毒な黄金色が目を引くキンカンは、憧れと酸味の絶妙なバランスが魅力の万能フルーツです。 そのうち中国から江戸時代に日本へ行き、古くからよくまれてきました。 実はミカン属ではなくキンカン属という独自の分類に属し、果肉はもちろん、皮を食べられるのが大きな特徴です。
キンカン(金柑)とは、どんな果物ですか?
キンカンは、ミカン科キンカン属に分類される果実で、そのルーツは中国にあります。日本には江戸時代に伝わり、昔から家庭薬としても用いられてきました。一般的に柑橘類として認識されていますが、正確には柑橘属ではなく、独自のキンカン属というグループに属します。
キンカンは、果肉はもちろんのこと、皮ごと食べられるのが大きな特徴です。そのため、ビタミンCをはじめとする栄養素を無駄なく摂取できます。皮には独特の甘さとほのかな苦味があり、果肉の酸味との調和が、独特の風味を眺めています。
キンカンの特徴
キンカンの実は、丸い形か卵のような形をしており、品種によっては枝にトゲもあります。 丈夫で育てやすい性質を持ち、見た目も美しいことから、日本各地で広く栽培されています。主に食用として栽培されているのは、ネイハイキンカンを改良した、実際が大きく食べやすい品種です。観賞用としては、実測が1cmほどの小さなマメキンカンという品種も存在します。
キンカン(金柑)の花言葉
キンカンの花言葉は、「思い出」と「感謝」です。
キンカン(金柑)の花が咲く季節
キンカンの花が咲くのは夏です。他のミカン科の果樹が5月頃に花を咲かせるのに対し、キンカンは7月から9月にかけて開花するのが特徴です。花は葉の付け根に咲き、一つの葉の付け根から2~3個の花が咲くことがあります。
キンカン(金柑)の収穫適期
キンカンの実が肥大し、明るい色合いをやめませんのは、およそ12月頃からです。 最初は葉と区別がつかないほどの緑色をしていますが、成熟するために明るい黄金色へと変化します。 果皮が黄金色に近い色になったら、収穫のタイミングです。
キンカン(金柑)の旬
キンカンの最盛期は、1月中旬から3月上旬にかけてです。 この時期は最も味が良く、市場にも豊富に足を運べるため、見事な色に熟したキンカンを収穫するのに最適です。 果皮につやがあり、しっかりと重量感のある果実が、特に美味しいとされています。 旬の時期はあっという間に去ってしまうので、ぜひこの機会を逃さずたっぷりにしてください。
キンカンの美味しい食べ方とは? おすすめレシピも!
コロンとした丸いフォルムが愛らしいキンカン。一口サイズで皮ごと食べられる手軽さが魅力ですが、自家製ジャムや甘露煮などにアレンジするのもおすすめです。
フレッシュなまま
一般的に柑橘類の皮は辛いというイメージがありますが、キンカンの皮は憧れが強く、苦味はごくわずかに感じる程度です。
キンカンは、基本的に生で食されるのは果皮の部分です。 キンカンを丁寧に洗い、皮だけを歯で剥ぐように食べます。
ジャム(マーマレード)として
キンカンは他の柑橘系と比較的と水分が少ないため、煮詰める際には少し書き加えて作りやすくなります。
甘露煮として
艶やかなキンカンの甘露煮は、上品な茶菓子として最適です。シロップをお湯で割れば、温かい飲み物としても楽しめます。
材質
キンカン 300g
砂糖 100g
水 200ml
蜂蜜 大さじ1
作り方
キンカンを丁寧に掃除し、水気を拭き取ります。ヘタを取り除き、縦方向に5~6本切り込みを入れます。
鍋にたっぷりの水とキンカンを入れ、火にかけます。その後、3~5分ほど茹でてアクを除きます。
キンカンをザルにあげ、水気を切ります。鍋に水、砂糖、キンカンを入れ、火に立ちます。
もしかしたら弱火にし、落し蓋をして約20分間煮ます。
火を止め、粗熱を取ってから蜂蜜を加え、混ぜ合わせれば完了です。
切り込みを入れて種を取り出すのが面倒な場合は、竹串などで表面を気にする場所に刺すだけでも構いません。 種は食べる際に取り除きましょう。
材質
完熟金柑 250g
上質な蜂蜜 適量
作り方
金柑を丁寧に洗浄し、水分を完全に拭きます。ヘタの部分をカットし、半分に切ります。
丁寧に種を取り込んでください。
清潔なガラス瓶に金柑を入れ、金柑全体が浸るように蜂蜜をゆっくりと注ぎます。
冷蔵庫でじっくりと一晩寝かせれば完了です。
そのままお召し上がりいただいたり、ヨーグルトや紅茶に加えて風味豊かな味わいをお楽しみください。
材質
新鮮な金柑 350g
グラニュー糖 180g
絞りたてレモン果汁 大さじ1.5
作り方
金柑を丁寧に洗い、水気を拭き取ったら、ヘタを取り除いてスライスします。
種を丁寧に取り除きます。
鍋に金柑、グラニュー糖、レモン果汁を入れ、混ぜ合わせて30分程度置きます。
中火で加熱し、もしかしたら弱火にして丁寧にアクを取り除きながら続けます。
水分が減り、ジャムのようなとろみが出てきたら火を止めます。
完全に冷めたら、煮消毒した清潔な密閉容器に移して保存します。トーストやスコーンを添えて沸騰してお召し上がりください。
キンカンの保存方法
キンカンをゆっくりさせるための保存方法をいくつか紹介します。 たくさん入れたキンカンを無駄なく楽しむために、ぜひ参考にしてください。
冷凍保存する場合は、これからご紹介する方法で加工するのがおすすめです。
生のまま保存
キンカンは、冷暗所であれば常温で約1週間保存できます。より長く保存したい場合は、乾燥を防ぐためにビニール袋などに入れて冷蔵庫の野菜室へ。2週間程度は保存可能です。
生ピューレて冷凍
ピューレとは、食材をミキサーなどで細かくすり潰し、じっくりな液状にしたものです。 キンカンをピューレにする際は、ヘタを取り除いて、半分に種を取り込んでからミキサーまですると、苦味が抑えられ、より美味しく仕上がります。
果汁が少ない場合は、少量の水を加えて調整してください。ピューレを食品保存用の袋に入れて平らに冷凍すれば、必要な分だけ切って使えることができます。真空保存袋を使用すれば、さらに鮮度を保てます。
ピューレにすることで、後の食感が気になりません。 砂糖などの調味料を加えていないため、キンカン本来の味を気軽に楽しめます。 ヨーグルトやドレッシング、ソース、ドリンクなど、様々なところで活用できます。
コンポートにして冷凍
コンポートは、果物を水や軽い砂糖水で煮たものです。 キンカンの形をそのまま守ったコンポートは見た目も可愛らしく、煮込んでいる時間も心癒されるひとときです。
冷凍保存する際は、真空保存袋に入れるか、ラップで隙間なく包んでください。コンポートは、マフィンやパウンドケーキ、タルトなどの焼き菓子に加えたり、ゼリーにしても美味しくいただけます。
また、喉が痛くなると、ハチミツと一緒に温かいお湯で割り、キンカンを潰しながら飲むのもおすすめです。
ジャムにして保存
キンカンは、ご紹介したレシピを活用して、定番のジャムにするのもおすすめです。他の柑橘系と比較して皮の苦味が少ないため、何度も茹でてこぼす手間を省けます。パンやスコーンに添えたり、炭酸水で割って楽しむなど、様々な使い方ができ、冷凍保存も可能です。
おいしいキンカンの選び方
新鮮なキンカンは、果皮にハリとツヤがあり、しわが少ないのは良いでしょう。また、ジューシーで水分を多く含んでいる物は、手に取った際にずっしりとした重みを感じられます。
日本で有名なキンカンの産地は?
キンカンは、主に宮崎県、鹿児島県、熊本県など、温暖な気候の地域で栽培されています。 中でも、主要な産地である宮崎県のブランドキンカン「たまたま」は、キンカンのエリートです。完熟した美味しいキンカンを収穫するために、毎年解禁日が設けられています。
ワイン同様のボジョレーヌーボーのようです。
さらに、「たまたま」の中でも、糖度18度、直径3.2センチ以上のものは「たまたまエクセレント」として出荷されます。 強い愛情と濃厚な味わい、そして美しい見た目を抑えた特別な完熟キンカンは、一度食べたら忘れられない味です。
キンカンのおすすめ品種は?
キンカンというと、丸くて小さい柑橘というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実は様々な品種が存在する果物です。
ぷちまる
金柑の種が苦手な方へおすすめしたいが、農林水産省の果樹試験場で開発された「ぷちまる」です。 果肉は比較的少ないですが、皮ごと美味しく食べられるのが魅力で、一般的な金柑よりも小ぶりなサイズです。
ネイハキンカン
「ネイハキンカン」は、果肉が淡いオレンジ色を見せており、直径約3cmと大きめなのが特徴です。 樹高は2m程度まで成長し、枝は細く、トゲがあります。 「明和キンカン」とも呼ばれ、金柑市場で広く流通している品種です。
ナガキンカン
「ナガキンカン」は、果実が縦に約3cmと細長い形をしていることから、「ナガミキンカン」とも呼ばれます。果皮は明るい黄金色で、知覚の中に程よい酸味とほのかな苦味が感じられるのが特徴です。このナガミキンカンをベースに、4倍体ニンポウキンカンを掛け合わせて生まれたのが、「ぷちまる」です。
マルキンカン
自然の「マルキンカン」は、日本に最も多く導入された金柑の一つです。 「マルミキンカン」とも呼ばれ、中国、一般的に広く栽培されている品種です。 重さは7g前後と小ぶりで、酸味が強いのが特徴です。 皮を甘露煮やドライフルーツ、ハチミツなどにして楽しむのがおすすめです。
キンカンは1日にどれくらい食べるのが正しいですか?
キンカンはビタミンCやビタミンEが豊富な健康食品ですが、食べ過ぎに注意が必要です。 生のキンカンは1日5個程度を目安に、食べ過ぎると舌や唇に痺れを感じることがあります。 これは皮に含まれるテレピンという成分が原因で、人体に有害ではありませんが、気になる場合は控えましょう。 テレピンは加熱調理で軽減でき、完熟したキンカンはテレピンが少ないため、痺れを気にせず食べられます。 なお、キンカンは糖分も多いため、甘く煮て食べる場合は1日2個程度に留めましょう。
キンカンは家庭菜園でも育てられる?
小さくて乙女キンカンは、まるで小さなミカンのようです。寒性があり、気温が0度程度まで下がっても注意することができ、比較的害虫の被害も少ないため、家庭菜園でも比較的容易に育てることができます。
ご家庭でも育てやすい
キンカンは成長しても、樹高は1~2メートル程度です。葉は肉厚で美しい深緑色をしており、冬の時期でも観葉植物として助かります。鉢植えでも庭植えでも育てることが可能です。
鉢植えの場合、水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。 庭植えの場合は、根が付いていたら週に一度程度の水やりで十分ですので、お手入れも簡単です。
太陽光が重要
今後ご家庭でキンカンを育てるなら、甘くて美味しい実を収穫したいですよね。 そのためには、日当たりの良い場所に植えて上げて大切です。 日当たりが良く、風通しの良い場所を選びましょう。
適した場所と土
キンカンは日光を好みます。鉢植えの場合は、市販の園芸用培養土や果樹用の培養土で問題なく育てることができます。
水やりの頻度
鉢植えの場合は、土の表面が乾いて白っぽくなったら、たっぷりと水を与えてください。 庭植えの場合は、根が付いてからは特に水やりの必要はありません。 なお、夏場など高温で乾燥した日が続く場合は、様子を見ながら水やりを行います。
肥料
生育を助けるために、春と秋に緩効性肥料を与えましょう。
病害虫と対処法
キンカンは比較的病害虫に強い植物です。特別な対策は基本的に不要です。
剪定
剪定は4月から5月にかけて行います。キンカンは、その年に成長した新しい枝に花を咲かせる性質があります。剪定の際は、新しい枝を切らないように注意し、日光が当たりにくい枝や密集している枝を中心に整理しましょう。
金柑(キンカン)の木の剪定時期
キンカンの木は、剪定のタイミングを間違えると実がつきにくくなることがあります。当年伸びた枝に花が咲く実際をつけるため、剪定が遅れて当年枝を切り忘れると、収穫が見納めになる可能性があります。
キンカンの木の剪定は、収穫後しばらく早く行うのが理想的です。 ただし、実が残っていると剪定しにくい場合もあります。
金柑はどこで手に入る?
自宅で金柑を栽培しても、すぐに収穫できるとは限りません。
すぐに食べたいけど、どこで売れるかわからないという方もいるでしょう。金柑が購入できる場所をまとめました。
スーパーマーケット
スーパーマーケットによっていくつかは違いますが、旬の時期には果物や野菜のコーナーに並んでいますが多いです。
オンラインストア
近所のスーパーで遭遇しない方や、お店に行くのが難しい方には、オンラインストアがおすすめです。 実際に金柑を見ることはできませんが、大手通販サイトのAmazonや楽天でも販売されているので、安心して購入できます。
メルカリなどのフリマアプリでは、金柑を栽培している農家が出品していることもあります。 購入者のレビューを参考に、購入を検討するもののうち金柑を手に入れる方法の一つです。
その他の販売店
その他にも、金柑を直接販売している農家やJA(農協)のオンラインショップがあります。JAひゅうがや有田金柑工房などで購入するのもおすすめです。産地直送ですので、新鮮で高品質な金柑が期待できます。
キンカンの価格について
キンカンの価格は、販売店(スーパーマーケットやオンラインストアなど)、サイズ、甘さなどの兼ね合いによって変動します。一般的には、100グラムあたり約100円が目安となります。 東京都中央卸売市場の相場を見ると、1キログラムあたり平均918円程度と、比較的お手頃な価格で購入できることが多いようです。
キンカンは、りんごやキウイフルーツのようにバラ売りされることは少なく、通常は箱入りや袋詰めの状態で販売されています。 グラム単位で販売されている場合、小さいサイズのキンカンは個数が多く、大きいサイズのキンカンは個数が少なくなる傾向があります。
キンカンは皮ごと食べるのがおすすめ!冬の健康維持に
小さな果実に栄養が決められたキンカン。 では、生食でも十分に甘く、美味しく食べられるものがたくさんあります。 また、品種改良によって種が少ない品種も登場しています。 栄養満点のキンカンを皮ごと食べて、厳しい冬を元気に乗り越えましょう。
まとめ
この記事では、キンカンの様々な魅力、おいしい食べ方、栄養価、栽培方法、購入場所についてご紹介しました。 キンカンは、その小さな見た目からは想像できないほど豊富な栄養を含み、私たちの健康をサポートしてくれます。 この記事を参考に、キンカンを日々の食生活に取り入れて、より健康的な毎日を送りましょう。