秋の訪れとともに、店頭に色とりどりのリンゴが並び始めます。甘みや酸味、シャキシャキとした食感が楽しめるリンゴは、それぞれの品種によって味わいが異なります。この記事では、リンゴの季節を存分に楽しむために、代表的なリンゴの品種をガイドし、その特徴やおいしい食べ方をご紹介します。あなたの好みにぴったりの品種を見つけて、この季節だからこそ味わえるリンゴの魅力を存分に堪能してください。
品種ごとのりんごの最適な時期
りんごは毎年8月初めから11月半ばにかけて収穫されます。収穫期は極早生、早生、中生、晩生に分類され、多様な品種を味わえます。
極早生種と早生種
それぞれの極早生種と早生種について、旬の時期や代表的な品種をご紹介します。まだ暑さが残る時期に楽しめる極早生種特有の風味と、秋の到来を感じさせる早生種の瑞々しい味わい、それぞれの品種の特性を整理しました。
夏緑
夏緑は、光沢のある緑色の皮が特徴のりんごで、「夏に収穫される緑色のりんご」としてその名前が付けられました。お盆の供え物としても人気があります。このりんごは果汁が豊富で、甘酸っぱく爽やかな味わいが暑い夏にぴったりです。供給量が限られており、保存が難しいため、希少な品種とされています。
ブラムリー
ブラムリーはイギリス生まれの料理用のりんごで、「クッキングアップル」として知られています。日本では主に長野県や北海道、岩手県などで栽培されています。特有の強い酸味と控えめな甘さ、少しの渋みが特徴です。加熱すると果肉が柔らかくなるため、ジャムやアップルパイ、さらには肉料理のソースにも最適です。
早生種
早生種は「わせしゅ」と読み、収穫時期は8月下旬から9月中旬です。この品種は果肉が硬めで、シャキシャキとした食感が楽しめます。また、酸味が控えめで、甘さが際立っているのが特徴です。果汁が豊富で、生食やジュースにすると美味しくいただけます。
津軽
青森県で主に栽培されているつがるは、赤い果皮に鮮やかな縞が映え、豊富な果汁を持ち合わせています。爽やかな酸味と甘みがバランスよく、硬めの果肉によるシャキシャキとした食感も魅力です。そのまま食べるのはもちろん、ジュースとして飲むのもおすすめです。
きおう
岩手県を中心に育てられているきおうは、光沢のある黄色の果皮が目を引きます。甘さがしっかりしていながら、程よい酸味が後を引き、爽やかなジューシーさを楽しめます。熟した状態では、梨のようなシャキシャキとした口当たりが魅力です。そのまま食べるのはもちろん、ジュースにするのも最適です。
中生種・晩生種
「なかてしゅ」と読む中生種は、9月末から10月末に収穫され、その甘みと酸味の絶妙なバランスが特徴です。この時期はりんごの季節の真っ盛りとなるため、生食用として楽しむほか、ジュースや料理用に加工されたさまざまなりんごが市場に出回ります。
シナノスイート
シナノスイートは、主に長野県で育てられているリンゴです。鮮やかな赤い皮と歯ごたえのある食感が魅力です。その名が示す通り、濃密な甘さと豊かな香り、みずみずしさが特徴です。生で食べるのが最も美味しいとされています。
秋映
秋映は主に長野県で育てられる品種です。完熟すると、色濃い赤色に変わる果皮が特徴です。シャキシャキした食感と、甘酸っぱい味わいがりんごそのものの魅力を引き立てます。果汁が豊富で、シンプルにそのまま味わうのが最適です。
紅玉
紅玉は明治時代から育てられ、青森県で多く生産されています。このりんごは鮮やかな赤い皮と小さめのサイズが特徴で、他の品種よりも酸味が強く、火を通すと香りが引き立ちます。アップルパイやジャムなど、スイーツ作りには最適です。
むつ
むつは、青森県を中心に栽培される品種です。袋がけをして育てると果皮が赤くなり、袋がけなしだと黄緑色となり「サンむつ」として知られています。芳醇な香りを持ち、果肉が少し硬めであることが特徴です。
トキ
トキは青森県を中心に栽培されており、りんごの中でも旬が短いのが特徴です。果汁がたっぷり詰まっており、ジューシーな味わいが楽しめます。甘さが際立ち、酸味は控えめなのがこのりんごの魅力。そのまま食べても美味しいですが、ジュースやデザート作りにも最適です。
晩生種
晩生種のりんごは、10月末から11月半ばに収穫されるもので、「おくてしゅ」という読み方をします。このりんごは、豊かな甘みと強い香りが特徴で、長期間保存が可能です。代表的な品種である「ふじ」も、この時期が最も美味しい旬を迎えます。
ふじ
ふじは東北地方や長野県を中心に多く育てられています。果汁がたっぷりで、酸味と甘みが絶妙に調和し、日本国内外で支持されています。蜜が入りやすく、シャキシャキとした食感が特徴で、生食にぴったりのりんごです。
シナノゴールド
シナノゴールドは長野県を中心に栽培されているリンゴで、その美しい黄色の皮が特徴的です。シャキシャキとした食感と適度な甘さと酸味があり、生で食べるのはもちろん、タルトやアップルパイなどの焼き菓子にもぴったりです。