アレルギー7品目から8品目へ!表示義務と注意点
食品アレルギーを持つ方にとって、食品表示は命綱とも言える重要な情報源です。特に、アレルギー表示が義務付けられている特定原材料は、重篤な症状を引き起こす可能性が高いため、注意が必要です。本記事では、アレルギー表示制度における特定原材料7に焦点を当て、それぞれの食品の特徴や、摂取する際の注意点について詳しく解説します。安全な食生活を送るために、ぜひ参考にしてください。

食物アレルギー表示制度の概要

食物アレルギーを持つ人々が、特定の食品に含まれるアレルゲンによって健康を害されることのないよう、食物アレルギー表示制度が設けられています。包装された加工食品には、一定量以上のアレルギー物質が含まれる場合、食品表示法に基づいた表示が義務付けられています。

アレルギー表示が求められる食品

アレルギー表示の義務が生じるのは、原則として、容器包装された加工食品です。一方で、小売店で製造・販売される弁当や惣菜、飲食店で提供される料理は、アレルギー表示の義務はありません。(ただし、可能な範囲で表示に努めることが望ましいとされています。)これらの食品については、店舗の担当者にアレルギーに関する情報を確認することが重要です。

アレルギー義務表示品目(特定原材料):8品目

食品表示法によって表示が義務付けられているアレルギー物質、すなわち特定原材料は、以下の8品目です。これらの品目は、過去の健康被害の発生状況や頻度を総合的に考慮し、慎重に選定されています。
  • 乳(牛乳)
  • 小麦
  • えび
  • かに
  • くるみ
  • 落花生(ピーナッツ)
  • そば
これらの品目を使用した食品のパッケージには、「一部に○○を含む」または「○○由来」といった文言が必ず記載されています。

アレルギー推奨表示品目(特定原材料に準ずるもの):20品目

特定原材料に準ずるものとして、表示が推奨されている品目は以下の20品目です。これらの品目は、特定原材料ほどではないものの、アレルギー反応を引き起こす可能性があり、可能な範囲で表示することが推奨されています。2024年3月28日には、「食品表示基準について」の一部が改正され、食物アレルギー表示の推奨品目に「マカダミアナッツ」が追加され、「まつたけ」が削除されました。
  • アーモンド
  • あわび
  • いか
  • いくら
  • オレンジ
  • カシューナッツ
  • キウイフルーツ
  • 牛肉
  • ごま
  • さけ
  • さば
  • 大豆
  • 鶏肉
  • バナナ
  • 豚肉
  • マカダミアナッツ
  • もも
  • やまいも
  • りんご
  • ゼラチン

「くるみ」アレルギー表示義務化について

2023年3月9日、消費者庁は食品表示に関する基準の一部を改正する府令を公布し、食物アレルギー表示が義務付けられる対象品目に新たに「くるみ」が加えられました。背景には、くるみによるアレルギー患者数の著しい増加があります。近年のナッツ人気による消費拡大が、患者数増加の一因と考えられています。

アレルギー表示義務化の猶予期間と対応

「くるみ」のアレルギー表示義務化には、2025年3月31日までの猶予期間が設けられています。この期間中も、原材料としてくるみを使用している場合は、原材料名欄への記載が必須です。2025年4月1日以降は、くるみを含む食品をアレルギー表示なしに販売した場合、食品表示法に抵触する可能性がありますので、関係事業者の皆様は迅速な対応をお願いいたします。

アレルギー症状とアナフィラキシーショック

食物アレルギーとは、体が特定のタンパク質(アレルゲン)に対して過剰な免疫反応を起こすことで様々な症状が現れる現象です。蕁麻疹、かゆみ、呼吸困難といった症状から、重症の場合には意識消失や血圧低下を伴うアナフィラキシーショックを引き起こし、生命の危機に繋がることもあります。

誰もが発症する可能性

アレルギーは、特定原材料やそれに準ずる食品以外でも起こりうるものです。消費者庁の調査によると、100種類を超える食品でアレルギーの発症事例が報告されています。アレルギー体質の方だけでなく、これまでアレルギーとは無縁だった方も注意が必要です。少しでも体調に異変を感じたら、速やかに医療機関を受診してください。

食物アレルギー表示に関する注意点

アレルギー表示は、アレルギー体質の方がが安全に食品を選ぶ上で不可欠な情報です。食品を購入する際は、必ずアレルギー表示を隅々まで確認し、気になる点があれば製造者や販売店に遠慮なく問い合わせましょう。外食時も同様に、店舗スタッフにアレルギーについて詳しく伝えることが重要です。

最新情報の確認

食物アレルギーに関する表示義務などの情報は、消費者庁のホームページなどで随時更新されています。常に最新情報をチェックし、適切な対策を心がけましょう。

アレルギーを持つ人への理解とサポート

食物アレルギーは、日常生活に大きな制約をもたらすことがあります。アレルギーを持つ方が安心して生活できるよう、周囲の理解と協力が不可欠です。アレルギー体質の方の気持ちに寄り添い、温かくサポートできる社会を築きましょう。

まとめ

食物アレルギー表示制度は、アレルギー体質の方が安全な食生活を送るための大切な制度です。常に最新の情報を把握し、適切な対応をすることで、食物アレルギーによる事故を未然に防ぐことができます。アレルギー体質の方もそうでない方も、互いを尊重し、支え合う社会を築いていきましょう。

食物アレルギー表示の対象範囲は?

食品表示法に基づき、パッケージされた加工食品が対象となります。スーパーやコンビニエンスストアなどで販売されているものが該当します。手作りのお惣菜や飲食店で提供される料理は原則として対象外ですが、念のためお店の方に確認することをお勧めします。

必ず表示が必要なアレルギー物質とは?

食品アレルギーを引き起こす可能性が高く、特に注意が必要なものとして、卵、乳成分(牛乳)、小麦、エビ、カニ、クルミ、落花生(ピーナッツ)、そばの8品目が定められています。これらは「特定原材料」と呼ばれ、食品に含有されている場合は必ず表示しなければなりません。

表示義務化における猶予期間について

新たにアレルギー表示が義務付けられる食品が追加された場合、食品事業者には表示変更の準備期間として猶予期間が設けられます。例えば、クルミは2025年3月31日までが猶予期間となっています。

アレルギー症状が現れた際の対処法

もしアレルギー症状(じんましん、かゆみなど)が出た場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。呼吸困難や意識混濁といった重い症状が現れた場合は、迷わず救急車を要請してください。

アレルギー8品目