日本の食卓でおなじみの「シソ」。そのさわやかな香りと独特の風味は、昔から多くの人に愛されてきました。しかし、よくスーパーで見かける「大葉」とシソがどう違うのか、はっきり説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。この記事では、シソの基本的な情報から、混同しやすい大葉との違い、さまざまな種類、豊富な栄養と健康維持への貢献、おいしい旬の時期、毎日の料理が楽しくなる食べ方とレシピ、そして鮮度を保つ保存方法まで、シソの魅力を詳しく解説します。この記事を読めば、シソの魅力を再発見し、毎日の食生活や家庭菜園でシソをもっと活用するためのヒントが見つかるはずです。
シソの基本情報:日本人に愛される「シソ」のすべて
シソは、シソ科シソ属の一年草で、その清涼感あふれる香りと独特の風味が特徴です。古くから日本の食文化に深く根付いてきました。見た目は、細い四角い茎と、幅広の卵のような形をした葉が特徴です。葉の縁にはギザギザとした切れ込みがあります。この特徴的な葉の形は、料理の彩りだけでなく、薬味としても重宝されてきました。
シソの名前の由来には、興味深い中国の物語があります。昔、食中毒で苦しんでいた少年が、「紫色の葉」を与えられたところ、みるみるうちに元気になったそうです。そのことから、「紫色の葉で蘇る」という意味を込めて「紫蘇」と名付けられたと言われています。この話は、シソが単なる食材としてだけでなく、昔から薬効のある植物として認識されていたことを示しています。
日本におけるシソの歴史は古く、縄文時代の遺跡からシソの種が見つかっています。これは、日本に住む人々が、遠い昔からシソを利用していた証拠です。日本への伝来は平安時代よりも前と考えられており、その頃からシソは食用や薬用として、日本人の生活に深く関わってきました。このように、シソはただの食材ではなく、長い歴史と文化的な背景を持つ植物として、今日まで大切に受け継がれてきたのです。
シソと大葉、何が違う?
「シソと大葉は同じものなの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。結論から言うと、「シソ=大葉」ではありません。大葉はシソの一種というのが正しい理解です。シソは、シソ科シソ属の植物全体の名前であり、「青ジソ」「赤ジソ」「ちりめんジソ」など、さまざまな種類があります。葉だけでなく、実や芽などの部位も含まれます。
一方、「大葉」は、主に「青ジソ」の葉の部分を指す商標、または流通上の名前として使われています。刺身のつまや薬味として売られている、鮮やかな緑色の葉が「大葉」です。青ジソの葉は、香りが良く生で食べるのに適しており、その存在感から「大葉」と呼ばれるようになりました。葉の両面が赤紫色の「赤ジソ」の葉は、一般的に「大葉」とは呼ばれません。
つまり、シソには青ジソや赤ジソなどの種類があり、その中でも青ジソの葉の部分を、他の部位(芽ジソ、花穂ジソ、実ジソなど)と区別するために「大葉」という商品名で販売されるようになった、というのが真相です。色や用途が異なるシソの各部位や種類をまとめて「シソ」と呼び、特に青ジソの葉に限定して「大葉」と呼ぶ、と考えると分かりやすいでしょう。
シソの種類と特徴
シソには「青ジソ」と「赤ジソ」の2種類がよく知られていますが、それ以外にもいくつかの種類があり、それぞれ色や特徴、用途が異なります。これらの種類を知ることで、シソの使い方がさらに広がるでしょう。
青ジソ
青ジソは、その名の通り、鮮やかな緑色の葉が特徴的なシソ科の植物です。日本の食卓ではおなじみで、刺身の添え物や、冷奴、素麺などの薬味として、また天ぷらなど、様々な料理で生でも加熱しても美味しくいただけます。清涼感あふれる香りは食欲を刺激し、料理の風味を豊かにしてくれます。一般的にスーパーで「大葉」として売られているのは、この青ジソの葉のことです。栽培技術の進歩により、一年を通して手に入れることができます。
赤ジソ
赤ジソは、葉の表裏両面が鮮やかな赤紫色をしているのが大きな特徴です。青ジソのように生のまま食べることはあまり一般的ではありませんが、着色料や風味付けとして重宝されています。特に梅干しを漬ける際に、鮮やかな赤色を引き出す効果や、紅しょうがの風味と色合いを添えるには欠かせない存在です。その他、しそジュースやふりかけの材料としても使われ、独特の香りと色味が活かされています。乾燥させて生薬としても利用されるなど、健康効果も期待できるシソです。
片面ジソ
片面ジソは、葉の表面は緑色で、裏面が紫色という、独特のバイカラーが特徴的なシソです。青ジソと赤ジソの中間の性質を持ち合わせており、その美しい色のコントラストは料理の見栄えを一層引き立てます。生のままサラダに入れたり、和え物に加えたり、料理の飾りとして利用されることもありますが、市場に出回る量は比較的少ない珍しい品種です。
ちりめんジソ
ちりめんジソは、葉の縁が深く切れ込んでおり、葉全体が縮れたように見える独特な形状をしています。このちりめん状の葉が、通常のシソよりも豊かな香りと風味を生み出すと言われています。緑色の葉を持つ青ジソタイプのちりめんジソと、赤紫色の葉を持つ赤ジソタイプのちりめんジソがあり、それぞれが異なる風味を楽しむことができます。料理の風味付けや、加工食品の材料として利用されています。
シソの旬と栄養価:健やかな食生活を支える力
シソは、その独特な香りと味が魅力的なだけでなく、豊富な栄養を含み、私たちの健康的な食生活をサポートする食材として、ますます注目を集めています。特に旬の時期に収穫されたシソは、栄養価が一段と高く、その効能を最大限に享受できると言われています。
シソの旬の時期と特徴
シソは一年を通して栽培されていますが、特に美味しく、栄養価が高い旬の時期が存在します。シソ全体の旬は、おおむね6月から10月にかけてですが、青ジソと赤ジソでは旬のピークが少し異なります。
赤ジソの旬は、梅干しを漬ける時期と重なる6月から7月頃です。この時期の赤ジソは、葉の色が最も鮮やかな赤紫色になり、香りも強いため、梅干しや紅ショウガの着色や風味付けに最適です。この短い期間にしか手に入らないため、赤ジソを使った季節の保存食作りは、夏の風物詩となっています。
一方、青ジソの旬は7月から10月頃です。夏から秋にかけての青ジソは、葉が肉厚で柔らかく、香りが最も豊かになります。一年中手に入る青ジソですが、旬の時期に収穫されたものは特に風味と栄養価が高く、薬味としてだけでなく、さまざまな料理の主役としても、その美味しさを堪能できます。
シソに含まれる主要な栄養素とその効能
シソは、小さな葉の中に、私たちの体に必要な様々な栄養素を豊富に含んでいます。これらの栄養素が相互に作用することで、シソは私たちの健康維持に大きく貢献すると考えられています。以下に、シソに含まれる主要な栄養素とその効能について詳しく解説します。
β-カロテン
シソには、緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンが非常に豊富に含まれています。β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるプロビタミンAの一種で、視覚機能の維持や、皮膚や粘膜の健康を保つために重要な役割を果たします。また、強力な抗酸化作用を持つことでも知られており、体内の活性酸素を除去し、細胞の老化を防ぐとともに、免疫力の向上に寄与すると言われています。健康維持に役立つ栄養素です。
ビタミンB群
シソには、エネルギー代謝をサポートするビタミンB群が豊富に含まれています。中でも、糖質、脂質、タンパク質の代謝に不可欠なビタミンB1、B2、B6などが含まれており、疲労回復や神経系の正常な機能維持に重要な役割を果たします。これらのビタミンは水溶性のため、体内に長くとどまることが難しく、毎日の食事で積極的に摂取することが望ましいとされています。
ビタミンC
美容と健康に欠かせないビタミンCも、シソに含まれる重要な栄養素です。ビタミンCはコラーゲンの生成を促し、肌のハリや弾力を保つ効果が期待できます。また、優れた抗酸化作用によって、紫外線などによる肌へのダメージを軽減し、シミやそばかすの予防にも貢献します。さらに、免疫細胞を活性化させ、風邪などの感染症に対する抵抗力を高める効果も期待されています。
カルシウム
丈夫な骨や歯を維持するために不可欠なミネラルであるカルシウムも、シソには比較的多く含まれています。カルシウムは、骨密度の維持だけでなく、神経伝達、筋肉の収縮、血液凝固など、身体の様々な生理機能に関与しています。特に、乳製品の摂取が少ない方や、骨粗しょう症のリスクが気になる方にとって、シソは日々の食事で手軽にカルシウムを補給できる優れた食品と言えるでしょう。
これらの栄養素に加え、シソにはカリウム、鉄分、食物繊維なども含まれており、栄養バランスに優れた健康的な野菜として評価できます。毎日の食生活にシソを取り入れることで、これらの栄養素を効率的に摂取し、体の内側から健康をサポートすることに繋がるでしょう。
シソの殺菌作用と薬効
シソは、独特の風味を持つ食材としてだけでなく、昔から薬用効果が認められ、漢方薬としても用いられてきました。特に、シソ特有の香り成分には、健康維持に役立つ多様な効果が期待されています。
ペリルアルデヒドの持つ抗菌力
シソならではの清涼感あふれる香りは、主成分である「ペリルアルデヒド」という揮発性の化合物によるものです。研究の結果、このペリルアルデヒドには、優れた抗菌作用と腐敗を抑える効果があることが確認されています。お刺身やお造りなどにシソの葉が添えられているのは、見た目の美しさや風味を添えるだけでなく、食中毒のリスクを抑える助けとなる抗菌作用が期待されているためです。生ものの傷みを抑える先人の知恵としても活用されてきました。特に気温が高く、食べ物が傷みやすい時期には、シソの抗菌作用が食品の安全性を向上させる上で役立ちます。
生薬としての利用と期待される効果
伝統医学においては、主に赤ジソを乾燥させ、加工したものが「紫蘇葉(しそよう)」や「紫蘇子(しそし、シソの種)」という生薬として使用されてきました。赤ジソが薬として大切にされてきた背景には、以下のような多様な効果が期待されていたことがあります。
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発汗を促し、熱を下げる作用: 風邪の初期症状や寒気を感じる際に、体の表面を温めて発汗を促し、体温を下げる働きがあると考えられています。
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消化器系の機能を高める作用: 消化不良、胃もたれ、食欲減退など、胃腸の不調を改善し、消化機能をサポートする効果が期待されています。シソ特有の香りの成分が、胃液の分泌を促進し、消化を助けるとも言われています。
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魚介類による食あたり予防と解毒作用: 上述した抗菌作用に加え、魚介類を摂取した際に起こりうる食中毒のリスクを低減する効果も期待されています。
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精神安定と鎮咳作用: 心の緊張を和らげたり、咳を鎮める効果もあるとされ、リラックス効果や呼吸器系のトラブルにも用いられることがあります。
伝統医学においては、上記のような効果が期待され、様々な漢方薬の材料として用いられてきました。
これらの作用に着目し、シソは風邪薬、整腸薬、解毒薬など、様々な漢方薬の材料として用いられてきました。現在でも、その科学的な根拠を明らかにするための研究が進められており、健康食品やサプリメントへの応用も視野に入れられています。シソは、人々の健康を支える頼もしい味方となる可能性を秘めた植物と言えるでしょう。
シソを食生活に取り入れる:食卓を豊かにする多彩なレシピ
シソは、その爽やかな香りと鮮やかな色彩で、日本の食文化において様々な料理の名脇役として親しまれています。葉はもちろんのこと、芽や花、実といった部位ごとに異なる特徴があり、多種多様な調理法でその風味を堪能することができます。ここでは、シソの幅広い活用方法と、ご家庭で手軽に作れるおすすめのレシピをご紹介します。
シソの葉、芽、花、実を味わう!多彩な楽しみ方
シソは、生育段階や部位によって異なる呼び名を持ち、それぞれに最適な食べ方があります。シソを余すことなく味わうことで、日々の食事がより豊かなものになるでしょう。
最も一般的なのは、成熟した葉である「葉ジソ」で、青ジソと赤ジソの両方が食用とされます。青ジソの葉は、生でお刺身の添え物、冷奴や素麺の薬味、サラダ、和え物、肉巻き、天ぷらなど、幅広い料理に用いられます。その独特な香りが食欲をそそり、料理に奥深さを与えます。一方、赤ジソの葉は、梅干しや紅生姜の色付け、しそジュース、ふりかけの材料として使われるのが一般的です。乾燥させて粉末状にしたものは、「ゆかり」などのふりかけとして広く親しまれています。
「芽ジソ」は、シソが発芽して間もない若芽を指します。春に収穫されることが多く、繊細な香りと柔らかな食感が特徴です。お刺身のつまとして添えられたり、お吸い物やおひたしに散らしたりして、料理に上品な香りと彩りを添えます。特に日本料理店などでは、その見た目の美しさと香りが珍重されています。
「花穂(はなほ)ジソ」は、シソの花が咲く直前の蕾の状態の穂を指します。秋に収穫されることが多く、小さな花のつぼみが密集しており、プチプチとした食感が楽しめます。これも、お刺身の添え物や天ぷらにしたり、醤油漬けにしてご飯のお供にしたりします。見た目にも美しく、料理のアクセントとして重宝されます。
「実ジソ」は、花穂が成熟し、小さな種子ができた状態のものです。秋に収穫され、プチプチとした食感と独特の香りが特徴です。醤油漬けや塩漬けにしてご飯のお供にしたり、和え物や佃煮の風味付けに使われたりします。また、シソの種子から抽出される「しそ油」は、健康に良いオイルとしても注目されています。
このように、シソは葉だけでなく、芽、花、実といったすべての部位を食用として活用することができ、それぞれが異なる食感や風味、彩りを料理に添えてくれます。食卓にシソを上手に取り入れることで、料理のバリエーションが広がり、四季折々の味覚をより深く楽しむことができるでしょう。
【厳選レシピ5選】シソを贅沢に使った絶品料理
独特の香りが魅力的なシソは、生のまま薬味として、または加熱して風味豊かな食材として、幅広い料理に活用できます。ここでは、シソの個性を最大限に引き出した、おすすめのレシピを5つご紹介します。普段の食卓をワンランクアップさせる、シソの魅力を再発見してください。
シソ風味のごま醤油漬け
温かいご飯のお供に、またちょっとした箸休めにも最適な、手軽に作れる一品です。作り置きしておけば、冷奴の薬味としても重宝します。
材料: シソ10枚、ごま油大さじ2、醤油大さじ1、白いりごま小さじ2、おろしニンニク小さじ1
作り方:
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ボウルに、ごま油、醤油、白いりごま、おろしニンニクを入れ、しっかりと混ぜ合わせ、漬けダレを作ります。
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清潔な保存容器にシソを一枚ずつ丁寧に敷き、その上に少量ずつ漬けダレを塗ります。
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この作業を繰り返し、シソを重ねながら、漬けダレが全体に行き渡るようにします。全てのシソを重ね終えたら、残った漬けダレを上からかけます。
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容器にラップを密着させてかけ、冷蔵庫で1時間以上冷やして味を染み込ませれば完成です。時間を置くほど風味が豊かになります。
手作りシソドレッシング
フレッシュなシソの香りが食欲をそそる、自家製ドレッシングです。サラダにはもちろん、白身魚や鶏肉料理とも相性抜群です。
材料: シソ(大葉)10枚、醤油大さじ3、米酢大さじ3、砂糖小さじ2、水大さじ2、サラダ油大さじ2(またはごま油)、お好みでおろしニンニク少々
作り方:
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シソは丁寧に水洗いし、キッチンペーパーなどで水気をしっかりと拭き取ります。
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全ての材料をミキサー、またはフードプロセッサーに入れ、滑らかになるまで撹拌します。
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清潔な密閉容器に移し、冷蔵庫で冷やして味を馴染ませれば完成です。
シソの香りが際立つ!鶏肉とシソの簡単炒め
鶏肉とシソの絶妙なハーモニーが楽しめる、食欲をそそる一品です。ご飯のおかずとしてはもちろん、お酒のおつまみにも最適です。
材料: 鶏もも肉200g、塩少々、ごま油大さじ1、炒め用シソ10枚、盛り付け用シソ3枚、塩こしょう少々
作り方:
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シソは細かく刻み、炒め用と盛り付け用に分けておきます。
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鶏もも肉は一口大にカットし、軽く塩を振っておきます。
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フライパンにごま油をひき、鶏肉を入れ、中火で両面に焼き色がつくまで炒めます。
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鶏肉に火が通ったら、炒め用のシソを加え、さっと炒め合わせます。シソの香りが立ってきたら、塩こしょうで味を調えます。
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お皿に盛り付け、仕上げに盛り付け用のシソを散らして完成です。
シソと鮭の混ぜご飯
香ばしい焼き鮭の風味と、爽やかなシソの香りが絶妙に調和した、見た目も華やかな混ぜご飯です。簡単に作れるため、普段の食卓はもちろん、ちょっとしたおもてなしにもぴったりです。
材料: 温かいご飯300g、焼き鮭70g、シソ5枚、出汁醤油大さじ2、本みりん大さじ2、白いりごま適量
作り方:
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焼き鮭は丁寧に骨と皮を取り除き、身を細かくほぐします。シソは細かく刻んでおきます。
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ボウルにほぐした鮭、出汁醤油、本みりんを入れ、ふんわりとラップをかけ、電子レンジ600Wで約4分加熱します。
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別のボウルに温かいご飯、加熱した鮭、刻んだシソ、白いりごまを加え、しゃもじで切るように優しく混ぜ合わせます。
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全体が均一に混ざったら、器に盛り付けて完成です。お好みで、さらに刻んだシソを添えても美味しくいただけます。
ちくわでボリュームアップ!シソとチーズの豚肉巻き
ちくわとチーズを一緒に巻くことで、ボリューム満点ながらもヘルシーに楽しめる豚肉巻きです。シソの清涼感が豚肉のコクを引き立て、食欲をそそります。
材料: 薄切り豚ロース200g、ちくわ5本、スライスチーズ5枚、シソ10枚、薄力粉10g、めんつゆ(2倍濃縮)大さじ3、本みりん大さじ2、おろしニンニク小さじ1、ごま油大さじ1
作り方:
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スライスチーズはそれぞれ縦に6等分にカットします。ちくわに縦方向へ切り込みを入れ、カットしたチーズを挟みます。
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豚ロース肉を少しずつ重ねて3枚並べ、その上にシソを2枚、チーズを挟んだちくわを乗せ、しっかりと巻き上げます。これを5本作ります。
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巻き終わった肉巻き全体に、茶こしを使って薄力粉を薄く丁寧にまぶします。
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フライパンにごま油をひき、中火で熱し、肉巻きの巻き終わりを下にして焼き始めます。全体にきれいな焼き色がつくまで焼き上げます。
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全体に焼き色がついたら、めんつゆ、本みりん、おろしニンニクを混ぜ合わせたタレを加え、肉巻き全体にしっかりと絡めます。タレが程よく煮詰まり、照りが出てきたら完成です。
シソの保存方法:長持ちさせるための秘訣
シソは繊細な葉物野菜であり、乾燥や低温に弱い性質を持っています。そのため、適切な方法で保存することが、鮮度を長く保つ上で非常に重要です。ここでは、シソの鮮度を可能な限り長く維持するための、冷蔵、冷凍、乾燥という3つの保存方法について詳しく解説します。それぞれの保存方法を用途や保存期間に応じて使い分けることで、シソを無駄なく活用できます。
冷蔵保存:2~3週間の鮮度を維持するコツ
シソを冷蔵保存する際に最も効果的な方法の一つが、「水差し保存」です。この方法を用いることで、シソの鮮度を2~3週間程度維持することが可能です。
方法:
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シソを丁寧に水洗いし、キッチンペーパーで優しく水分を拭き取ります。葉に水分が残っていると、腐敗の原因となる可能性があります。
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清潔な瓶やコップに、少量の水(シソの軸が浸る程度)を入れます。
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シソの軸を下にして、水に浸かるように瓶に立てます。この際、葉が水に触れないように注意してください。葉が水に浸かると傷みやすくなります。
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瓶の上から蓋をするか、ラップをかけて密閉し、冷蔵庫の野菜室で保存します。
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瓶の中の水は、3日に1回程度の頻度で交換し、常に清潔な状態を保ちます。
注意点: シソは低温障害を起こしやすい植物です。冷蔵庫内の冷気が直接当たる場所や、特に温度が低い場所での保存は避け、野菜室での保存が最適です。野菜室以外で保存する場合は、冷気が直接当たらない場所を選ぶように心がけましょう。
もし瓶がない場合は、キッチンペーパーでシソをふんわりと包み、軽く水で湿らせて保存する方法も効果的です。シソの葉は水分を失いやすく、乾燥するとすぐにしおれてしまうため、適切な湿度を保つことが大切です。ただし、湿度が高すぎると腐敗しやすくなるため、キッチンペーパーは軽く湿らせる程度にとどめ、葉全体が水浸しにならないように注意が必要です。複数枚のシソをまとめてキッチンペーパーで包み、保存袋や密閉容器に入れて野菜室で保管してください。
冷凍保存:約1〜2ヶ月の長期保存テクニック
シソを冷凍することで、約1〜2ヶ月間、比較的長い期間、美味しさをキープできます。フレッシュな食感は少し変わりますが、薬味や加熱調理に利用する分には問題ありません。
方法1: 細かく刻んで冷凍保存
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シソを丁寧に洗い、水分をしっかりと取り除きます。
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細かく刻むか、ざっくりと切ります。
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少量ずつ小分けにして、冷凍保存用の袋か容器に入れ、空気をできるだけ抜いて密封し、冷凍庫で保管します。
この方法なら、凍った状態のまま、すぐに調理に利用できてとても便利です。特に、薬味として少しずつ使いたい場合に最適です。
方法2: 葉をそのまま冷凍保存
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シソを丁寧に洗い、水分をしっかりと拭き取ります。
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ラップの上にシソの葉を一枚ずつ、重ならないように並べ、その上からさらにラップを重ねて包みます。この作業を数回繰り返します。
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ラップで包んだシソを、冷凍保存用の袋に入れ、空気を抜いてしっかりと密封し、冷凍庫で保存します。
丸ごと冷凍したシソは、凍った状態だと折れやすいため、使う直前に必要な分だけ取り出し、半解凍の状態で使うのがおすすめです。完全に解凍すると、生の時のシャキッとした食感はなくなりますが、風味は保たれます。
乾燥保存:約3ヶ月間使える便利な保存法
シソを乾燥させて保存すると、約3ヶ月間と、さらに長い期間保存できます。乾燥シソは、粉末状にしてふりかけや調味料として活用でき、いつでも独特の風味を楽しめます。
方法:
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シソを丁寧に洗い、水分をしっかり拭き取ります。
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耐熱皿にシソの葉が重ならないように広げます。
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電子レンジ(500W)で約2分間加熱します。葉がパリパリになるまで、様子を見ながら加熱時間を調整してください。(オーブンや天日干しでも乾燥可能です。)
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完全に乾燥したシソの葉を、手で細かく砕いて粉状にします。
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密閉できる容器に移し、湿気を避けて冷蔵庫で保存します。
乾燥シソは、ご飯に混ぜたり、お茶漬けに添えたり、サラダやパスタの風味付けにも活用できます。生のシソとは一味違う、香ばしい風味をぜひお試しください。
まとめ
シソは、古くから日本人に親しまれてきたシソ科の一年草で、その歴史は非常に深く、食文化だけでなく、健康をサポートする役割も担ってきました。「大葉」は、一般的に青シソの葉を指す名称として広く使われていますが、シソには青シソ、赤シソ、片面シソ、縮緬シソなど、さまざまな種類が存在します。旬は6月から10月頃で、この時期に収穫されるシソは特に香りが高く、β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、カルシウムなど、豊富な栄養素を含んでいます。特有の香り成分であるペリルアルデヒドは、抗菌作用があることで知られ、古くから漢方では発汗を促したり、胃腸の調子を整えたりする目的で用いられてきました。
シソは、葉だけでなく、芽、花、実など、その全てを食材として活用できます。刺身の添え物、薬味、天ぷら、和え物、ドレッシング、混ぜご飯、肉巻きなど、さまざまな料理に用いられます。冷蔵、冷凍、乾燥といった保存方法を上手に使い分けることで、シソの新鮮さを長く保ち、一年を通してその風味を堪能できます。シソは、単なる食材としてだけでなく、日本の食卓に彩りと健康をもたらす、奥深く魅力的な植物と言えるでしょう。
シソと大葉は同じものなのでしょうか?
厳密に言うと、完全に同じものではありません。シソは、シソ科シソ属の植物全体の総称であり、青シソ、赤シソ、縮緬シソといった多様な種類を含み、葉だけでなく実や芽なども指します。一方、「大葉」は、主に青シソの葉の部分を指す、市場における名称です。つまり、大葉はシソの一種である青シソの葉を指す言葉であり、赤シソの葉を大葉と呼ぶことは通常ありません。
シソの種類について教えてください。
シソとして一般的に知られているのは、主に「青シソ」と「赤シソ」の二種類です。青シソは鮮やかな緑色の葉を持ち、主に生のまま食用とされたり、薬味として利用されます。一方、赤シソは赤紫色の葉が特徴で、梅干しの着色や、紅生姜の風味付けに用いられることが多いです。その他、葉の表が緑色で裏が紫色の「両面シソ」や、葉に細かい縮みがある「縮緬シソ」(青シソと赤シソの両方のタイプがあります)といった種類も存在します。
シソにはどんな栄養が含まれていますか?
シソは非常に栄養価が高いことで知られています。特に、β-カロテンを豊富に含み、その他にもビタミンB群(B1、B2、B6)、ビタミンC、カルシウム、カリウム、鉄分、食物繊維など、様々な栄養素がバランスよく含まれています。これらの栄養素は、視機能の維持や、皮膚や粘膜の健康を保つ働き、抗酸化作用、疲労回復、免疫力向上、そして骨の健康維持などに役立つとされています。
シソを新鮮な状態で保存するには?
シソを長持ちさせるためには、使用目的や保存期間に応じて、冷蔵、冷凍、乾燥といった保存方法を使い分けるのがおすすめです。冷蔵保存の場合、少量の水を張った容器にシソの茎を浸し、冷蔵庫の野菜室で保管すると、2〜3週間程度鮮度を保つことができます。冷凍保存をする際は、シソを細かく刻んだり、丸ごとラップで包んでから冷凍用保存袋に入れることで、1〜2ヶ月程度保存が可能です。乾燥させる場合は、電子レンジで加熱して乾燥させ、粉末状にして密閉できる容器に入れれば、約3ヶ月程度保存することができます。
家庭菜園でシソを育てるのは難しいですか?
いいえ、シソは比較的簡単に家庭菜園で育てることができます。シソは生育が旺盛で、暑さにも強く、多少日当たりが悪い場所でも育ちます。苗から栽培を始めると、種から発芽させる手間を省けるため、より育てやすいでしょう。土の表面が乾いたらしっかりと水を与え、草丈が20cm程度に成長したら、月に1〜2回程度肥料を与えます。また、草丈が15〜30cmになったら摘心を行うことで、収穫量を増やし、より長く収穫を楽しむことができます。
シソは昔から薬草としても使われていたのでしょうか?
その通りです。シソは昔から、薬草としての側面も持ち合わせていました。特に、漢方の世界では、赤ジソを乾燥させたものを「紫蘇葉(そよう)」と呼び、重宝してきました。シソ特有の香り成分であるペリルアルデヒドは、優れた殺菌効果を持つため、食中毒を未然に防ぐ効果が期待されています。さらに漢方においては、発汗を促したり、熱を下げる効果、胃腸の調子を整える効果、魚介類による食あたりを予防・解毒する効果などが期待され、様々な処方薬に配合されてきました。













