カラマンダリン徹底解剖:濃厚な甘みと旬の時期、人気の秘密
春の訪れとともに店頭に並び始める、濃厚な甘みが魅力のカラマンダリン。オレンジともみかんとも違う、その絶妙な味わいに、毎年楽しみにしているという人も多いのではないでしょうか。この記事では、そんなカラマンダリンの人気の秘密を、わかりやすくご紹介します。

カラマンダリンとは?基本情報と特徴


カラマンダリンは柑橘類の一種で、ミカン科に属します。その味わいは、濃厚な甘さとさわやかな酸味が見事に調和しているのが特徴です。「カラオレンジ」や「南津海(なつみ)」という別名でも親しまれており、春に旬を迎える人気の果物です。特に4月から6月にかけて、手軽に皮をむいて食べられる貴重な品種として知られています。

カラマンダリンの歴史と由来

カラマンダリンは、カリフォルニア大学のフロスト博士が、大正4年に尾張系温州(温州みかん)にキングマンダリンを交配して育成し、昭和10年にカラと命名、発表されました。日本へは昭和30年に、農学者の田中長三郎氏が種子を導入し、その後農林水産省や愛媛県果樹試験場へも穂木が導入されました。 (出典: みかん大事典(のま果樹園), URL: https://www.kajuen.co.jp/introduction/color.htm, 2020-10-22)
当初は酸味が強かったため、商業生産には適さないとされていましたが、鳥が好んで食べる様子からその美味しさが再認識され、商品化が進められることとなりました。

カラマンダリンの旬と産地

カラマンダリンが最も美味しい時期は、4月下旬から5月下旬にかけてです。生産地では4月初旬から収穫が始まりますが、酸味を調整するために収穫後2週間から1ヶ月程度貯蔵されるのが一般的です。主な産地は愛媛県で、国内生産量の約6割を占めています。和歌山県と三重県がそれぞれ約2割を占め、これに続きます。愛媛県の中でも松山市での栽培が盛んであり、「まつやま農林水産ブランド」としても認定されています。

カラマンダリンの魅力

カラマンダリンの魅力は、他の柑橘類と比較して、樹になっている期間が長いことにあります。春から初夏にかけて樹上でじっくりと熟成されるため、旨味が凝縮された濃厚な味わいが生まれます。外皮が柔らかく手で容易にむける上、内皮も柔らかいため、みかんのように手軽に房ごと食べられるのが特徴です。ただし、種が含まれている場合があるため、注意が必要です。

芳醇な風味と多汁な果肉

カラマンダリンは、とろけるように柔らかな果肉が持ち味で、際立つ甘さとバランスの取れた酸味が織りなす、奥深い味わいが堪能できます。他の柑橘類が少ない春先に、濃密な風味のみかんとして珍重されています。

カラマンダリンと、その近縁種「南津海(なつみ)」

カラマンダリンと、同じく柑橘である吉浦ポンカンを掛け合わせて誕生した南津海という品種が存在し、カラマンダリンと非常に似通った特性を有しています。市場においては、明確に区別されずに流通することも少なくありません。

カラマンダリンの選び方と、適切な保存方法


美味なカラマンダリンを見分けるためには、果皮に潤いがあり、全体が均一に色づいているものを選ぶことが重要です。色ムラがあるものは避けるのが賢明です。また、手に持った際にずっしりとした重みを感じるものは、果汁をたっぷりと含んでいる証拠と言えます。軽く触れてみて、ブヨブヨと柔らかいものは、果肉と果皮の間に隙間が生じていることが考えられ、傷みやすい可能性があるため注意が必要です。

カラマンダリンの理想的な保存方法

カラマンダリンは、風通しの良い冷暗所に、ヘタを下向きにして並べて保存するのがベストです。冷蔵庫での保存は乾燥を招きやすいため、推奨できません。気温が高い時期は、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存すると良いでしょう。

カラマンダリンの味わい方

カラマンダリンは、手で簡単に皮が剥けるため、そのまま生で食べるのが一般的です。薄い内皮(じょうのう)ごと食べられ、その芳醇な風味を堪能できます。また、その濃厚な甘味と酸味を活かして、様々な加工品を作るのも良いでしょう。

カラマンダリンを活用したアイデアレシピ

カラマンダリン特有の濃密な甘さと爽やかな酸味は、さまざまな料理やデザートで活躍します。中でも、手作りのカラマンダリンジャムは、簡単にできてその美味しさを存分に楽しめる定番アレンジです。

【カラマンダリンジャムの簡単レシピ】

〈材料〉
  • カラマンダリン…500g(皮をむいて果肉部分)
  •  砂糖…200g 
  • レモン果汁…大さじ1

〈作り方〉

  1. カラマンダリンは薄皮ごと小さめに切り、鍋に入れる。
  2. 砂糖とレモン果汁を加えて軽く混ぜ、30分ほど置いてなじませる。
  3. 中火にかけ、アクを取りながら、とろみがつくまで煮詰める。
  4. 煮沸消毒した瓶に詰めて保存すれば完成。
トーストやヨーグルトに添えるのはもちろん、紅茶に入れたり、スイーツ作りにもおすすめです。
このほか、フレッシュな果汁を使ったジュースは、朝の一杯にぴったり。ゼリーやシャーベットに仕立てれば、カラマンダリンの爽やかな風味が際立つ贅沢なデザートになります。

まとめ

カラマンダリンは、春の息吹を感じさせる、甘くみずみずしい柑橘です。そのままダイレクトに味わうのはもちろん、様々なアレンジを加えて楽しむことも可能です。もしお店で見つけたら、ぜひ手に取って、その豊かな風味を味わってみてください。

カラマンダリンの一番美味しい時期はいつ?

カラマンダリンが最も美味しく味わえる旬な時期は、おおよそ4月下旬から5月下旬にかけてです。この時期に収穫されるものが、特に風味豊かでおすすめです。

美味しいカラマンダリンの選び方のコツは?

新鮮で美味しいカラマンダリンを選ぶには、果皮に注目しましょう。皮にハリとツヤがあり、全体的に鮮やかな濃い色をしているものがおすすめです。また、手に取った時にずっしりとした重みを感じるものを選ぶと良いでしょう。

カラマンダリンの最適な保存方法は?

カラマンダリンを長持ちさせるには、風通しの良い冷暗所で保存するのが基本です。その際、ヘタを下向きにして置くとより鮮度を保てます。冷蔵庫に入れる場合は、乾燥しないようにポリ袋などに入れて、野菜室で保管してください。
カラマンダリン