ショートブレッドとは

ほろほろと崩れる食感と、バターの風味豊かな味わいが魅力の「ショートブレッド」。見た目はシンプルでも、一口食べればその上質さに驚かされる焼き菓子です。イギリス・スコットランド発祥のこのお菓子は、紅茶との相性も抜群。今回は、ショートブレッドの名前の由来や特徴、クッキーとの違い、そして代表的なブランドについて詳しく紹介します。
《名前の不思議》ショートの意味は「サクホロ食感」
「ショートブレッド」という名前にはちょっとした言葉のトリックがあります。「ショート」は「短い」ではなく、英語で「もろい」「崩れやすい」という意味合いで使われており、実際にショートブレッドはサクサク&ホロホロの食感が特徴です。「ブレッド」は本来「パン」を意味しますが、この場合はパンではなく“焼き菓子”を指しています。
つまり、ショートブレッドとは「崩れやすいバターたっぷりの焼き菓子」という意味。バターの風味を存分に感じられ、噛むたびに優しくほどけていく味わいが、世界中の人々に愛されています。
《作り方・材料》ショートブレッドとクッキーとの違いは?
ショートブレッドとクッキーは一見似ていますが、材料と作り方に違いがあります。ショートブレッドは「小麦粉・バター・砂糖・塩」のシンプルな組み合わせで、卵を使用しません。一方クッキーは、卵や牛乳が加わり、よりしっとりとした食感になります。
作り方にも違いがあります。クッキーは、バターをクリーム状に練った後、砂糖・卵・小麦粉の順に混ぜるのが一般的。一方ショートブレッドは、小麦粉に冷たいバターを加えてすり混ぜ、砂糖を最後に加えることで、ほろほろとした独特の食感が生まれます。
さらに、イギリスの伝統的なショートブレッドの配合比は「小麦粉:バター:砂糖=3:2:1」。バターの割合が高いため、豊かな風味とサクホロの食感が際立ちます。
《紅茶の相棒》軽めのティータイムにはショートブレッド!
ゆったりとした午後のひとときに、紅茶と一緒に楽しみたいのがショートブレッド。バターの風味豊かでホロホロと崩れる口当たりが、紅茶の繊細な香りと絶妙にマッチします。甘さも控えめなので、渋みのあるアッサムや香り高いダージリンとも相性抜群です。
特に軽めのティータイムには、ケーキやクリーム系のスイーツよりも、素朴で食べやすいショートブレッドがぴったり。少量でも満足感があり、おしゃべりを楽しみながら少しずつつまめるのも魅力のひとつです。
焼きたてのショートブレッドに紅茶を注いで、ほっと一息。そんな時間が、日常を少しだけ特別なものにしてくれますよ。

まとめ
ショートブレッドは、その素朴な見た目とは裏腹に、素材の良さと作り方の工夫が光る奥深い焼き菓子です。バターの香りとサクホロ食感は、一口食べれば誰もが虜になる魅力を秘めています。伝統を大切にしながらも、家庭でも気軽に作れるのがショートブレッドの良さ。紅茶のお供や贈り物にもぴったりのこの焼き菓子を、ぜひ生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。