離乳食 アレルギー 28品目
離乳食は、赤ちゃんが初めて口にするものが増える大切な時期。しかし、同時に食物アレルギーのリスクも高まります。特に、アレルギーの原因となりやすいとされる28品目については、慎重に進める必要があります。この記事では、専門家監修のもと、離乳食とアレルギーに関する正しい知識をわかりやすく解説。初期症状の見分け方から、万が一発症してしまった時の対策、アレルギー対応の進め方まで、ママ・パパが安心して離乳食を進められるよう、具体的な情報をお届けします。
離乳食と食物アレルギーの基本
離乳食は、赤ちゃんが母乳やミルクから、さまざまな食品へと移行するための大切なステップです。栄養を補給するだけでなく、食べ物を噛んだり、飲み込んだりする練習にもなります。しかし、同時に、初めての食材に触れる機会が増えるため、食物アレルギーのリスクにも注意が必要です。この反応は、皮膚のかゆみや発疹、呼吸困難、消化不良など、様々な症状として現れることがあります。離乳食を始める前に、食物アレルギーに関する正しい知識を身につけておくことは、赤ちゃんをアレルギーから守るために非常に大切です。
アレルギーの原因物質と食品表示
前項で述べた食物アレルギーの原因となる物質はアレルゲンと呼ばれアレルゲンの多くはタンパク質で、乳幼児期に多く見られるものとしては、鶏卵、牛乳、小麦、大豆などがあります。成長するにつれて、甲殻類、果物、そば、魚類、ピーナッツ、くるみなどが原因となることもあります。食品表示法により、アレルギー症状を引き起こす可能性のある食品については、表示が義務付けられています。特に、えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)の8品目は特定原材料として、必ず表示しなければなりません。また、特定原材料に準ずるものとして、20品目の表示が推奨されています。これらの品目については、消費者庁のウェブサイトなどで確認できます。離乳食を作る際や市販のベビーフードを選ぶ際には、これらの表示をしっかりと確認し、アレルゲンが含まれていないかを確認することが重要です。
アレルギー症状と緊急時の対応
食物アレルギーの症状は、皮膚(かゆみ、じんましん、湿疹など)、呼吸器(咳、呼吸困難、ゼーゼーする音など)、消化器(嘔吐、下痢、腹痛など)と、さまざまな形で現れます。症状の出方も、食べてすぐに症状が出る即時型と、数時間後や翌日以降に症状が現れる遅延型があります。離乳食を始めてから、または新しい食材を試した後は、赤ちゃんの様子を注意深く観察し、アレルギーが疑われる症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。特にアナフィラキシーと呼ばれる重篤なアレルギー反応は、複数の臓器に症状が現れ、意識を失うなど命に関わる危険な状態になることがあります。アナフィラキシーを含む重篤なアレルギー症状への緊急対応については、「アレルギー症状が現れた時の対処法」のセクションで詳しく解説しています。初めての食材を与える際は、万が一の事態に備えて、すぐに病院に行ける時間帯に与えるようにしましょう。
乳児のアトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹が慢性的に繰り返される病気で、乳幼児期に発症することがよくあります。アトピー性皮膚炎の原因は一つではなく、皮膚のバリア機能の低下や、アレルギー反応などが複雑に関わっていると考えられています。食物アレルギーが、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させている場合もあります。アトピー性皮膚炎の治療は、スキンケアによる保湿と、炎症を抑える外用薬の使用が基本となります。食物アレルギーとの関連が疑われる場合は、医療機関を受診し、適切な検査や食事指導を受けることが大切です。血液検査や食物経口負荷試験などを通して、原因となる食物を特定し、除去食や代替食についてのアドバイスを受けることができます。アトピー性皮膚炎の治療方針に迷う場合は、別の医師の意見を聞くセカンドオピニオンも有効です。
離乳食の進め方とアレルギー予防
一般的に、離乳食は生後5~6ヶ月頃から開始することが推奨されています。開始のタイミングは、お子様の首がしっかりと座っているか、支えがあれば座れるか、食べ物に興味を示しているかなどを目安に判断しましょう。離乳食を始める際は、まず1種類の食材を少量から試し、徐々に種類と量を増やしていくのが基本です。初めて与える食材については、万が一アレルギー反応が出た場合に備え、少量から始め、1日に1種類ずつ試すようにしましょう。近年では、アレルギーのリスクが高いとされる食品(例えば、鶏卵、牛乳、小麦など)も、適切な時期に医師の管理下で少量ずつ摂取を開始することで、アレルギーの発症を予防できる可能性が指摘されています。ピーナッツアレルギーに関しては、早期に摂取を開始する方が有益であるという国際的なコンセンサスも存在します。
離乳食における注意点とポイント
離乳食を進めるにあたっては、いくつかの注意すべき点があります。まず、衛生管理を徹底し、使用する調理器具や保護者の方の手指を常に清潔に保ちましょう。また、食材はできるだけ新鮮なものを選び、しっかりと加熱調理するように心がけてください。離乳食の形状は、赤ちゃんの成長に合わせて徐々に変化させていきましょう。最初は、なめらかにすり潰した状態からスタートし、徐々に食材の粒を残した状態へと移行していきます。味付けは、ごく薄味を基本とし、調味料の使用は極力控えめにしましょう。市販のベビーフードを利用する際は、アレルギー表示を必ず確認し、添加物の少ない製品を選ぶようにしましょう。離乳食は、赤ちゃんの成長にとって非常に大切な食事です。焦らず、楽しく進めていくことが何よりも重要です。
アレルギー症状が現れた時の対処法
万が一、離乳食を摂取中にアレルギーと思われる症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。症状が比較的軽い場合は、まずはかかりつけの医師に相談し、指示を仰ぎましょう。症状が重篤な場合(呼吸困難、意識消失など)は、ためらわずに救急車を呼ぶなど、緊急的な対応が必要となります。医療機関を受診する際には、いつ、何を、どれくらいの量を食べたか、そしてどのような症状が現れたかを、できるだけ詳しく医師に伝えるようにしましょう。また、食べた食品のパッケージや原材料表示を持参すると、診断の助けになることがあります。アレルギー症状が出た場合は、決して自己判断で対処せず、必ず医師の指示に従って適切な処置を行ってください。
アレルギーに関する相談窓口
食物アレルギーに関して不安なことや疑問点がある場合は、専門の医療機関や相談窓口に相談することをおすすめします。アレルギー専門医が在籍する医療機関を受診すれば、適切な診断と治療を受けることができます。また、各自治体や保健所などでも、アレルギーに関する相談を受け付けています。インターネット上にも、アレルギーに関する様々な情報が掲載されていますが、情報の信頼性をしっかりと見極めるように注意しましょう。アレルギーに関する正しい知識を身につけ、適切な対応をすることで、赤ちゃんが安心して離乳食を進めていくことができるでしょう。
本記事は、離乳食と食物アレルギーに関する一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療に代わるものではありません。お子様の具体的な症状や健康状態については、必ず医師や専門家にご相談ください。自己判断での対応は避け、専門家の指示に従ってください。
まとめ
離乳食におけるアレルギー対応は、赤ちゃんの成長をサポートする上で非常に重要な課題です。特に注意すべきは、食品表示法で表示が義務付けられている特定原材料8品目(卵、乳、小麦、えび、かに、落花生、そば、くるみ)と、表示が推奨されている特定原材料に準ずる20品目(アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン)の計28品目です。これらの食品は、アレルギー症状を引き起こす可能性が高いため、離乳食初期から慎重に進める必要があります。初めて与える食材は少量から始め、体調の良い日に、医療機関を受診できる時間帯に試すことが推奨されます。万が一、皮膚の発疹、嘔吐、下痢などのアレルギー症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な指示を受けるようにしましょう。また、自己判断で除去食を行うのではなく、医師や管理栄養士の指導のもと、栄養バランスが偏らないように注意しながら進めることが大切です。
よくある質問
質問1:離乳食をスタートするのに適したタイミングはいつですか?
おおむね生後5ヶ月から6ヶ月頃が目安となります。首がしっかりと安定し、支えがあれば座ることができる、食べ物に興味を示すといった発育状況を目安に判断しましょう。ただし、発育には個人差がありますので、焦らずに赤ちゃんのペースに合わせて進めていくことが重要です。
質問2:アレルギーが気になる場合、離乳食はどんな風に進めていくべきですか?
まずは1種類の食材をごく少量から始め、1日に1種類ずつ試していくようにしましょう。アレルギーのリスクが高いと考えられる食品も、適切な時期に開始することによって、アレルギーの発症を抑えられる可能性も指摘されています。自己判断で特定の食品を除去するのではなく、必ず医師の指示のもと、適切な離乳食を進めていくことが大切です。
質問3:離乳食でアレルギー反応が出たら、どう対処すれば良いですか?
もし軽い症状(発疹、 हल्काな下痢など)が見られたら、まずは信頼できる小児科医に相談し、アドバイスを受けてください。重篤な症状(呼吸困難、意識の低下など)が現れた場合は、すぐに救急車を呼ぶなど、緊急の対応が必要です。医療機関を受診する際は、いつ、何を、どのくらいの量を食べたか、そしてどのような症状が出たかを詳しく医師に伝えることが大切です。