小麦を適量で摂取することが重要です。過剰な摂取は体に負担をかける可能性があります。小麦にはグルテンが含まれており、一部の人では消化吸収を阻害し、腸管の炎症を引き起こすセリアック病の原因となります。また、グルテンに対する感受性が高い人は腹痛や下痢などの症状が出る非セリアック性グルテン感受性を発症するリスクがあります。さらに、小麦は炭水化物を多く含むため、過剰摂取は肥満やインスリン抵抗性の要因になりかねません。精製された小麦粉ではビタミンやミネラルが失われがちです。小麦を一概に悪いとは言えませんが、個人の体質に合わせた適量摂取と、発酵食品や他の穀物との組み合わせなど、バランスの取れた食生活が推奨されます。

グルテンは様々な健康問題を引き起こす可能性があります。特に腸に悪影響を及ぼすことが指摘されており、過剰摂取すると、腹痛、下痢、倦怠感などの症状が現れることがあります。

グルテンの過剰摂取によって引き起こされる主な影響は以下の通りです。

①腸もれ(リーキーガット症候群)

グルテンは消化されにくく、腸壁に付着しやすいため、腸内の粘膜が傷つき、細菌や有害物質が血管内に漏れ出す可能性があります。この状態をリーキーガットと呼び、便秘や下痢、頭痛、肌トラブルなどの症状を引き起こします。

②血糖値の急上昇

グルテンを多く含む小麦製品には、血糖値を急上昇させる「アミロペクチンA」が含まれています。過剰なインスリン分泌を招き、肥満や糖尿病のリスクを高める可能性があります。

③依存性がある

グルテンには麻薬のような中毒性があるとされています。長期間の摂取で、グルテンを含む食品を求める欲求が高まり、過剰摂取につながるおそれがあります。その理由は、グルテンがモルヒネ様の作用を示すためと考えられています。

適切な管理が重要であり、不調がある場合は、専門家に相談しながらグルテンフリー食品の利用など生活習慣の見直しを検討することが賢明でしょう。

グルテンは小麦、ライ麦、オート麦などに含まれるタンパク質です。一部の人はグルテンに過剰に反応し、さまざまな症状が現れます。そのため、グルテンフリーの食事が必要となる場合があります。

代表的な疾患にceliac病(セリアック病)がありますが、これはグルテンが腸粘膜を傷つけ、栄養吸収不良などの深刻な合併症を引き起こす自己免疫疾患です。下痢、体重減少、貧血などの症状が伴います。celiac病の治療法は、グルテンを完全に除去する食事療法のみです。

また、非celiac性グルテン感受性という状態も注目されています。celiac病ほど重篤ではありませんが、グルテン摂取で腹痛、下痢、疲労感などの症状が現れます。グルテンを控えることでこれらの症状は改善します。

さらに、自閉症スペクトラム症や注意欠陥多動性障害の一部の患者でも、グルテンフリー食が有効だという報告があります。グルテンは免疫系や神経系に影響を与える可能性があるためです。

グルテンはパンや麺類など小麦をメインに使った食品だけでなく、実はさまざまな加工食品にも含まれています。

そのため、気づかぬうちに摂取してしまうことがよくあります。ここではグルテンを含む食品をご紹介いたします。

ここに記載した以外にも、乳化剤や増粘剤のような、とろみやモチモチ感を出す添加物としてグルテンが使われている事もあります。

パッと見分かりにくい商品にも入っているので、原材料を気にしたり、グルテンの事を意識する事で摂取は控える事ができます。

ここで、ちょっとした工夫で小麦の摂取を控える事ができる方法をいくつかご紹介します。

**米粉など代替品を選ぶ:**

小麦粉を使っていない代替品を選ぶ事も健康につながるひとつの手段です。米粉のパンやスイーツは比較的よく見かけますが、近年は玄米パスタなどグルテンフリー食品も多様化してきています。パンやパスタがどうしても食べたい場合は、米粉などで作られた代替品を選ぶのがおすすめです。

**食品表示ラベルを見るクセをつける:**

小麦は様々な食品に含まれているため、食品表示ラベルに記載されている原材料の確認をした方が良いです。原材料表示は、食品に含まれている量が多いものから順に記載されているので、最初の方に小麦と書かれている食品には注意です。後ろの方に記載されている食品もあるので、見逃さないようにしっかり確認しましょう。

**和食中心の生活にする:**

ごはん、味噌汁、煮物など昔ながらの和食は、小麦が含まれていない食材ばかりです。私たちにとって一番身近である和食中心の生活にすると、自然と小麦を避けた食生活になります。

小麦に含まれるグルテンやレクチンなどの成分は、一部の人に過敏反応を引き起こす可能性があります。celiac病や非celiac性グルテン感受性、さらには自己免疫疾患などを持つ人は、小麦を避けることが賢明です。一方で、健康な人が無理に小麦を控える必要はありません。適度な量を摂取することで、小麦の持つ栄養価を活かすことができます。自分の体質に合わせ、小麦の摂取量を調整することが大切です。