長野のリンゴの種類

長野県は日本有数のリンゴの産地であり、多くの種類のリンゴが育てられています。長野のリンゴは、その豊かな風味とシャキシャキとした食感で全国的に高い評価を受けています。本記事では、長野の美味しいリンゴの代表的な種類を紹介し、それぞれの特徴を活かした楽しみ方について探っていきます。リンゴ好きにとって心躍るこの情報を参考に、季節ごとの味覚を堪能してみてください。

9月の季節の品種

・すわっこは長野県諏訪市で生まれた特徴的な品種で、毎年9月中旬から収穫が始まります。このりんごは、その親品種「世界一」の特性を引き継いで大ぶりに成長します。酸味がほとんどなく、強い甘味が際立っており、鮮やかな赤色を持つのが特徴です。果肉はやや硬めでありながら、蜜が入りやすいという珍しい性質を持っています(ただし、天候次第では蜜が少ない年もあります)。現在、栽培者がまだ少ないため、個性が際立つ希少なリンゴとなっています。

・シナノドルチェは、ゴールデンデリシャスと千秋を交配したことにより生まれた品種です。このリンゴは、「サンつがる」の収穫後、9月下旬から取り入れが始まります。イタリア語で「甘いもの」を意味する「ドルチェ」の名の通り、甘味と酸味のバランスが良く、味わいが豊かです。果肉はしっかりとしてシャキシャキとした触感があり、果汁も豊富でとてもジューシーです。形状は縦長でスマートさが際立ち、色合いも美しい赤色をしています。

10月に楽しむ品種

・紅玉は、強い酸味が特徴で、アップルパイやジャムに最適な真っ赤なりんごです。果肉はしっかりしており、小玉が比較的一般的です。古くから知られつつも、最近はその価値が再発見され、人気が高まっています。保存は冷蔵庫で行うのがおすすめで、常温では短期間で柔らかくなります。

・シナノスイートは、ふじとつがるを掛け合わせた甘い品種で、長野県で栽培されています。新しい品種ながら人気が急上昇中で、ジューシーで甘く、歯ごたえの良さが評判です。標高の高い産地では糖度が高く、着色も優れたりんごが収穫され、評価が高まっています。

・おいらせは、青森で誕生した新しいりんごで、スターキングデリシャスとつがるを交配した甘い品種です。大玉で赤の濃い色合いが特徴で、果肉は香りが良く、多汁です。蜜が入ることが多く、奥入瀬渓谷にちなんだ名前を持つ希少な品種です。

・シナノゴールドは、甘酸っぱい味わいと黄金色の果肉が特徴のりんごで、ゴールデンデリシャスと千秋の交配によって生まれました。長野県内で栽培されるこの品種は、りんご三兄弟の一つとしても知られています。強い酸味と甘味が組み合わさった味わいで、パリッとした食感を楽しむことができます。また、優れた保存性を誇ります。

11月におすすめの品種

・ぐんま名月は、甘いりんごが好みの方に大人気の品種です。これはあかぎとふじを交配して群馬県で育成されたもので、「名月」や「群馬名月」とも呼ばれています。甘味が強く、濃厚な味わい、果汁豊富で香りも爽やかです。黄色い果皮に蜜が多く入ることが特徴で、果肉は少し柔らかめでスイーツのような楽しみがあります。珍しい品種で生産量が限られていますが、この味を知るとリピートする方が多く、お歳暮にはサンふじを選ぶことが一般的ですが、ぐんま名月をおすすめします。甘いりんごが好きな方には一番にすすめたい逸品です。

・シナノホッペは長野県生まれの新しいりんごです。11月上旬から収穫され、「あかね」と「ふじ」の交配種で、甘味と酸味のバランスが絶妙です。見た目も明るい濃赤色で美しく、果肉は硬めで香りが素晴らしい品種です。蜜が入りやすく、中心部から果肉全体に広がることもありますが、これは天候に左右されることもあります。栽培がまだ少ないため、希少な品種のひとつです。

・はるかは、「ゴールデンデリシャス」と「スターキング」を交配し、岩手大学で育成されたりんごです。際立った甘さと豊かな香りが特徴で、シャキシャキとした食感が楽しめます。酸味がほとんどなく、甘いりんごを好む方にとてもおすすめです。果肉は引き締まっており、シナノゴールドのような歯ごたえがあります。味を重視して無袋で栽培されたものは、陽光によりやや赤く色づくことがあります。サイズ的には小玉~中玉になることが多く、新しい品種で栽培難易度が高いため、一定の基準を満たしたものは高価に取引されています。

12月におすすめの品種

・サンふじは12月初旬から楽しめる、甘酸っぱさが特徴のりんごです。国光とデリシャスを掛け合わせた品種で、その美味しさから「りんごの王様」と称されています。「ふじ」という品種名ながら、袋をかけずに太陽を浴びせて育てたものは特にサンふじと呼ばれます。たっぷりの甘味、心地よいシャキシャキ感、そしてほどよい酸味のバランスが絶妙です。11月中旬ごろ、霜が降り始めると蜜が増えてきますが、これは天候によって異なる年もあります。金色の蜜が入ったサンふじは見た目にも美しく、非常に保存性が高く人気のある一品です。

まとめ

りんごをお取り寄せしたり、お歳暮として贈ったりする際には、ふじ(サンふじ)がまず思い浮かぶ方が多いことでしょう。ふじ(サンふじ)は長い間、りんごの優れた品種として君臨してきましたが、近年ではさまざまな育種機関や個人による努力で、多くの素晴らしい品種が誕生しています。ふじ(サンふじ)だけが特別美味しいわけではなく、他にも魅力的な選択肢があります。それぞれの品種はまるで異なる果物かのように、甘味や酸味、硬さ、テクスチャー、香り、果汁の多さ、見た目、収穫タイミング、保存性、生産量、栽培しやすさなど、さまざまな特性を持っています。りんごは、まさに魅力溢れる果実なのです。

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