甘酸っぱくて見た目も可愛らしいいちごは、私たちを笑顔にしてくれる人気のフルーツです。スーパーで見かけるいちごは、一体どこで作られているのでしょうか?実は、いちごの生産量は都道府県によって大きく異なるんです。この記事では、いちごの生産量日本一に輝く県と、気になるランキングを詳しくご紹介。さらに、その土地ならではの美味しさの秘密にも迫ります。いちごの新たな魅力を発見してみませんか?
いちごの生産量と栽培面積:日本と世界における現状
まずは、都道府県別のいちご生産量ランキングと、日本全体のいちご栽培の現状について解説します。令和5(2023)年産の全国いちご収穫量は161,800t、作付面積は4,780ha、産出額は2,055億円となっています。栃木県のいちご生産状況(確報:令和6年12月23日公表)は次のとおりです。収穫量は24,600t、作付面積は506ha。いちごは、ハウス栽培などの環境制御技術によって、全国47都道府県すべてで栽培されている果物です。(出典: 栃木県農業総合研究センターいちご研究所(農林水産省作況調査確報), URL: https://www.pref.tochigi.lg.jp/g61/ichigo-seisanjokyo/ichigo-seisanryou.html, 2025-04-08)
次に、世界のいちご生産量を見てみましょう。FAO(国際連合食糧農業機関)のデータによると、中国が圧倒的な生産量を誇っています。日本は残念ながら世界ランキングでは上位に入っていませんが、日本のいちごはその品質の高さで世界的に評価されています。各国によって消費習慣や食文化、栽培技術が異なるため一概には比較できませんが、日本のいちごは独自の高い栽培技術によって高品質を維持していると言えるでしょう。
日本の主要ないちご産地TOP5と注目品種
日本におけるいちごの生産量上位5県は、長年にわたりいちご栽培が盛んな地域であり、地域独自のオリジナル品種やブランドいちごを数多く生み出しています。これらの地域は、それぞれの気候や土壌、そして長年培ってきた栽培技術を活かし、消費者に愛される高品質ないちごを安定的に供給しています。ここでは、主要な産地別に、いちごの生産量、主力品種、そしてその産地ならではの特徴を詳しくご紹介します。
1位 栃木県:いちご王国を支える豊富な品種と先進技術
栃木県は、名実ともに日本一のいちご生産量を誇る「いちご王国」です。主力品種として全国的に知られているのは「とちおとめ」で、甘さと酸味のバランスが絶妙で、ジューシーな果肉が特徴です。長年にわたり多くの人々に愛されています。栃木県のいちご栽培の強みは、冬の日照時間が長いことに加え、ハウス内の温度、湿度、CO₂濃度などを高度な技術で管理し、一年を通して高品質ないちごを安定生産できる点にあります。また、首都圏に近いという地理的な利点も、収穫されたばかりの新鮮ないちごを迅速に消費者に届けられるという点で、いちごの主要産地としての地位を確立する上で重要な要素となっています。
近年、栃木県では既存品種の安定生産に加え、生産量増加を目指して新品種開発や栽培技術の改善にも力を注いでいます。その結果、安定した生産量を維持し、消費者に安心感を与える産地であり続けています。有名な「とちおとめ」に加え、比較的新しい品種である「とちあいか」や、いちご狩りや直売所で取り扱われることが多い、大粒で甘みが強いオリジナル品種「とちひめ」など、多様な品種が栽培されています。さらに、「なつおとめ」のように夏から秋にかけて収穫できる品種も積極的に栽培することで、一年を通して市場にいちごを供給し、消費者の多様なニーズに応えています。これからも、栃木県から美味しいいちごが日本全国、そして世界へと届けられることでしょう。
2位 福岡県:ブランド苺「あまおう」を育む産地の情熱
福岡県は、日本有数のいちご生産地として知られ、特に「あまおう」は福岡県を代表するブランド苺です。「あまおう」という名前は、「あかい、まるい、おおきい、うまい」の頭文字を取ったもので、その名の通り、見た目、形、大きさ、味、全てにおいて優れた特徴を持っています。福岡県でのみ栽培されている希少な「あまおう」は、大粒で鮮やかな赤色、そして口いっぱいに広がるジューシーな果汁と濃厚な甘みが特徴で、贈答品としても大変喜ばれています。
福岡県で生産されるいちごの約7割を占める「あまおう」は、その芳醇な香りと味わいで全国の消費者から愛され、多くのいちご狩り農園でも楽しまれています。温暖な気候と肥沃な土壌という恵まれた自然環境が、「あまおう」の美味しさを最大限に引き出し、安定的な生産を支えています。県内有数の産地では、豊かな水資源と生産者の高度な栽培技術により、高品質な「あまおう」が生産されています。
3位 熊本県:多彩な品種と先進技術が光るいちご王国
熊本県は、全国的に注目を集めるいちごの産地としての地位を確立しています。「ひのしずく」「さがほのか」「紅ほっぺ」など様々な品種が栽培される中、特に熊本県オリジナル品種である「ゆうべに」は、そのブランド苺としての人気を高めています。「ゆうべに」は、熊本の「熊」と紅色の「紅」を組み合わせて名付けられた、芳醇な香りと鮮やかな紅色が特徴の品種です。甘みと酸味の絶妙なバランスが取れており、多くの人々から支持されています。
熊本県では、いちごの生産量が着実に増加しており、県全体の生産量は右肩上がりで推移しています。この成長の背景には、いちご栽培における最先端技術の積極的な導入と、生産者の育成や情報共有への注力があります。これらの取り組みが、いちごの品質向上と安定生産に大きく貢献しています。さらに、熊本県では定期的に独自の品評会を開催し、生産者の品質向上意識を高め、より美味しいいちごを消費者に届けるための努力を続けています。多様な品種と産地の取り組みを知ることで、消費者は味や見た目の違いを楽しむことができ、いちごの魅力をより深く味わうことができるでしょう。
4位 愛知県:都市近郊の利点を活かした新興いちご産地
愛知県は、近年いちごの生産量を急速に伸ばしている注目の産地です。その成長の大きな要因として、都市近郊という地理的な優位性を活かし、新鮮ないちごを市場へ安定的に供給できる点が挙げられます。特に名古屋周辺では、人気の高い「紅ほっぺ」や、県オリジナル品種の「あいべりー」などが導入され、それぞれの特性を活かした独自の栽培方法が積極的に取り入れられています。これにより、消費者は多様な品種の中から好みのいちごを選ぶことができるようになり、愛知県産いちごへの関心が高まっています。
いちごの栽培面積も増加傾向にあり、その背景には愛知県が地元農家の技術力向上に継続的に取り組んできたことがあります。具体的には、栽培技術に関する講習会の開催や、先進的な栽培施設の導入支援、さらには消費者のニーズに合わせた新品種開発や、環境に配慮した栽培方法の導入などが挙げられます。これらの取り組みは、愛知県がいちご産業の将来を見据え、品質と供給量の両面で持続可能な発展を目指していることを示しており、今後も愛知県がいちごの主要産地として存在感を増していくことが期待されます。
5位 長崎県:多様な品種とブランド戦略で人気を集めるいちご産地
長崎県は、国内でもトップクラスのいちご生産量を誇る重要な産地の一つです。長崎県を代表する品種として知られる「さちのか」は、大粒で強い甘みが特徴であり、その美しい見た目も相まって、市場で高い評価を得ています。長崎県産のいちごは、単一の品種に留まらず、多様な品種が栽培されているため、消費者は様々な味わいや食感を楽しむことができます。
長崎県では、いちご産業の更なる発展を目指し、オリジナル品種の開発やブランド化を積極的に推進しています。これらの取り組みは、地域の特性を活かした個性的な商品を生み出し、その魅力を全国に発信することに貢献しています。その結果、長崎県におけるいちごの生産量も増加傾向にあり、県全体の農業経済に貢献しています。オリジナル品種の開発やブランド化の推進は、生産者の意欲向上にも繋がり、高品質ないちごを持続的に供給する体制を強化しています。長崎県のいちごは、そのバラエティ豊かな品種構成と品質の高さから、今後も多くの消費者から支持されることでしょう。
まとめ:各地の選りすぐりのいちごを味わい尽くそう!
日本各地には、それぞれ個性豊かな特徴を持つ、多種多様ないちごの品種が存在します。栃木県の「とちおとめ」や福岡県の「あまおう」といった全国的に知られた品種はもちろんのこと、それぞれの地域には、その土地の気候風土や生産者の愛情が育んだ、地域色豊かな独自の品種が数多く存在します。それぞれの土地で丁寧に育てられたいちごを味わうことは、単に美味しいフルーツを楽しむだけでなく、その土地の自然や人々の想い、そして長年にわたる栽培の歴史に触れる貴重な機会となるでしょう。
日本のいちご産業が世界的に注目を集め、高い評価を受けている背景には、生産者の方々の絶え間ない努力と創造的な工夫があります。最新の栽培技術を積極的に導入する一方で、先人たちから受け継がれてきた伝統的な栽培方法も大切に守り続けているのです。このような技術の進歩と伝統の継承が組み合わさることで、日本のいちごは他に類を見ない品質と美味しさを実現しています。
ぜひ、色々な産地・品種のいちごを実際に味わって、その鮮やかな赤い果肉が作り出す奥深い世界を心ゆくまで堪能してみてください。生産者の方々のこだわりと情熱が詰まった美味しいいちごを味わうことは、日本の誇る豊かな農業とその産地を応援することにも繋がります。この記事が、あなたのいちご選びの参考となり、新たな発見と喜びをもたらすことができれば幸いです!
いちごの生産量が日本で一番多い県はどこですか?
いちごの生産量が最も多い都道府県は栃木県です。年間およそ2万トンものいちごが生産され、全国トップの生産量を誇っています。栃木県は、日照時間が長く、ハウス内の温度、湿度、そしてCO₂濃度を最新技術によって管理する栽培システムによって、高品質ないちごを安定的に生産しています。さらに、日本全体のいちご栽培面積およそ900ヘクタールのうち、栃木県が約500ヘクタールを占めています。
日本のいちご全体の生産量はどのくらいですか?また栽培面積は?
日本のいちご全体の生産量は、年間でおよそ16万トンとされており、近年は増加傾向にあります。正確には161800t(2025年時点)です。このうち、上位6県だけで国内生産量の半分以上を占めています。また、日本全国のいちご栽培面積は約900ヘクタールに達します。
世界で一番いちごを作っている国はどこでしょう?
国際連合食糧農業機関(FAO)の最新統計によれば、世界最大のいちご生産国は中国です。中国のいちご生産量は、他国を大きく引き離しています。
福岡県が誇る「あまおう」といういちごの魅力とは?
福岡県で特に有名なブランドいちごといえば「あまおう」でしょう。「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字から命名され、福岡県でのみ栽培されています。その特徴は、大ぶりで鮮やかな赤色の果実、たっぷりの果汁、そして際立つ甘さ。贈り物としても大変喜ばれます。福岡県で収穫されるいちごの約7割があまおうです。
熊本県独自のいちご品種は存在しますか?
はい、熊本県には「ゆうべに」という、ここでしか手に入らないブランドいちごがあります。「ゆうべに」は、熊本県の「熊」と、果実の紅色から名付けられました。芳醇な香りと美しい見た目、甘さと酸味の絶妙なバランスが魅力です。
愛知県や長崎県では、どんな特徴を持ったいちごが育てられていますか?
愛知県では、近年いちごの生産量が目覚ましく増加しており、都市に近いという利点を生かした安定的な供給が強みです。「あいべりー」や「紅ほっぺ」といった新しい品種の導入も積極的に行われています。一方、長崎県は全国でもトップクラスのいちご生産量を誇り、「さちのか」は大粒で甘みが強く、見た目も美しい、代表的な品種として知られています。長崎県では、オリジナル品種の開発とブランド化も推進されており、バラエティ豊かな品種を楽しむことができます。
いちごは日本のすべての地域で育てられていますか?
はい、いちごは温度管理された施設栽培が可能なため、日本の北から南まで、全国各地で栽培されている果物です。例外なく、47都道府県すべてでいちごが生産されています。