イチジク品種ガイド:人気・育てやすさ・珍しさで選ぶおすすめ品種
甘くて美味しいイチジクを育ててみたいけれど、どの品種を選べば良いか迷っていませんか? イチジクは品種によって、味、育てやすさ、収穫時期、そして珍しさまで大きく異なります。この記事では、数あるイチジクの品種の中から、特に人気が高く、初心者でも育てやすい品種、そしてちょっと変わった珍しい品種までご紹介します。あなたの栽培環境や好みに合わせて、最適なイチジクを見つけましょう!

イチジク品種選び:最高のイチジクを見つけ出す

イチジクを育てたいとお考えなら、品種選びは成功の鍵を握ります。イチジクはそのままでも十分に甘い果物ですが、品種によって甘味の強さ、栽培の容易さ、耐寒性、希少性など、さまざまな個性が光ります。この記事では、イチジクの品種を特性ごとに分類し、あなたにとって理想的な品種を見つけるお手伝いをします。

果物の糖度比較:イチジクの甘さの秘密

イチジクの甘さをより深く理解するために、よく食べられる果物の糖度を比較してみましょう。例えば、桃は12〜15度、ブルーベリーは16.3〜17.4度、マンゴーは14〜17度、ブドウは17〜22度、バナナは20〜21度、アメリカンチェリーは17〜23度です。一般的に、糖度が20度を超えると、人は十分に甘いと感じます。ここでは、特に糖度が20度を超えると言われる、甘さが際立つイチジクの品種をご紹介します。

【糖度別】特に甘いイチジク品種セレクション

格別に甘いイチジクを求めるなら、以下の品種がおすすめです。まるで自家製ジャムのような、濃厚な甘さがこれらの品種の魅力です。

レディ3姉妹(最高糖度32度):世界トップクラスの甘さ

レディ3姉妹は、レディホワイト、レディブラック、レディグレイという3つの品種をまとめた呼び名で、驚くことに最高糖度が32度にも達することがあり、「世界一甘いイチジク」と称されることもあります。十分に熟した果実は水分をたっぷり含んでいて、とろけるような食感が特徴で、まさにジャムを食べているかのようです。また、皮がしっかりしているため、裂果しにくく、傷みにくいという利点もあります。

スイートカロン:極上の甘さととろける舌触り(最高糖度30度)

スイートカロンは、驚くほど高い糖度を誇り、その数値はなんと30度を超えることもあります。「ヌアールドカロン」や「ブラックケーキ」といった別名を持ち、熟すと皮ごと美味しくいただけます。国内での流通は限られているため、栽培に挑戦することで、その希少な味わいを堪能できます。完熟した果実のとろけるような食感は、忘れられない体験となるでしょう。

ロンドボーテックス:洗練された甘さと奥行きのある風味(最高糖度30度)

ロンドボーテックスは、小ぶりな果実ながらも、最高糖度が30度に達するほどの強い甘みが特徴的なイチジクです。そのねっとりとした食感から、「樹になるジャム」と称されることも。甘さの中にわずかな酸味が感じられるため、単調ではない、奥深い味わいを楽しめます。生食はもちろんのこと、ジャムなどの加工品にも適しています。

ロードス:手軽に皮ごと味わえる魅力(最高糖度30度)

ロードスは、ギリシャのロードス島を原産とする品種で、濃厚な甘さから「デザートソース」という異名も持っています。小ぶりな果実と薄い皮のため、皮を剥く手間なく丸ごと食べられるのが嬉しいポイント。生育が旺盛で比較的育てやすいため、イチジク栽培に初めて挑戦する方にもおすすめです。糖度は20度から30度と高く、その甘さは特筆すべき高級品種です。

アーチペル:すっきりとした上品な甘さ(最高糖度25度)

アーチペルは、高い糖度で知られるアメリカ原産の品種で、夏と秋の両方で収穫できるのが特徴です。イチジク特有の甘さはしっかりとありながらも、後味はさっぱりとしています。濃厚なねっとり感が苦手な方でも、美味しくいただけるでしょう。

ノルドランド(際立つ甘さ、糖度25度):寒冷地にも強い強健種

ノルドランドは、スイスで改良された品種であり、最大糖度25度という強い甘みが特徴です。果実は小粒で皮ごと食べられるため、手軽に味わえます。耐寒性にも優れ、-15度まで耐えることができ、雨や病害虫にも強いため、収穫後の果実も比較的日持ちします。寒冷地にお住まいの方や、とにかく丈夫な品種を求めている方にとって、最適な選択肢となるでしょう。

ロングドゥート(深みのある甘さ、糖度23度):異なる風味の果実を堪能

フランス原産のロングドゥートは、夏秋両方の果実を実らせる品種で、「バローネ」や「バナーネ」という別名でも知られています。夏に収穫できる果実は、糖度は控えめながらも大ぶりで、秋に収穫できる果実は、小ぶりながらも濃厚な甘みが特徴です。一本の木で、それぞれ異なる特徴を持つ2種類の果実を楽しめるのが、この品種の大きな魅力です。バナナを思わせるような、ねっとりとした食感と奥深い甘さは、多くの人々を魅了しています。

栽培が容易なイチジク品種:初心者でも安心して育てられる

果樹栽培に初めて挑戦する方で、きちんと育てられるかどうか不安を感じている方には、以下の栽培しやすい品種がおすすめです。

ドーフィン:国内で広く親しまれている品種

ドーフィンは、栽培の容易さで広く知られているイチジクです。収穫量が多く、果実も丈夫なため、国内で流通しているイチジクの約8割を占めていると言われています。年に2回収穫できる夏秋兼用品種であり、夏果は大きめで、秋果は小さめながらも糖度の高い実をつけます。甘みと酸味のバランスが良く、誰にとっても親しみやすい味わいです。

ホワイトゼノア:安定した収穫量と多様な用途

ホワイトゼノアは、比較的安定して実をつけるため、初めてイチジクを育てる方にもおすすめです。果実が丈夫で日持ちしやすいのも特徴です。果肉はしっかりとした食感で、豊かな香りがあり、ジャムやコンポートなど加工品に適しています。アメリカでは、お菓子作りによく使われる品種として親しまれています。

ホワイトイスキア:手軽に楽しめる、さっぱりとした甘さ

ホワイトイスキアは、非常に実つきが良く、生命力も旺盛なため、初心者でも育てやすい品種として知られています。甘さは控えめで、さっぱりとした味わいが特徴で、皮ごと食べられる手軽さも魅力です。ただし、果実は小さめで、一般的なイチジクのイメージとは異なるかもしれません。手軽にイチジク栽培を始めたい方におすすめです。

寒さに強いイチジク品種:寒冷地でも栽培に挑戦

イチジクは寒さに弱いイメージがありますが、以下の品種は比較的寒さに強く、寒冷地でも栽培に挑戦しやすい品種です。

ブラウンターキー:コンパクトで育てやすい

ブラウンターキーは、比較的コンパクトな樹形なので、庭が狭い方や、ベランダでの鉢植え栽培を考えている方にもおすすめです。耐寒性にも優れており、果重は50g〜60g程度とやや小ぶりですが、甘味と酸味のバランスがとれた美味しい果実が収穫できます。皮が薄く、丸ごと食べられるので、小さなお子様にもおすすめです。

サルタン:丈夫で育てやすい初心者向け品種

サルタンは、耐寒性に加え、雨や病害虫への抵抗力も高いため、イチジク栽培が初めての方でも安心して育てられます。十分に熟した果実は、濃厚な甘さと爽やかな風味が特徴で、味も優れています。そのまま食べるのはもちろん、その風味と甘さを活かして、お菓子作りやパン作り、ジャムなどに加工するのも良いでしょう。

個性的なイチジク品種:珍しい品種を楽しむ

せっかくイチジクを育てるなら、なかなか手に入らない珍しい品種に挑戦したいという方には、以下の品種がおすすめです。

ビオレソリエス:希少な黒イチジク

ビオレソリエスは、国内での生産量が非常に少なく、市場に出回る量も限られているため、「幻の黒いダイヤ」とも呼ばれる珍しいイチジクです。果肉は非常に甘く、ねっとりとした食感が特徴です。芳醇な香りも楽しめ、上品な味わいが魅力です。栽培はやや難しいとされますが、その希少な味を試してみたい方は、ぜひ挑戦してみてください。

ネグローネ:加工にもおすすめの黒イチジク

ネグローネも市場ではあまり見かけない、希少価値の高い黒イチジクです。生育が旺盛で収穫量も多く、比較的寒さにも強いため、初心者にも比較的育てやすい品種と言えます。果実は30g〜50g程度と小ぶりで、加熱しても形が崩れにくいので、タルトやゼリー、果肉感を残したジャムなどの加工に適しています。

まとめ

本記事では、イチジクの様々な品種を、甘味、栽培の容易さ、耐寒性、希少性などの観点からご紹介しました。それぞれの品種が独自の個性を持っており、あなたの嗜好や栽培環境に最も適した品種を見つけることができるでしょう。この記事が、あなたのイチジク栽培の一助となれば幸いです。


イチジクの苗はどこで購入できますか?

イチジクの苗は、一般的に園芸店やホームセンター、またはオンラインの通信販売などで入手可能です。ただし、品種によっては入手が難しい場合もあるため、事前に在庫状況を確認することをお勧めします。

イチジクはプランター栽培でも可能ですか?

はい、イチジクはプランターでも栽培できます。特に、樹高が比較的低い品種や、寒さに強い品種はプランター栽培に向いています。プランターで栽培する際は、水やりや肥料の管理に十分注意してください。

イチジクの剪定時期はいつが良いですか?

イチジクの剪定は、葉が落ちた後の12月から2月頃に行うのが一般的です。不要な枝や密集した枝を取り除くことで、日照条件と風通しを改善し、果実の生育を促進することができます。

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