オーストリア。美しいアルプスの山並みと、歴史ある街並みが広がるこの国は、伝統的な音楽や文化だけではなく、特別なチョコレート体験でも名を馳せています。高品質のカカオを使い、職人の手によって緻密に作られるオーストリアのチョコレートは、世界中の甘党を魅了しています。ウィーンのカフェで楽しむザッハトルテから、地方で見つかるユニークなクリエーションまで、多様な味わいが待っています。オーストリアでしか味わえない、魅惑のチョコレート旅に出かけましょう。
オーストリアに根付くチョコレートの伝統
オーストリアのチョコレート文化を牽引するゾッター社は、長い歴史を持つ企業です。シュタイアーマルク州の自然豊かな丘陵地帯に位置する工場は、その美しさから「オーストリアのトスカーナ」と呼ばれることもありますが、この表現は主観的なものであり、注意が必要です。
ゾッター社は、環境への配慮を重視し、自社でカカオ豆の焙煎からチョコレート製造の全プロセスを行っています。この「BEAN TO BAR」プロセスにより、オーストリアにおける高い食品衛生基準と環境保全の取り組みを実践しており、アルティザンチョコレートメーカーとしての地位を確立しています。
オーストリアの独自性を持つ工場
創業者であるヨーゼフ・ゾッターが拠点とする特徴的な工場では、彼が中南米のカカオ栽培地を訪問し、高品質のクリオロ種およびトリニタリオ種のカカオ豆を調達していることが知られています。ニカラグア、ドミニカ共和国、パナマ、ペルー、ブラジルなどから調達されるこれらのカカオ豆は、有機栽培とフェアトレード(BIO & FAIR)の基準を満たしています。さらに、ゾッターは2006年以降、ニカラグアのカカオ農園の生産者と毎年交流を深め、現地で技術指導を行い、カカオの栽培から製品化までの過程を見届けています。
ヨーゼフ・ゾッターは、BIOであることがカカオや砂糖を生産する人々、そしてその土地にとっても重要であると考えています。彼の哲学には、BIOとFAIRの概念が不可欠です。この2つの条件を満たし、エコロジーにも配慮した設備で製造されるゾッターのチョコレートは、日本の消費者の期待に応え、味わいや楽しさ、美しさにおいても満足を提供しています。