かぶとは?~呼び方の違いから旬の時期、人気レシピまで徹底解説
みずみずしく、やわらかな甘みが魅力の「かぶ」。地域によっては「かぶら」とも呼ばれ、その愛らしい丸い形は食卓を彩ります。この記事では、呼び方の違いから紐解き、かぶの奥深い世界へご案内します。旬の時期や主要産地、栄養価はもちろん、ご家庭で簡単に作れる人気レシピもご紹介。かぶの葉まで美味しくいただける、とっておきの活用術も満載です。かぶの魅力を余すことなくお届けしますので、ぜひ最後までお楽しみください。

かぶとは?かぶら・すずなとの呼び方の違いと語源

みずみずしく、ほのかな甘みが特徴の「かぶ」。地域によっては「かぶら」と呼ばれることもあります。同じ野菜なのに、なぜ呼び方が違うのでしょうか?結論から言うと、「かぶら」と「かぶ」は同じ野菜を指しています。特に関西地方で「かぶら」と呼ばれることが多く、その他の地域では「かぶ」と呼ばれる傾向があります。名前の由来は諸説ありますが、かぶらの形が頭に似ていることから、「頭」を意味する「かぶり」から派生したという説が有力です。また、古くから「すずな」という名前でも親しまれており、春の七草の一つとしても知られています。地域によっては「かぶな」と呼ばれることもあるなど、呼び名のバリエーションが豊かなのも、かぶらの魅力の一つと言えるでしょう。

かぶの特徴と種類


かぶはアブラナ科アブラナ属に分類され、白菜やキャベツ、菜の花などと同じ仲間です。特徴は、淡泊でありながら、みずみずしくジューシーな味わいと、ほどよい甘みです。生で食べるのはもちろん、焼いたり、煮たり、蒸したり、揚げたりと、調理法によって様々な食感と味わいが楽しめるのも魅力です。かぶは根だけでなく、葉も全て食べられる、非常に価値の高い野菜です。市場には、白い根を持つ一般的な「小かぶ」をはじめ、赤いかぶ、京野菜として有名な聖護院かぶなど、大きさや形、色など様々な品種が出回っています。スーパーでよく見かけるのは、白くて小ぶりな「小かぶ」で、柔らかさと甘み、クセの少ない味わいが特徴で、様々な料理に活用されています。

かぶの旬と主な産地

かぶは、暑すぎず寒すぎない冷涼な気候を好む野菜です。近年では露地栽培だけでなく、トンネル栽培やハウス栽培など栽培方法が多様化し、1年を通して市場に出回るようになっています。しかし、本来の旬は年に2回あります。
一度目の旬は春(3月~5月頃)で、「春かぶ」と呼ばれるこの時期のかぶは、とろけるようなやわらかさが特徴です。二度目は秋から初冬(10月~12月頃)で、特に11月~1月頃に収穫されるかぶらは、寒さにより甘みが増し、繊維が細かくなるため、よりやわらかく濃厚な味わいが楽しめます。
主な産地は千葉県で、国内生産量の約3割を占める全国トップクラスの産地です。続いて埼玉県、青森県、茨城県、北海道など、全国各地で栽培されています。これらの地域は、冷涼な気候と水はけの良い土壌を備え、かぶの栽培に適しています。
旬のかぶは、サラダでシャキシャキとした食感を楽しめるほか、煮物や汁物にするととろけるようなやさしい甘みが引き立ちます。各地のブランドかぶも登場しており、地域ごとの気候や土壌が育む個性ある味わいを楽しめるのも魅力です。

かぶのおいしい食べ方

生でも加熱してもおいしいかぶは、クセがあまりないため、和食、洋食、中華など、どんな料理にも使える万能な食材です。特におすすめの食べ方をご紹介します。

生のまま

かぶの持ち味であるフレッシュさを味わうには、生のまま食べるのが一番です。薄切りにしてサラダに加えるのは定番ですが、少し工夫してマリネや浅漬け、ピクルスなどにすれば、あのシャキシャキとした歯ごたえと、水分たっぷりの爽やかな風味をより一層堪能できます。

煮物

肌寒い日には、体の芯から温まる煮物が恋しくなります。だし汁をたっぷり吸い込んだ、とろけるように柔らかいかぶは、まさに絶品。一口食べれば、ほっと安らぐような優しい味わいが口の中に広がります。

スープ

かぶは、スープに入れるのもおすすめです。味噌汁、ポタージュ、コンソメスープ、中華スープなど、どんなスープにも相性が良く、アレンジしやすいのが魅力です。

その他多様なアレンジ

炒め物、蒸し物、シチュー、カレーなど、かぶは様々な料理に使える万能食材です。この後、かぶを使ったレシピを詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

かぶを使ったおすすめレシピ

みずみずしく、ほんのりとした甘さが魅力のかぶは、上品な風味となめらかな舌触りで、幅広い料理に活躍します。ここでは、前菜・メイン料理・汁物の3つのカテゴリーから、かぶを余すことなく楽しめるレシピをご紹介します。葉の部分まで活用できる栄養たっぷりのレシピばかりですので、ぜひ日々の食卓に取り入れてみてください。

【前菜】かぶの浅漬け

材料(2〜3人分)
  • かぶ(中)…2個
  • 塩…小さじ1/2
  • 昆布(細切り)…適量
  • 柚子の皮(あれば)…少々
作り方
  1. かぶは皮をむき、薄い半月切りにする。葉は使う場合は3cmほどに切る。
  2. ボウルにかぶと塩を入れて軽くもみ、10分ほど置く。
  3. 水気を絞り、昆布と柚子の皮を加えて混ぜる。
  4. 冷蔵庫で15分ほどなじませて完成。
やさしい甘みのかぶに、昆布の旨みと柚子の香りがよく合います。

【メイン】かぶと鶏肉のとろとろ煮

材料(2人分)
  • かぶ(中)…2個
  • 鶏もも肉…200g
  • だし汁…300ml
  • みりん…大さじ1
  • 醤油…大さじ1
  • 酒…大さじ1
  • 塩…少々
作り方
  1. かぶは皮をむき、くし形に切る。葉もあればざく切りにする。
  2. 鶏肉は一口大に切る。
  3. 鍋にだし汁・酒・みりん・醤油を入れて火にかけ、鶏肉を入れて煮る。
  4. 鶏肉に火が通ったら、かぶを加えて中火で10分ほど煮る。
  5. かぶがやわらかくなったら葉を加え、味を整えて完成。
とろけるかぶに鶏の旨みがしみ込んだ、やさしい味わいの一品です。

【汁物】かぶと豆腐の味噌汁

材料(2人分)
  • かぶ(小)…1個
  • 豆腐…1/2丁
  • かぶの葉(あれば)…少々
  • だし汁…400ml
  • 味噌…大さじ1〜1.5
作り方
  1. かぶは皮をむき、薄めのいちょう切りに。葉はざく切りにする。
  2. 豆腐はさいの目に切る。
  3. 鍋にだし汁を入れて沸かし、かぶを加えて柔らかくなるまで煮る。
  4. 豆腐と葉を加えてひと煮立ちさせ、火を止めて味噌を溶き入れる。
  5. 器に盛って完成。
ほっとする優しい味。かぶの甘みが引き立つお味噌汁です。

捨てないで!かぶの葉の栄養と活用法

かぶは根だけでなく、葉にも栄養がたっぷり。ビタミンC、β-カロテン、カルシウム、カリウム、食物繊維などが豊富で、栄養価の高い部分です。しかし、使い方が分からず捨ててしまう方も少なくありません。
かぶの葉は、おひたし、炒め物、ふりかけ、味噌汁やスープの具、チャーハン、卵焼きなど、さまざまな料理に使えます。刻んでご飯に混ぜたり、さっと茹でてごま和えにしたり、醤油とみりんで炒めて常備菜にするのもおすすめです。
シャキシャキ食感とほろ苦さがアクセントに。栄養満点のかぶの葉を、ぜひまるごとおいしく活用してみてください。

まとめ

「かぶ」は、根だけでなく葉まで食べられる、使い勝手のよい野菜です。関西では「かぶら」とも呼ばれ、和洋中問わず幅広い料理に活用できます。みずみずしくやさしい甘みを持つかぶは、煮物や炒め物、漬物、汁物など、どんな料理にもなじみます。
今回ご紹介したレシピを参考に、主菜から副菜まで、かぶの魅力をまるごと味わってみてください。旬のかぶを上手に取り入れて、毎日の食卓をより豊かに、健康的に彩りましょう。

かぶらと「かぶ」は別の野菜ですか?

いいえ、かぶらと「かぶ」は同じ野菜を指します。「かぶら」は「かぶ」の別名で、特に関西地方でよく使われる呼び方です。正式名称が「かぶら」であるという説もあり、「かぶ」は略称として全国的に広まったとも考えられています。

かぶらはどんな種類の野菜ですか?

かぶらはアブラナ科アブラナ属の一種です。白菜やキャベツ、菜の花などと同じ仲間です。

かぶは「すずな」という別名がある?

その通りです。かぶは「すずな」とも呼ばれており、春の七草の一つとして日本の食文化に深く根付いています。地域によっては、「かぶらな」や「かぶな」といった名称で親しまれていることもあります。

かぶの美味しい時期はいつ?

かぶは年間を通して市場に出回りますが、特に美味しい旬は年に2回あります。春は3月から5月頃で、みずみずしく、とろけるような柔らかさが魅力です。秋は10月から12月頃が旬で、中でも11月から1月にかけての寒い時期は、寒さによって甘みが増し、より一層美味しくなります。

かぶの葉っぱは食べられる?栄養価は高い?

はい、かぶは根の部分だけでなく、葉も美味しく食べられます。葉にはビタミンCやβ-カロテン、カルシウム、カリウム、食物繊維といった栄養素が豊富に含まれており、非常に栄養価が高い食材です。スープや味噌汁の具材、おひたし、炒飯、ふりかけなど、様々な料理に活用できるため、捨てずに積極的に利用することをおすすめします。



かぶ