地域によって「コーヒーミルク」、「ポーションミルク」、「コーヒークリーム」と呼ばれることもありますが、それら全てが「コーヒーフレッシュ」と言える存在とされています。

かつてコーヒーに加えていた生クリームや牛乳の代替えとして製造されたコーヒーフレッシュは、保存が容易でコストパフォーマンスにも優れていました。そのため、多くの製造者がコーヒーフレッシュの開発を進め、全国的にも普及が広がりました。

その一方で、コーヒーフレッシュの呼び方が各地域ごとに変わるのは、地元で親しまれてきた商品名がそのまま用いられるためと考えられます。

コーヒーフレッシュの存在により、コーヒーにミルクを足すという日常的な作業も、一層身近なものと感じられるようになりました。いつでも気軽に用意することができるコーヒーフレッシュは、私たちのコーヒーライフをより豊かなものへと変えてくれました。

「コーヒーフレッシュ」とは何なのか、そしてその中にはどのような成分が含まれているのでしょうか。

初めて見る人は、そのクリーム色の液体から乳製品と勘違いすることもありますが、実はこの主成分は「植物油脂クリーミング食品」と呼ばれるもの。名前からも分かるように、そのベースを成すのは植物から抽出した油脂です。

では、コーヒーフレッシュの製造過程を見てみましょう。まず、植物性油脂に水分を加えます。これだけでは水と油は混ざりませんが、ここで登場するのが「乳化剤」。これを使用することで水と油を一体化させ、クリーミーな風味を作り出します。次に「増粘多糖類」を加えてとろみをつけ、乳製品のように見せるために色や香りを調整します。最後に「PH調整剤」を加え、製品の鮮度を保つ役割を果たします。

このように、シンプルな見た目のコーヒーフレッシュですが、その中には様々な成分が溶け込んでいます。

なお、全てのコーヒーフレッシュが一様に植物油脂クリーミング食品から作られている訳ではありません。メーカーによっては、乳脂肪分を多く使用した製品もあるのです。これらのバリエーションは、コーヒーフレッシュが提供する風味や口どけの違いを生み出しています。

コーヒーフレッシュについて「体に良くなさそう…」という印象を抱いている方は少なくないでしょう。その背後には、次の2つの理由があります。

1．トランス脂肪酸の含有

コーヒーフレッシュは乳製品ではなく、基本的には植物油から製造されます。その製造過程で、トランス脂肪酸が生成されることがあります。

トランス脂肪酸は脂肪酸の一種で、その摂取過多は次のような健康への悪影響が指摘されています。

・動脈硬化

・心筋梗塞

・アレルギー

・コレステロールの上昇

日本ではまだ自由になりがちですが、海外ではその使用が規制されている国も増えつつあります。そういう情報から、体に良くないという印象が強まっているかもしれません。

しかし、必要になる量はわずかであり、その摂取が必ずしも健康への悪影響を及ぼすわけではないというのが今のところの認識です。

2．添加物の使用

コーヒーフレッシュには、乳化剤やさまざまな添加物が含まれています。これらも過剰摂取すると健康に影響を及ぼす可能性があり、気をつけるべきでしょう。

しかし、コーヒーフレッシュによる摂取量はきわめて少ないです。よって、適量を守りながら摂取すれば、大きな心配はいらないでしょう。

多くの人々にとって、コーヒーフレッシュはそのクリーミーな風味と滑らかな口当たりから抜け出せない魅力があります。それはまるでカフェオレ風に仕上げるミルキーな要素のようなものです。しかし、その裏に隠れた高カロリーの存在を認識しているでしょうか？

標準的なコーヒーフレッシュのカロリーは13〜15キロカロリー/個です。一杯のコーヒーに通常使用する量はこの範囲なので、既にそれだけのカロリーが追加されることになります。日常的に数杯のコーヒーを飲む人々や、一日で数回コーヒーフレッシュを使用する人々は、この隠れたカロリーのソースに注意すべきです。

しかし、カロリーに慎重な方にとっては、低脂肪、無脂肪、甚だしきには砂糖フリーのコーヒーフレッシュも広く提供されています。こういった製品は、一杯あたりのカロリーをコントロールすることが可能なので、健康志向の方々にも適しています。

コーヒーフレッシュのカロリーについて理解することで、選択肢を意識的に篩い、より健康的なコーヒータイムを楽しむことが可能になります。コーヒーフレッシュのカロリーがあなたのコーヒー体験を豊かにすることでしょう。そのため、ぜひとも一度、そのカロリーを自身で確認してみてください。

なお、ご参考までに、コーヒーフレッシュと同じ量の牛乳は3〜4キロカロリーです。カロリーが気になるなら牛乳が良い選択ですが、同じ量の牛乳では「足りない」と感じるかもしれません。

コーヒーフレッシュをカットする決意に至った時、何がおすすめかと言われれば、ここでご紹介する代替アイテムをお試しください。

コーヒーフレッシュ代替品①牛乳

実はコーヒーフレッシュは、牛乳の置換えとして生まれました。そのため、「代替」というよりは「元に戻す」という意味合いが強いかもしれません。カロリーはコーヒーフレッシュよりも控えめで、なおかつカルシウムやタンパク質などの栄養素が豊富に含まれています。これは非常に魅力的でしょう。

コーヒーフレッシュ代替品②豆乳

時間と場所を選ばない代替品として、豆乳が挙げられます。未開封の状態ならば、気温に左右されずに数カ月間保存することが可能。一度開封したなら冷蔵庫で保存する必要がありますが、牛乳よりも保存が容易な点が売りです。さらに、タンパク質や女性に嬉しいイソフラボンなども得られます。

コーヒーフレッシュがもたらす優雅な甘さとクリーミーな滑らかさは、一杯のコーヒーを豊かな味わいへと引き立てます。まろやかなコーヒーを楽しみたい方は、摂取量に気を付けながら楽しんでください。