グアバフルーツとは?栄養・効能・食べ方まで魅力をわかりやすく解説
南国の果物として知られるグアバは、豊富な栄養素を含むスーパーフード。特にビタミンCの含有量が高く、美容や健康を気遣う人に注目されています。本記事では、グアバフルーツの栄養成分や味の特徴、効果的な食べ方や保存法まで、グアバの魅力をわかりやすくご紹介します。

グアバとは?熱帯のリンゴと呼ばれる多機能フルーツの基本情報と旬


グアバは、フトモモ科バンジロウ属に属する熱帯果樹で、パパイヤやマンゴーと並ぶ代表的な南国フルーツのひとつです。原産地は熱帯アメリカで、現在ではブラジル、ハワイ、ニュージーランド、インド、台湾、東南アジア、地中海沿岸など、世界の熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されています。
日本国内では沖縄県や鹿児島県南部などの温暖な地域で栽培されており、特に奄美大島では「ばんじろう」とも呼ばれ、庭先で育てられることもあるほど身近な果物です。
グアバは、ビタミンや食物繊維、ポリフェノールなどの栄養素を含んでおり、その豊富な栄養価から「熱帯のリンゴ」と呼ばれることもあります。生命力が強く、インドでは夏季の40℃を超える暑さや、冬季の低温にも耐えて育つほどのたくましさを持っています。
旬は地域によって異なりますが、日本では8〜10月が国産グアバの収穫期です。熱帯地域では通年で実をつけることが多く、比較的安定して入手できる果物です。国内ではまだあまり流通していないため、沖縄や奄美大島など現地で味わうのもおすすめです。

美味しいグアバの選び方

美味しいグアバを選ぶためには、次のポイントに注目しましょう。
  • 香り:甘く豊かな香りがしっかり感じられるものは、食べごろのサイン。熟度が高く、風味も豊かです。
  • 皮の色:全体に黄緑〜黄色で、ムラのない明るい色合いのものが新鮮です。
  • 表面の状態:傷や黒ずみ、やわらかすぎる部分がないものを選ぶのがベターです。
これらのポイントを押さえることで、果肉の甘みや食感をしっかり楽しめるグアバに出会いやすくなります。

グアバに含まれる主な栄養素

グアバは、日々の食生活をサポートする多様な栄養素を含んでいます。特にビタミンCの含有量は非常に多く、100gあたり220mgと、果物の中でもトップクラス。これはレモンの約2倍にあたるとされ、南国果実らしいパワーを感じさせます。
また、ビタミンEやB群、β-カロテン、食物繊維も含まれており、健康を意識する人にとってうれしい成分がバランスよく含まれています。

グアバに含まれる主な栄養素とその働き(期待されること)

  • ビタミンC:美容や健康を支える成分として知られ、日々のすこやかさをサポート。
  • ビタミンE:生活習慣を整えたい方におすすめされる栄養素。
  • ビタミンB群:代謝のはたらきを助け、元気な毎日を応援します。
  • β-カロテン:体内でビタミンAに変わり、体調維持を助ける成分として知られています。
  • 水溶性食物繊維(ペクチンなど):スムーズなめぐりや生活リズムの整えに役立ちます。
  • 不溶性食物繊維(石細胞など):すっきりとした毎日を応援。
  • ポリフェノール(グアバ茶にも含まれる):日常のバランスを整える成分として注目されています。
なお、グアバの葉は「グアバ茶」としても親しまれています。タンニンやケルセチンといった成分が含まれており、日々のリフレッシュや食後のお供に活用されることもあります。
 (出典: 文部科学省『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』, URL: https://fooddb.mext.go.jp/ , 2020-12-25)

グアバの奥深い風味と食感|熟成と品種の個性を楽しむ

「グアバ」と聞いて、ジュースを思い浮かべる方は多いかもしれません。しかし、生のグアバを味わった経験のある人は意外と少ないのではないでしょうか。グアバの風味は、桃やリンゴ、イチゴのような甘酸っぱさが混ざり合った、南国らしい豊かな味わいが魅力です。
グアバにはさまざまな品種があり、果肉の色や食感によって特徴が異なります。
  • 赤い果肉のグアバ:とろけるような舌触りと、濃厚で甘い味わいが特長。
  • 白い果肉のグアバ:シャキシャキとした歯ごたえと、さっぱりした風味が楽しめます。
ただし、グアバには多くの種が含まれており、食べるときに口に残ると感じる方もいるかもしれません。種自体は食べられますが、気になる場合は取り除いても問題ありません。
また、グアバは香りも大きな魅力のひとつ。完熟するとムスクのような甘く芳醇な香りが立ち上り、食べ頃を知らせてくれます。逆に、未熟なグアバは香りが少なく、果肉も硬めで酸味が強いため、購入後は常温で追熟させると美味しく食べられます。

グアバを美味しく食べる方法|ジュース・ジャム・ゼリーなどの活用術

グアバは、香りと風味を活かして、さまざまな食べ方で楽しめるフルーツです。完熟したグアバは皮ごと食べられ、特に皮の近くにはビタミンCが多く含まれているとされます。風味が気になる方は、皮を薄くむいてもよいでしょう。
種はそのまま食べても構いませんが、大量に摂ると消化に負担がかかる場合もあるため、気になる方はスプーンやザルで丁寧に取り除くのがおすすめです。特に、種の周囲には甘みが集中しているため、ジュースなどに活用すると、果実の魅力を余すところなく味わえます。

自家製グアバジュースとカクテル

新鮮なグアバを使って作るジュースは、トロピカルな味わいが楽しめる一杯。そのまま飲んでも良し、炭酸水やお酒で割ってカクテル風にアレンジしても爽やかです。
材料(2~3人分)
  • グアバ…3~4個(約400g)
  • 水…350ml
  • 砂糖またはハチミツ…大さじ2
作り方
  1. グアバの皮をむき、適当な大きさにカットする。
  2. 材料をすべてミキサーにかけて滑らかにする。
  3. ザルで濾して種を取り除き、グラスに注げば完成。
※氷や冷凍フルーツを加えてスムージーにするのもおすすめ。お好みで甘さを調整してください。

手作りグアバジャム

芳醇な香りが広がるグアバジャムは、パンやヨーグルトにぴったり。手作りならではの風味を楽しめます。
材料(作りやすい分量)
  • グアバ…10個程度
  • 砂糖…1カップ
  • レモン汁…大さじ2
作り方
  1. グアバを皮ごとカットし、レモン汁と一緒にミキサーにかけてピューレ状にする。
  2. ザルで濾して種を取り除く。
  3. 濾した果汁と砂糖を鍋に入れ、中火で加熱。沸騰後は弱火で40~50分煮詰める。
  4. とろみが出たら火を止め、保存瓶に移して完成。

さっぱりグアバゼリー

夏にぴったりの爽やかなグアバゼリーは、果汁の風味をそのまま活かせる冷たいデザートです。つるんとした食感と、ほのかな甘みが口いっぱいに広がり、グアバ初心者にもおすすめ。果汁や甘さの調整でアレンジも自在です。

材料(約4人分)

  • グアバジュース(100%)…300ml
  • 水…100ml
  • 粉ゼラチン…7g
  • 砂糖…大さじ2(お好みで調整)
  • レモン汁…小さじ1(お好みで)

作り方

  1. 粉ゼラチンを水(大さじ2程度)でふやかしておく。
  2. 鍋にグアバジュースと水を入れて火にかけ、沸騰直前で火を止める。
  3. ふやかしたゼラチンと砂糖を加え、しっかり溶かす。
  4. レモン汁を加えて混ぜ、粗熱を取る。
  5. 容器に注ぎ、冷蔵庫で2〜3時間冷やし固める。
  6. お好みでミントやフルーツを添えて盛りつける。

グアバ茶の作り方(ドライリーフ使用)

南国の風味をほのかに感じるグアバ茶は、リラックスタイムにぴったりのハーブティー。香りはやさしくクセが少ないため、毎日のお茶としても取り入れやすい一杯です。お好みでハチミツを加えると、ほんのり甘く仕上がります。

材料(1杯分)

  • 乾燥グアバの葉…大さじ1(またはティーバッグ1個)
  • 熱湯…200ml

作り方

  1. ポットまたはカップに乾燥グアバの葉を入れる。
  2. 熱湯を注ぎ、フタをして5〜7分蒸らす。
  3. 茶こしでこしてカップに注ぎ、お好みでハチミツなどを加えてもOK。
生葉を使用する場合は、2〜3枚をよく洗ってからお湯で5分程度煮出すと、フレッシュな風味のグアバ茶が楽しめます。

グアバの保存方法|追熟のコツと長持ちの秘訣

グアバを美味しく楽しむためには、適切な保存方法と追熟の見極めがポイントです。

追熟の見分け方とコツ

  • 未熟なグアバ(果皮が緑色で硬い)は、常温で追熟させます。
  • 熟してくると、グアバ特有の甘い香りが強くなり、果実にやわらかさと弾力が出てきます。
  • この状態が「食べ頃」のサインです。
追熟中は直射日光を避け、風通しの良い室内で保管しましょう。

食べ頃になった後の保存方法

  • 食べ頃を迎えたグアバは、新聞紙やキッチンペーパーで包み、冷蔵庫の野菜室へ。
  • ただし、グアバは熱帯果実のため、冷やしすぎには注意が必要です。
  • 冷蔵保存は2〜3日以内に食べきるのが理想です。

長期保存したい場合の工夫

  • 生のまま冷凍すると食感や風味が損なわれやすいため、ピューレやジャムに加工してから冷凍するのがおすすめです。
  • 加工しておけば、スムージーやお菓子作りにも活用できます。

グアバの種類|特徴と多様性を楽しもう

グアバは品種によって見た目や味、香りが大きく異なります。代表的な種類を紹介します。

グアバ(バンジロウ)

もっとも一般的なグアバで、日本でも「バンジロウ」と呼ばれています。
  • 果皮は熟すと緑色から黄色へと変化
  • 果肉の色は赤、白、ピンクがあり、それぞれに特徴があります
  • シャリシャリとした独特の食感は、果肉に含まれる「石細胞」によるもの
赤肉種は濃厚な甘みがあり、白肉種はさっぱりとした風味。ピンクの果肉は、甘さと食感のバランスがとれています。

ストロベリーグアバ(テリハバンジロウ)

見た目も香りも華やかな品種で、次のような特徴があります。
  • 果皮と果肉がともに赤く、小さな卵型(直径3〜5cm)
  • 熟すとイチゴのような甘い香りを放つ
  • 植物分類上は異なるものの、一般的にはグアバの仲間として扱われます
  • 「テリハバンジロウ」の和名は、厚く光沢のある葉に由来
その可愛らしい姿と香りで、観賞用としても人気があります。

イエローストロベリーグアバ(キミノバンジロウ)

ストロベリーグアバの変種で、果皮も果肉も黄色いのが特徴です。
  • 香りはイチゴに似ていながらも、酸味が控えめでやさしい甘さ
  • マイルドで上品な風味が好まれ、黄色の見た目も鮮やかです
ストロベリーグアバよりも穏やかな味わいが楽しめます。

フェイジョア(パイナップルグアバ)

グアバとは別種ですが、その香りや風味から「パイナップルグアバ」と呼ばれています。
  • 果皮は緑色、果肉はクリーム色で中央がゼリー状
  • パイナップル、イチゴ、バナナ、リンゴを合わせたような複雑な香り
  • 食感はなめらかで、トロピカルな味わいを持っています
近年、日本でも家庭栽培されることが増えている注目の果物です。

グアバの魅力まとめ|美容と健康を支える南国フルーツをもっと身近に

グアバは南国を代表するフルーツのひとつで、ビタミンCや食物繊維などを豊富に含む栄養価の高い果物です。赤肉種や白肉種などの品種によって風味や食感が異なり、生食はもちろん、ジュースやジャム、ゼリーなど幅広く活用できます。日本では主に沖縄や奄美大島で栽培されており、追熟によって甘さと香りが引き立つのも特徴です。品種や保存方法、活用レシピまで知って、グアバの魅力を暮らしに取り入れてみませんか?
あなたも、グアバのある食卓で、南国の恵みを毎日に。

グアバはどんな味がしますか?

グアバの風味は、桃やリンゴ、いちごといった様々なフルーツをミックスしたような、爽やかな甘さとほのかな酸味が調和した味が特徴です。品種によって味わいは異なり、赤肉種は濃厚で強い甘みが際立ち、白肉種はシャキシャキとした食感でさっぱりとした味わいです。熟すと、ムスクを思わせる独特の甘い香りが漂います。

グアバの主な栄養成分は何ですか?

グアバは、ビタミンC(可食部100gあたり220mgと、果物の中でもトップクラスの含有量で、アセロラに次いで2位、レモンの2倍以上)、ビタミンE、ビタミンB群、β-カロテンに加え、水溶性・不溶性食物繊維、ポリフェノール(タンニン、ケルセチンなど)を豊富に含んでいます。これらの成分により、抗酸化作用、免疫機能の向上、美肌効果、疲労回復、ストレス軽減、消化促進、血糖値コントロール、ダイエット支援など、多岐にわたる効果が期待できます。

グアバは皮ごと食べられますか?

はい、十分に熟したグアバは皮ごと食べることが可能です。特に皮の近くにはビタミンCが豊富に含まれているため、栄養を最大限に摂取したい場合は、皮ごと食べることをおすすめします。ただし、皮の食感や風味が気になる場合は、薄く皮をむいて食べても問題ありません。

グアバの種は食べられますか?

グアバの種は、基本的に食べても問題ありません。しかし、種は硬いので、大量に摂取すると消化器官に負担がかかる場合があります。気になる方は、スプーンなどで果肉だけを食べるのがおすすめです。種の周辺は特に甘みが凝縮されているため、ジュースなどにする際に裏ごしして利用すると、グアバの風味を余すことなく楽しめます。

美味しいグアバの選び方は?

美味しいグアバを選ぶポイントは、まず香りをチェックすることです。完熟したグアバは、甘く濃厚な香りを放ちます。また、果皮の色はムラがなく、黄緑色をしているものが良いでしょう。表面に傷やへこみがないかも確認してください。手に取った際、わずかに柔らかさを感じる程度のものが食べ頃です。

グアバの保存方法について

まだ熟していないグアバは、常温で追熟させます。香りが強くなり、少し柔らかくなったら食べ頃です。完熟したグアバは、新聞紙で包んで冷蔵庫の野菜室に入れ、2~3日を目安に食べきるようにしましょう。グアバは熱帯の果物なので、冷やしすぎると風味が損なわれることがあります。長期保存したい場合は、生のまま冷凍するのではなく、ピューレやジャムなどに加工してから冷凍保存するのがおすすめです。

グアバ茶の作り方

グアバ茶は、乾燥させたグアバの葉を使って作ります。まず、新鮮なグアバの葉を丁寧に水洗いし、天日などでしっかりと乾燥させます。乾燥後、葉を蒸してアク抜きをし、再度乾燥させます。完全に乾燥した葉を細かく刻み、密閉容器に入れて保存します。飲む際には、刻んだ葉を急須やティーポットに入れ、熱湯を注いで数分蒸らせば、香り高いグアバ茶の完成です。



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