焼き菓子を作る際、仕上がりを左右する重要なポイントのひとつが「型」の選び方です。型にはさまざまな種類があり、使用する型によって焼き上がりの形や質感、雰囲気が変わります。ここでは、焼き菓子に使われる主な型の種類と、それぞれの特徴を詳しく紹介します。
焼き菓子の型の種類
焼き菓子に使われる型の種類をご紹介します。
1. パウンド型
パウンドケーキをはじめ、食パンやミートローフなど多用途に使える長方形の型です。一般的なサイズは「17cm」や「21cm」で、素材には金属製やシリコン製があります。パウンド型は高さがあるため、しっとりした生地が均一に焼き上がりやすく、焼き菓子初心者にも使いやすい型の一つです。
2. マフィン型
マフィンやカップケーキを焼くための型で、丸い凹みが複数並んでいます。金属製のものが主流ですが、シリコン製や紙製のカップと併用できる型もあります。一つひとつが個別に焼き上がるため、焼きムラが少なく、見た目もかわいい仕上がりが特徴です。
3. タルト型
タルト生地を焼くための型で、底が浅く、フチが波状になっているものが一般的です。取り外し可能な底が付いたタイプは、焼き上がったタルトを取り出しやすく便利です。また、丸型だけでなく、長方形やハート型のものもあり、さまざまなデザインを楽しむことができます。
4. セルクル型
円形の枠のみで底がないシンプルな型です。焼き菓子だけでなく、ムースケーキやチーズケーキにも使われます。セルクル型を使えば、円形のデザインがきれいに仕上がります。また、大小さまざまなサイズがあるため、用途に合わせて選べます。
5. クグロフ型
フランスやドイツの伝統的な焼き菓子「クグロフ」を作るための型です。中央に穴が開いており、独特の模様が特徴的。しっかりとした金属製が主流ですが、シリコン製や陶器製もあります。生地が均一に焼き上がり、見た目にも華やかな焼き菓子を作りたいときにぴったりです。
6. サブレ型(クッキー型)
クッキーやサブレの生地を型抜きするための道具で、星形、ハート形、動物形など種類が非常に豊富です。生地に押し当てて抜くだけで、簡単にかわいらしい形を作ることができます。季節やイベントに合わせたデザイン型も多く、子どもと一緒に楽しむのにも適しています。
7. マドレーヌ型
貝殻のような独特の形が特徴的な型です。一般的に金属製で、焼き上がると美しい模様が浮かび上がります。シリコン製もあり、取り外しやすく初心者向けです。型にバターをしっかり塗ると、きれいに焼き上がります。
8. カヌレ型
フランスの伝統菓子「カヌレ」を作るための型で、深い溝が入った独特な円筒形をしています。金属製のものが主流で、焼き菓子にカリッとした表面を作るのに適しています。シリコン型もありますが、金属型で焼く方が本場の仕上がりに近づけます。
9. フィナンシェ型
フィナンシェを作るための長方形の型です。金塊をイメージした形状で、金属製が多く使われます。最近では、ハート型や星型のバリエーションもあり、オリジナル感を出したいときにおすすめです。
10. エンゼル型
中央に穴が空いたドーナツ型の型で、スポンジケーキやババロアの焼成に使われます。生地の火通りがよく、ふんわりとした軽い仕上がりに適しています。金属製やシリコン製が一般的です。
型選びのポイント
素材を考える:
金属製は熱伝導がよく、焼きムラが少ない。
シリコン製は取り出しやすく、手入れが簡単。
陶器製は保温性が高く、じっくり焼き上げるのに適している。
サイズを選ぶ 型のサイズがレシピに合わないと、焼き時間や仕上がりに影響が出るため注意が必要です。初心者は定番サイズの型を揃えるのがおすすめです。
デザインや用途に合わせる 焼き菓子の目的や仕上がりのイメージに合った型を選びましょう。特別なイベントでは華やかなデザインの型が喜ばれることも。
お手入れと保管のコツ
型を長く使うためには、正しいお手入れが大切です。使用後はすぐに洗い、金属製の型は水気をしっかり拭き取るようにしましょう。シリコン型は油分が残りやすいため、ぬるま湯と中性洗剤で洗うと効果的です。収納時には重ねず、型が変形しないよう注意しましょう。
焼き菓子の型は、その形や素材によって焼き上がりの印象が大きく変わります。自分の作りたいお菓子に合った型を見つけて、楽しいお菓子作りを楽しんでください。