イチゴ について

イチゴといえば、その鮮やかな赤色と甘酸っぱい風味で、多くの人々に愛されている果物です。しかし、その魅力は見た目や味だけではありません。イチゴには驚くべき栄養素や健康効果が秘められており、日常生活にうるおいと健康をもたらしてくれます。本記事ではイチゴの知られざる秘密を解き明かし、その魅力に迫ります。イチゴ好きのあなたも、まだあまり親しんでいないあなたも、きっと新しい発見があるでしょう。

バラ科に分類される

いちごは分類上、種子植物の一群に入り、被子植物の一部である双子葉植物に含まれます。さらに、バラ科の植物に分類され、その一員です。丈が低くて多年生で、長い葉柄の先に3枚1セットの葉を持ちます。露地で栽培すると、5~6月ごろに小さくて可憐な白い花をつけ、その花が落ちてから約1ヶ月後に果実が完熟します。

いちごは果物なのか野菜なのか?

果物といえば通常、木になる果実を思い浮かべるでしょう。しかし、いちご狩りを経験した人ならお分かりの通り、いちごは木に生るものではありません。実は草本性の植物が生み出す果実であり、分類上は野菜です。より厳密に言うと、果菜類に入ります。

世界トップ3に位置する生産量

日本のいちご年間生産量は約20万トンに達し、アメリカの約74.2万トンやスペインの約31.3万トンに次いで世界で第3位の規模です(1998年FAO統計調査)。その赤くて愛らしい見た目と甘酸っぱい味わい、そして豊富なビタミンCがあるいちごは人気が高く、日本人はいちごを特に好む国民として知られています。

どのようなタイプが存在するのか?

あまおう、とよのか、女峰、とちおとめ、紅ほっぺ、初恋の香り、さがほのか、もういっこ、ペチカ、やよいひめ、さちのか、とよひめ、アイベリー、ゆめのか、ひのしずく、アスカルビー、章姫、レッドパール、濃姫、越後姫、さつまおとめ、幸玉、ダナー、宝交早生、はるのか、麗紅、などがあります。

ツブツブの正体は果たして種なのか?

いちごの表面に見える小さい粒々は実はそれぞれが果実です。赤く見える部分は実ではなく、花托という部分で「偽果」と呼ばれます。この粒状の果実を「痩果」と言います。そして、いちごのように全体が一つの果実のように見えるものは「いちご状果」と呼ばれます。

起源は南アメリカ大陸

現在、日本で親しまれているいちごは、南米チリを原産とし、徐々に世界中に広まっていった果物です。今市場に出回っているいちごは、約400年前にオランダで、北アメリカ原産のF・バージニアと南アメリカ原産のF・チロエンシスの2種類の野生種から誕生したものです。

日本でいちごが初めて栽培された時期とは?

日本でいちごが最初に育てられたのは、1899年のことです。この取り組みを行ったのは、新宿御苑の責任者だった福羽逸人博士でした。博士は、フランスの「ジェネラル・シャンジー」という品種の種を手に入れ、数々の試練を乗り越えて改良を重ねました。その結果、誕生したのが「福羽」と名付けられた国産初のいちご品種で、世界でも高く評価されています。

その起源はいつからなのか?

日本でいちごが登場したのは江戸時代の終わり頃だとされていますが、赤い色が血を連想させるとして当時はあまり浸透しなかったようです。戦後になって、1960年代以降にビニールハウスの普及とともに栽培技術が発展し、生産量が増加したことで、いちごはようやく庶民にとって身近な果物になりました。

ストロベリーの名前の由来とは?

いちごの英語名「ストロベリー」は、「ストロー」が「わら」を意味することに起因しています。この名前の由来については、かつていちごを摘んだ後にわらを敷いた籠に入れて運んだことや、収穫時に果実が傷まないように地面にわらを敷いたことなど、いくつかの説があります。

単一収穫と四季収穫

冬から春にかけて育てられるいちごは「一季成りいちご」と呼ばれます。一方で、夏に収穫されるいちごは「四季成りいちご」や「エバーベアリング」として知られています。

新鮮ないちごと夏のいちご

一般的に、いちごのベストシーズンは冬から春にかけてで、12月から5月がその時期にあたります。これ以外の期間に店頭で見かけるいちごは、多くが海外からの輸入品です。ただし、最近では国内でも夏いちごの生産が注目されています。北海道、山形県、宮城県、福島県、茨城県、山梨県などが主要な生産地域として挙げられます。夏いちごの代表的な品種には、「ペチカ」と「雷峰(らいほう)」があります。

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