寒い冬や夏の暑さに負けない健康をサポートする甘酒は、古くから日本で愛される飲み物です。しかし、最近は「甘酒を飲むと太る」という声を耳にすることがあります。そこで本記事では、甘酒が持つ栄養価や摂取方法、そして実際に体重にどのような影響を与えるかを詳しく探ります。健康的に甘酒を楽しむためのポイントも解説しますので、甘酒ファンも初めての方もぜひ参考にしてみてください。
甘酒は体重増加につながる?
甘酒はその甘さから、体重が増えてしまうのではと心配する人もいるかもしれません。しかし、甘酒は「甘酒ダイエット」として注目されるほど、実は体重管理に役立つと期待される飲み物でもあります。
甘酒は、米麹を発酵させたものと、日本酒の製造過程でできる酒粕を使ったものの二種類に分かれます。それぞれの100gあたりのカロリーと糖質は以下の通りです。
米麹甘酒のカロリー:81kcal 糖質:17.6g
酒粕甘酒のカロリー:81kcal 糖質:4.7g
一見すると、酒粕甘酒は糖質が少ないので健康的に感じますが、甘味を補うために砂糖を追加することがよくあります。そうすると、糖質やカロリーが米麹甘酒同様、またはそれ以上になることがあるので注意しましょう。
甘酒自体は100gで81kcalとそれほど高カロリーではありませんが、飲み方によっては体重が増えることもあります。以下に、甘酒の飲用に伴う体重増加の要因をいくつか挙げます。
1.飲み過ぎている
甘酒は、夏の暑さ対策に有効とされていますが、摂取しすぎるとカロリー過多につながりやすいです。これは、甘酒のカロリーが100gあたり81kcalと高く、一般的なスポーツドリンクの100gあたり11kcalと比較しても高エネルギーであるためです。適切な量を決めておくことで、カロリーの過剰摂取を抑えるのが賢明です。
2.短時間で飲む
甘酒には豊富な糖質が含まれており、一度に大量に摂取すると血糖値が急に上がる可能性があります。血糖値が急激に上がると、インスリンというホルモンが体内で分泌されて血糖値の低下を促します。
ただし、このインスリンは脂肪を体にためる作用もあるため、過剰に分泌されると体重が増えることがあるので注意が必要です。血糖値の上昇を抑えるためには、ゆっくりと飲むように心掛けてください。
3.市販の甘味入り甘酒を楽しんでいる
市販の甘酒はさまざまなブランドから提供されていますが、中には砂糖を多く含むものも見受けられます。特に米麹を使用した甘酒は、元々の糖質が高いため、さらに砂糖を加えた製品を摂取すると、結果として大量の糖質を体に取り込むことになりかねません。そのため、甘酒を購入する際には、パッケージの原材料名をよく確認して、砂糖不使用の商品を選ぶのが賢明です。
また、甘酒は安眠を助けるとして、寝る前に飲む方もいるかもしれません。しかし注意が必要です。夜間は昼間に比べて活動量が減り、身体のカロリー消費も低下します。
そのため、夜に甘酒を摂取すると余剰なカロリーを消費しきれず、脂肪として蓄積され、体重増加のリスクが高まる可能性があります。夜に甘酒を飲む場合、昼間よりも少量に控えた方が良いでしょう。

食事や間食を甘酒に変えて!甘酒の正しい楽しみ方
甘酒は体重増加のリスクが心配されることがありますが、適切に摂取すれば問題ありません。本記事では、ダイエットに適した甘酒の取り入れ方や、飲むのに最適な時間帯をご案内します。
毎日飲んでも1日200mlを目安にすれば安心
ダイエット中に毎日甘酒を飲む際には、1日200mlを目安にすると良いでしょう。この量は間食の代わりとして取り入れることがおすすめです。チョコレートやクッキーなどのお菓子には脂肪分が多く含まれますが、甘酒は脂質がほぼゼロなので、脂肪の摂取量を抑えることが可能です。
さらに、甘酒はビタミン、食物繊維、そしてアミノ酸を多く含んでいるため、適切に摂取すれば代謝を促進し、痩せやすい体質づくりに貢献します。
朝に飲むのが最適
ダイエット中の朝に甘酒を飲むのは良い選択です。甘酒には豊富な糖質が含まれていますが、朝に摂取することで血行が促進され基礎代謝が上がり、体重管理がしやすくなります。さらに、朝に摂ったカロリーは日中に消費されるので、甘酒のカロリーで体重が増える心配は少ないです。
また、朝に糖質を摂ることで脳や身体が活発になり、一日を意欲的に過ごせるのも利点です。朝食を甘酒だけにすることで、総カロリーを抑えられ、ダイエット効果を高めることができます。
飲み合わせを考慮する
甘酒は、以下の食材と一緒に楽しむのもおすすめです。
・生姜・豆乳・レモン
市販されている甘酒には、生姜を加えたものが多く見られます。どちらも体を温めてくれる作用があり、同時に摂取すると基礎代謝を向上させる効果が期待できます。
甘酒には脂肪の燃焼をサポートするリパーゼが含まれていますが、一方で豆乳には脂肪の蓄積を抑える大豆サポニンがあります。このように、甘酒と豆乳を組み合わせれば、体脂肪が気になる方に最適な組み合わせと言えるでしょう。
甘酒はビタミンCを含んでいないため、ビタミンCが豊富なレモンを組み合わせてみるのも良いでしょう。ビタミンCは、細胞の代謝を高めて無駄なエネルギーの蓄積を防ぐため、甘酒のダイエットサポート効果をさらに向上させることが可能です。
普段の食事やおやつ、飲み物を甘酒に置き換えることも、効果的なダイエット方法の一つです。
米麹が使われた甘酒は、お米が少し残っているため、満腹感が得られやすく、特におすすめです。一般的な液体タイプのダイエット食品よりも、満腹感を得ることができるでしょう。
ダイエットの基本は、『摂取カロリー<消費カロリー』の状態を保つことです。高カロリーの食事が多い方は、甘酒に置き換えてみるのが良いかもしれません。
米麹甘酒がダイエットに効果的な理由
甘酒には、腸内フローラを整える効果がある発酵成分が含まれており、また糖質や脂質の代謝を助けるビタミンB1やB2など、エネルギー生成に必要な栄養素が豊富です。さらに、アミノ酸も多く含まれています。
腸内フローラの向上で快適サポート
お腹がぽっこりと出ている女性の中には、その原因が腸内の汚れであることが少なくありません。
甘酒にはお米由来の食物繊維が豊富で、水溶性と不溶性の両食物繊維を兼ね備えている点が魅力です。水溶性食物繊維は腸内細菌のエサとなり、不溶性は腸内をキレイに掃除する役割を担っています。
さらに、甘酒に含まれるオリゴ糖は消化されずに大腸に届き、善玉菌やビフィズス菌の栄養源となります。これにより、腸内環境が整い便通が改善されます。また、血糖値の急上昇を避けつつ、消化されない糖分としての利点も備えています。
砂糖を使わない
甘酒には、米麹がベースのものと酒粕がベースのものの2つの種類があります。近年、特に米麹から作られた甘酒がダイエットの観点から注目を集めています。
米麹甘酒の製造方法は、蒸した米に麹菌を付けて発酵させ、米麹を作ることから始まります。そこに湯を加えて、さらに発酵させることで完成します。
この甘酒がもたらす甘さは、砂糖によるものではなく、麹菌が米の中のでんぷんを分解して作り出したブドウ糖から来ています。
ご飯をしっかり噛むと甘く感じるのは、麹菌による作用と同じ原理です。
甘酒はビタミンやアミノ酸、食物繊維が豊富で、ダイエットのサポートドリンクとして利用されますが、飲み方によっては逆効果になることもあります。効果的な飲み方を身につけ、ダイエットに役立てましょう。