ヴァクラとは

濃厚な甘さとナッツの風味が特徴のバクラヴァは、一度食べると忘れられない魅力があります。日本ではまだ専門店が少ないため、地域によってはなかなか手に入らないこともありますが、自宅で手作りすれば、好みに合わせて甘さや材料を調整できるのがうれしいポイントです。今回はこのヴァクラヴァについて詳しくご紹介します。
ヴァクラヴァとは?
バクラヴァは、トルコを代表する伝統的なスイーツで、何層にも重ねた極薄の生地にナッツを挟み、甘いシロップをたっぷり染み込ませて焼き上げるお菓子です。生地には主にパイ生地のような「フィロ」が使われ、ピスタチオやくるみ、アーモンドなどのナッツを細かく砕いてサンドするのが定番のスタイル。焼きあがったバクラヴァには、砂糖やはちみつを煮詰めた濃厚なシロップをかけ、ジューシーで風味豊かな味わいに仕上げます。
バクラヴァの魅力は、カリッとした焼き目とシロップがしみ込んだしっとりとした層のコントラスト。さらに、ナッツの香ばしさと濃厚な甘みが相まって、ひと口ごとに深い満足感を味わえます。トルコでは、祝祭日やお祝いごとの贈り物、ティータイムなど、幅広い場面で親しまれており、コーヒーやチャイと一緒にゆっくり楽しむのが一般的です。

バクラヴァの歴史
バクラヴァのルーツはとても古く、正確な起源は定かではありませんが、紀元前までさかのぼるという説もあります。古代ローマでは「プラセンタケーキ」と呼ばれる、薄い生地を層に重ねてチーズやはちみつを加えたデザートが存在しており、これがバクラヴァの原型になったとも言われています。
このスイーツ文化は、やがてオスマン帝国に伝わり、そこで洗練されて現在のバクラヴァの形に近づいていきました。特にオスマン帝国の宮廷では、贅を尽くした料理の一環としてバクラヴァが提供されていたという記録も残されています。
現在ではトルコだけでなく、中東諸国、ギリシャ、中央アジアなど広い地域で親しまれています。それぞれの地域で使用するナッツやシロップ、形などにバリエーションがあり、地域ごとの特色を楽しむのも魅力のひとつです。
バクラヴァの基本の作り方
見た目も味もリッチなバクラヴァですが、基本の材料と工程を押さえれば家庭でも比較的簡単に作ることができます。特に市販のパイシートを使えば、特別なフィロ生地がなくても手軽に再現可能です。
材料は、パイシート、ナッツ(ピスタチオやくるみ)、無塩バター、砂糖、はちみつ、水が中心。香りづけにシナモンやカルダモンなどのスパイスを加えるのもおすすめです。
作り方は、薄くのばしたパイシートを数枚重ね、間に刻んだナッツを挟んで層にしていきます。耐熱皿に詰めたら、表面に切れ目を入れ、バターを塗ってからオーブンで焼きます。仕上げに砂糖とはちみつを煮詰めたシロップをかけ、冷めたら完成です。外はカリッと、中はしっとり甘い、バクラヴァならではの贅沢な食感が楽しめます。
まとめ
今回ご紹介したように、市販のパイシートを活用すれば、手軽に本格的な味わいを再現できます。食後のデザートやおもてなし、特別なティータイムにもぴったり。チャイや濃い目のコーヒーと合わせれば、本場さながらの贅沢な気分が味わえるはずです。
甘いもの好きな方はもちろん、エキゾチックなスイーツに興味のある方にもおすすめのバクラヴァ。ぜひ一度、ご家庭でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。