんに教えていただくと、バナナは単子葉植物のバナナ科に属する「果実果」、パイナップルは単子葉植物のパイナップル科に属する「多果」と呼ばれる種類なのだそうです。


「果実」とは、種子植物の雌しべから発達し、中に種子が入っている構造物のことを指します。一方、バナナやパイナップルは種子を持たず、バナナは花柄が、パイナップルは花序全体が肥大化した構造になっているそうです。


つまり、食用となる部分が種子ではなく、他の組織から発達しているため、植物学的には「果実」の定義を満たしていないというわけです。見た目が果物らしいことから、一般的には「果物」と認識されがちですが、実はその定義を満たしていないのです。


このように、ふだん「果物」と呼んでいるものの中にも、実は植物学的には異なる分類に属するものが含まれているのだそうです。今回は管理栄養士のゆかりさんのおかげで、野菜と果物の違いについて理解を深めることができました。

バナナ 野菜

何でややこしいことになったのか?

バナナは馴染みのある果物ですが、その仲間は極めて複雑な系統関係を持っています。バナナ属の植物は熱帯アジア原産で、約50種が確認されていますが、食用に供されているバナナの大半は1種の栽培品種や自然交雑種に過ぎません。さらに、そうした品種の多様性は人間の選抜によるところが大きいのです。


バナナは地上茎と呼ばれる幹を持たず、葉の付け根から新芽が出て次の本体となります。この特殊な繁殖方法は、他の植物とは全く異なる進化の過程を辿ってきました。栄養繁殖の割合が高いため、遺伝的交雑が起きにくく、不思議な生態が複雑な系統関係を生み出しているのかもしれません。身近な存在ながら、その実態には未だ多くの不明な点が残されているのです。

バナナやパイナップルのほかにもある?「果実的野菜」のいろいろ

果実的野菜は、一見すると野菜に見えながら、実は植物の果実である食材の総称です。その代表格として知られているのが、ナス、キュウリ、トマト、ピーマンなどのナス科の野菜たちです。しかし、これらに加えて、ズッキーニ、アボカド、オクラ、ゴーヤーといった野菜も果実的野菜に分類されます。


これら全ては、植物の花から実が育ち、その実の中に種が入っているという点で、果実の定義を満たしています。一方で、一般的な果物に比べて味が淡白なことから、料理では野菜として扱われているのです。


栄養面では、果実的野菜はビタミンCや食物繊維、良質の植物性たんぱく質や不飽和脂肪酸などを豊富に含む健康食品です。私たちの食生活において、欠かすことのできない存在と言えるでしょう。


実は、いちごもまた果実的野菜の一種なのです。茎を伸ばし、付け根に実を付ける草本植物だからです。また、バナナ、パイナップル、パパイヤといった熱帯果実も、本来は草の実を食べているということになります。バナナの樹木のようなものは、葉が重なった偽茎なのです。こうした果実も全て、果実的野菜に分類されるのです。

バナナ 野菜

まとめ


バナナはカロリーが高く、食物繊維、ビタミンB6、カリウムなどの栄養素を豊富に含んでいます。スムージーやケーキ、パンなどのデザートはもちろん、カレーやサラダ、肉料理の付け合わせなど、さまざまな料理に使えるバナナの活用法は無限大。プリプリのテクスチャーとほんのり甘い香りは、料理にアクセントを加え、食卓を華やかに彩ります。栄養価が高く、使い勝手の良いバナナは、家庭料理の強い味方です。