鮮やかな赤色と甘酸っぱい味わいが魅力のいちご。離乳食後期を迎えた赤ちゃんに、そろそろいちごを試してみたいと思っている方もいるのではないでしょうか?しかし、アレルギーの心配や、適切な与え方など、気になる点も多いはず。この記事では、離乳食後期におけるいちごデビューの時期や、安全な与え方を徹底解説します。簡単でおいしいいちごレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
いちごの旬とおいしい選び方
一般的に、いちごの旬は12月~5月頃と言われています。店頭には様々な品種が並びますが、美味しいいちごを選ぶための共通ポイントがあります。それは、全体が鮮やかな赤色で、表面にみずみずしいツヤがあること。そして、ヘタがしっかりとピンと上を向いていることです。これらの特徴を持ついちごは、甘みが強く、新鮮で美味しい可能性が高いでしょう。
いちごが持つ豊富な栄養価
いちごは、見た目の可愛らしさだけでなく、栄養価も高い果物です。特にビタミンC、葉酸、水溶性食物繊維のペクチンが含まれています。
離乳食にいちごを与える際の基本
離乳食にいちごを取り入れる際は、赤ちゃんの成長に合わせて調理方法を変えることが大切です。離乳食初期(生後5~6ヶ月頃)は、必ず加熱してから与えましょう。加熱したいちごを丁寧に潰して裏ごしし、滑らかな状態にして与えます。離乳食中期(生後7~8ヶ月頃)には、加熱したいちごに片栗粉などで少しとろみをつけたり、細かく刻んであげると良いでしょう。離乳食後期(生後9~11ヶ月頃)から完了期(1歳~1歳半頃)にかけては、赤ちゃんの咀嚼力に合わせて、生のいちごを食べやすい大きさに切って与えることができます。初めて与える際は、少量から始め、赤ちゃんの様子を注意深く観察しましょう。
いちごを洗う際の注意点と衛生管理
いちごはビタミンCや葉酸、食物繊維のペクチンといった栄養素を含んでいますが、これらは水に溶けやすい性質を持っています。そのため、水に長時間浸けたり、洗いすぎたりすると、栄養分が失われてしまう可能性があります。しかし、赤ちゃんに与える食品としては、栄養価以上に衛生面が重要です。栄養素の流出を最小限に抑えつつ、食中毒のリスクを避けるため、丁寧に洗い、必要に応じて加熱処理を行うことをおすすめします。
離乳食におけるいちごの加熱:利点と安全性
いちごは生で食べられる果物ですが、離乳食として与える際は、加熱することをおすすめします。特に、まだ免疫力が低い赤ちゃんには、食中毒のリスクを考慮し、初期段階では加熱調理が推奨されます。いちごの酸味を和らげ、甘みを引き出す効果も期待できます。生のいちごを与える場合は、少量から始め、アレルギー反応が出ないか注意深く観察しましょう。
いちごの適切な摂取量と注意点
いちごは甘くておいしいので、赤ちゃんがついつい食べ過ぎてしまうことがあります。しかし、どんな食品も食べ過ぎは良くありません。果物は糖分を多く含むため、過剰摂取は栄養バランスを崩す原因になります。離乳完了期(12~18か月頃)の野菜・果物の1回当たりの目安量は40~50gとされており、いちごに換算すると1日あたり3~4個程度が目安です。赤ちゃんの健康のためにも、適切な量を守り、バランスの取れた食事を心がけましょう。
離乳中期(生後7ヶ月頃〜):温かいイチゴミルク
材料(約1食分)
- イチゴ 1個
- 牛乳 30ml
- 水溶き片栗粉 小さじ1(水:片栗粉=1:1)
作り方
- イチゴを丁寧に洗い、ヘタを取り除き、細かく潰します。
- 小さめの鍋に、①で潰したイチゴ、牛乳、水溶き片栗粉を全て入れ、丁寧に混ぜ合わせます。
- 弱火にかけ、焦げ付かないように混ぜながら加熱し、沸騰して全体がトロリとするまで煮詰めます。粗熱を取り、適温になってから与えてください。
離乳後期(生後9ヶ月頃〜):イチゴのフレンチトースト
離乳後期(生後9ヶ月から11ヶ月頃)の赤ちゃんのために、イチゴを使った色々なレシピを提案します。これらのレシピは、栄養のバランスを考え、赤ちゃんが食べやすいように工夫しています。
材料(約1食分)
- イチゴ 1個
- 卵 1/3個
- 牛乳 20ml
- 食パン 1/2枚
- 油 少量
作り方
- イチゴをきれいに洗い、ヘタを取り除き、細かく潰しておきます。卵はしっかりと溶きほぐします。
- 食パンの耳を切り落とし、赤ちゃんが食べやすいように小さくカットします。
- 潰したイチゴ、溶き卵、牛乳を混ぜ合わせ、②の食パンを浸し、卵液をしっかりと染み込ませます。
- フライパンに油を薄くひいて中火で温めます。③の食パンをフライパンに入れ、両面に焼き色がつくまで丁寧に焼き上げます。粗熱を取り、適温になってから与えてください。
離乳完了期(1歳頃〜):いちご風味のヨーグルトサンド
材料(1食分)
- いちご 1/2個
- プレーンヨーグルト 40g
- サンドイッチ用食パン 1/2枚
作り方
- 清潔なザルにキッチンペーパーを重ね、ヨーグルトを乗せて冷蔵庫で半日ほど水切りします。水切りヨーグルトはおよそ20gになります。
- いちごは丁寧に洗い、ヘタを取り除き、フォークなどで細かく潰します。
- 水切りしたヨーグルトと潰したいちごを混ぜ合わせ、いちごヨーグルトを作ります。
- 食パンに③のいちごヨーグルトを塗り、サンドイッチにします。お子様の食べやすいサイズにカットしてあげてください。
まとめ
いちごはその鮮やかな色合いと甘酸っぱい風味で、お子様の食事をより楽しいものにしてくれます。離乳食のレシピとしてだけでなく、成長に合わせてそのまま食べられるようになったら、デザートの彩りや風味づけにも活用できます。旬の時期には、ぜひご家族でいちごの美味しさを味わってみてください。
赤ちゃんにいちごを与える際、アレルギー反応が心配です。注意点はありますか?
いちごは、アレルギーを引き起こす可能性のある食品として特に表示が義務付けられているものではありませんが、まれにアレルギー反応を示すことがあります。初めて与える際には、ごく少量から試し、他の食材と混ぜずに単独で与えることをお勧めします。与えた後は、赤ちゃんの様子を注意深く観察し、皮膚の発疹や下痢などの症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください。加熱することでアレルギーのリスクを軽減できることもありますが、完全に防げるわけではありません。ご心配な場合は、事前に医師に相談することをお勧めします。
冷凍いちごは離乳食に使えますか?
はい、冷凍いちごも離乳食に利用できます。冷凍保存により、旬の時期以外でもいちごを手軽に利用できます。使用する際は、必ず十分に加熱してから与えるようにしましょう。加熱することで、衛生面での安全性が向上し、食感も柔らかくなります。ただし、市販の冷凍いちごの中には、砂糖などの添加物が含まれているものもあるため、できるだけ無添加のものを選ぶように心がけてください。
離乳食でいちごをあげる頻度はどれくらいが目安ですか?
いちごは栄養も豊富で、甘みもあるので赤ちゃんにも人気が出やすい果物ですが、与えすぎには気をつけましょう。果物は毎日必ず与えなければいけないものではなく、色々な野菜や炭水化物、タンパク質などと組み合わせて、バランスを考えた食事の中で適量を摂るのが良いでしょう。離乳食完了期(1歳前後)なら、1日に3~4個くらいが目安です。週に数回、おやつや食事の一部として取り入れてみましょう。
いちごのヘタや種は取った方が良いですか?
離乳食の初期や中期の段階では、ヘタは必ず取り除き、種もできるだけ取り除いて、なめらかにするのがおすすめです。種は消化しにくいだけでなく、赤ちゃんが飲み込む際に引っかかる心配もあります。裏ごしをすることで、ヘタや種を取り除けて、口当たりも良く仕上がります。離乳食後期になって、赤ちゃんが噛んだり飲み込んだりすることに慣れてきたら、種は少量ならそのままでも大丈夫ですが、できるだけ避けた方が安心です。
離乳食に使ういちごは、どのように保存すれば良いですか?
新鮮ないちごは傷みやすいので、買ってきてからなるべく早く使い切るのがベストです。保存する時は、洗う前にヘタをつけたまま、乾燥しないようにラップや保存容器に入れて、冷蔵庫の野菜室で保管しましょう。湿気に弱いので、水滴がつかないように注意してください。長く保存したい場合は、きれいに洗ってヘタを取ってから、しっかりと水気を拭き取り、ジップロックなどの密閉できる袋に入れて冷凍保存することもできます。冷凍したいちごは、解凍せずにそのまま加熱調理に使うと便利です。