「森のアイスクリーム」とも称されるアテモヤ。バンレイシとチェリモヤの魅力を併せ持つこのトロピカルフルーツは、濃厚な甘さと独特の風味が特徴です。しかし、せっかくのアテモヤも、食べ頃を逃してしまうと本来の美味しさを堪能できません。この記事では、甘くて美味しいアテモヤを味わうための、簡単で見分けやすい食べ頃の見極め方を徹底解説。これらのポイントを押さえて、最高に美味しいアテモヤを味わいましょう。
アテモヤとは?基本情報と特徴
アテモヤは、釈迦頭(バンレイシ)とチェリモヤという二つの熱帯フルーツを交配させて生まれた果実です。その果肉は、まるで乳白色のアイスクリームのように甘く、とろけるような舌触りから「森のアイスクリーム」という愛称で親しまれています。アテモヤという名前は、バンレイシの現地名「アテ」とチェリモヤの「モヤ」を組み合わせて名付けられました。バンレイシは英語でシュガーアップルと呼ばれるほど強い甘味が特徴で、一方のチェリモヤはカスタードアップルとも呼ばれています。アテモヤは、両親の良いところを受け継ぎ、濃厚な甘さと豊かな風味を兼ね備えた贅沢な味わいの果物です。
アテモヤの味:森のアイスクリームと呼ばれる所以
アテモヤは、非常に高い糖度を誇り、その数値は20〜25度にも達します。口の中に広がるバニラのような甘い香りと、熟した洋梨、パイナップル、そしてバナナを絶妙にブレンドしたような、他に類を見ない独特な風味が魅力です。この上質な甘さと、とろけるようなクリーミーな食感が「森のアイスクリーム」と称される理由であり、冷やして味わうことで、まるで高級デザートのような至福のひとときを堪能できます。
アテモヤの旬と産地:国内での栽培状況
アテモヤは、暖かい気候を好むため、主に沖縄県や鹿児島県といった温暖な地域で栽培されています。自然の恵みの中で育つ露地栽培の旬は、12月中旬から2月頃にかけてですが、近年ではハウス栽培も盛んに行われるようになり、晩秋や初春にも収穫されるようになりました。国内での流通量はまだ限られていますが、インターネット通販などを利用すれば、手軽に購入することが可能です。
アテモヤの選び方:美味しいアテモヤを見つけるポイント
アテモヤを選ぶ際には、まず大きさをチェックしましょう。一般的に、大きめの果実の方が食べられる部分が多く、お得感があります。そして、表面に傷や変色がないか、果皮が鮮やかな緑色でピンと張りがあるかを確認することが大切です。これらのポイントを押さえることで、より美味しいアテモヤを選ぶことができるでしょう。
アテモヤの食べ頃を見極めるサインと追熟・保存のコツ
アテモヤは、収穫後しばらく置いて熟成させる必要がある果物です。アテモヤは、収穫後しばらく置いて追熟させる必要がある果物です。お店で購入したら、すぐに冷蔵庫に入れるのではなく、常温で数日保管しましょう。食べ頃のサインは、果皮の色が鮮やかな緑色から少し褐色に変化し、軽く握ったときに弾力を感じることです。追熟が進むにつれて甘い香りも強くなります。食べる直前に冷蔵庫で冷やすと、より一層美味しくなります。十分に追熟したアテモヤは、冷蔵庫で保存し、2~3日を目安に食べきるようにしてください。
アテモヤの食べ方:定番からアレンジレシピまで
アテモヤは、縦半分に切り、スプーンで種を取り除きながら果肉を味わうのが一般的な食べ方です。種は食べられません。皮を剥いて、一口大にカットすれば、より手軽に食べられます。そのまま食べるのはもちろん、フルーツソースをかけたり、ヨーグルトのトッピングにしたり、冷凍してシャーベットのようにして食べるのもおすすめです。
アテモヤの栄養:美容と健康をサポートする栄養満点フルーツ
アテモヤには、カリウムやカルシウムなどのミネラル類、ビタミンB群やビタミンCなどのビタミン類が豊富に含まれています。低脂肪かつ低カロリーでありながら、甘みが強く満足感が得られるため、美容や健康を意識している方にもおすすめです。
アテモヤの主な栄養成分(可食部100gあたり)
- エネルギー:81kcal
- タンパク質:1.8g
- 脂質:0.4g
- 炭水化物:19.4g
- カリウム:340mg
- カルシウム:26mg
- ビタミンB1:0.08mg
- ビタミンB2:0.12mg
- ビタミンB6:0.28mg
- ビタミンC:14mg
アテモヤと他の果物の栄養比較:バナナ、マンゴーとの違い
アテモヤの栄養成分について、人気の高いトロピカルフルーツ、バナナやマンゴー(いずれも100gあたり)と比較してみましょう。
- カロリー:アテモヤ 81kcal、バナナ 93kcal、マンゴー 68kcal
- 糖質:アテモヤ 16.1g、バナナ 21.4g、マンゴー 15.6g
- カルシウム:アテモヤ 26mg、バナナ 6mg、マンゴー 15mg
- ビタミンB2:アテモヤ 0.12mg、バナナ 0.04mg、マンゴー 0.06mg
- ビタミンC:アテモヤ 14mg、バナナ 16mg、マンゴー 20mg
上記データから、アテモヤはバナナと比較してカロリーと糖分が控えめで、カルシウムやビタミンB2をより多く含んでいることが分かります。一方、マンゴーとの比較では、カロリーは若干高め、糖質はほぼ同等、カルシウムとビタミンB2は豊富ですが、ビタミンCは少なめです。
アテモヤはどこで買える?
アテモヤは、一般的なスーパーマーケットではまだ一般的ではありませんが、高級デパートのフルーツ売り場や、インターネット通販などで購入することが可能です。特に旬の時期には、比較的入手しやすくなるでしょう。
まとめ
アテモヤは、その濃厚な甘さととろけるような食感から、「森のアイスクリーム」と称される、まさにトロピカルフルーツの逸品です。まだ市場に出回る量が少ないため、見かける機会は少ないかもしれませんが、もし見つけたらぜひ一度お試しください。その風味と栄養価の高さに、きっとご満足いただけるはずです。
アテモヤを美味しく追熟させるには?
アテモヤは冷蔵庫に入れず、直射日光の当たらない常温で追熟させましょう。鮮やかな緑色の果皮が少しずつ茶色みを帯びてきて、手で軽く触れた際に柔らかさを感じられるようになれば、食べ頃です。
アテモヤの種は口にしても大丈夫?
アテモヤの種は、残念ながら食用には適していません。果肉を召し上がる際は、種を丁寧に取り除くようにしてください。
アテモヤは冷凍保存できる?
アテモヤは冷凍保存も可能です。熟したアテモヤを食べやすい大きさにカットし、冷凍保存用の密閉袋などに入れて冷凍庫へ。解凍せずに、シャーベットのような感覚でお召し上がりいただけます。