アイスクリームとは
そよ風が心地よい季節になると、自ずと手に取りたくなるのがアイスクリーム。創造力と技術が結集されて生まれるその一口は、とりわけ暑い日のオアシスとなり得ます。だけど、あなたは本当の「アイスクリーム」の定義を知っていますか?その歴史、製造方法、さまざまな形状と味わい…。この記事では、「アイスクリーム」について深掘りしていきます。
アイスの種類は4つ!それぞれの違いは?
アイスは乳固形分と乳脂肪分の量によって下記の4種類に分けられます。
①アイスクリーム
②アイスミルク
③ラクトアイス
④氷菓
4種類の中で、乳固形分と乳脂肪分が最も多いアイスクリームは、コクが深くミルクの風味を感じることができます。
アイスミルクはアイスクリームと比べると乳固形分と乳脂肪分が少ないため、あっさりとした味わいが特徴です。
さらに乳固形分と乳脂肪分が少ないラクトアイスは、ミルク感が少なめになっているため濃厚な味わいが苦手という方におすすめです。
そして氷菓は乳固形分が3.0%未満で、果汁を凍らせたアイスキャンデーやかき氷などを指し、さっぱりとした味わいが特徴です。それぞれ種類ごとの成分や味わいの違いについてさらに詳しくご紹介します。
①アイスクリーム
アイスクリームに分類されるのは、乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上の製品です。
アイスクリームは4種類の中で最も乳固形分と乳脂肪分が多いため、コクが深くミルクの風味を感じられる点が特徴です。
そして、「アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正競争規約」において、アイスクリームには植物油脂を添加できないと定められています。
よつ葉乳業が販売する「よつ葉 北海道アイスクリーム 」「よつ葉 至福のミルク 」は、アイスクリームに該当します。よつ葉 北海道アイスクリームのブランドサイトを見る
②アイスミルク
アイスミルクは、乳固形分10.0%以上、うち乳脂肪分3.0%以上の製品です。
アイスクリームと比較すると乳固形分と乳脂肪分が少ないため、あっさりとした味わいです。
また、商品によっては植物油脂が使われるため、気になる場合は原材料名を確認しましょう。
③ラクトアイス
ラクトアイスは乳固形分3.0%以上の製品で、乳脂肪分の成分規格はありません。
乳脂肪分の代替としてパーム油などの植物油脂を使用することが多く、アイスクリームやアイスミルクよりも安価な傾向があります。
植物油脂は、乳脂肪分のようなミルク感を補い、なめらかな口当たりを再現するために使われますが、すっきりとした味わいであまりコクは感じられません。
乳脂肪分は少なくても、植物油脂によってカロリーが高くなっている製品もあるため、気になる方は栄養成分表示を確認することをおすすめします。
④氷菓
氷菓は乳固形分が3.0%未満の製品です。
たとえば、乳成分をほとんど含まないシャーベットやかき氷、アイスキャンデーなどが氷菓に分類されます。
氷菓にはアイスクリームのようなミルク感はありませんが、さっぱりとした味わいに加え、キーンとした冷たさが暑い夏にぴったりです。
アイスクリームの食品表示の見方
日本のアイスクリームショッピングにおける適切な選択は、商品ラベルに書かれた情報を理解することから始まります。このために食品表示法が定められており、その項目はアイスクリームの品質を判断するのに不可欠です。
最初に、ラベルに記載されている「有機」、「無添加」といった表記をチェックします。これらの表記がある場合、化学添加物の使用が最少限に留められていることがわかります。また、アイスクリームが特定の風味、例えばイチゴや抹茶の場合、産地や原料について詳細が明示されていれば、その風味に対する職人のこだわりや品質への配慮が感じられます。
次に、「乳固形分」と「乳脂肪分」の表示を確認します。アイスクリームの滑らかさやクリーミーさを決定する重要な要素で、通常、乳固形分は12%以上、乳脂肪分は8%以上とされていますが、これは種類により異なります。
さらに、アイスクリームには乳や卵、小麦などアレルギーを引き起こす可能性のある食品が含まれていることがありますので、アレルギー物質表示も見落とさないようにしましょう。
もうひとつ重要なのが賞味期限と消費期限の表示です。適切な温度管理下では、アイスクリームは長期間冷凍保存が可能ですが、開封後は品質が急速に劣化します。このため、期限をしっかり確認してから購入しましょう。
これら全ての要素を考えることで、アイスクリーム選びはより楽しく、またより質の高い選択が可能になります。アイスクリームの品質評価は食品表示から始まりますので、次回のアイスクリームの買い物の際にはぜひ参考にしてみてください。
アイスクリームのなめらかさやコクの秘密
「アイスクリームと聞くと、その濃厚さや風味の優れた味が思い起こされます。その美味しさの秘密は、何なのでしょうか?
アイスクリームの鍵は、「乳脂肪」にあります。この乳脂肪は、アイスクリームのベースであるミルクに含まれ、その冷凍過程で滑らかな口どけを造ります。さらに、その風味と深みを引き出すために「砂糖」や「卵」が使われます。砂糖は適度な甘みをもたらし、「卵」はその風味を引き立てます。
それだけでなく、これらの原材料をミルクやクリームと混ぜ合わせ、加熱することで「カスタード」と呼ばれる独特な風味とコクを生み出します。このカスタードが冷却されると、より深い味わいのアイスクリームが完成します。つまり、アイスクリームの品質は、選ばれる素材によって大きく左右されるのです。
アイスクリームのおいしさや食感は、その原材料と調理過程によって形成されます。そのなめらかさやコクは、乳脂肪や砂糖、そして卵を使用し、そして適切にブレンドと加熱、冷却の過程を通じて作り出されます。これだけで、あなたの口の中で溶けるアイスクリームの味わい深い風味を生み出すことができます。」
アイスクリームに賞味期限が記載されていないのはなぜ?
「賞味期限がないアイスクリーム」について驚かれるかもしれませんが、これはアイスクリームが特別な対処を必要とせず、正しい温度管理が行われていれば長期間その品質を維持するからです。
アイスクリームは通常-18℃以下で保管され、この状況下では細菌の成長をほぼ防ぐことができます。また、主要成分の乳脂肪は冷凍された状態では酸化しにくいため、風味の大きな変化はありません。そのため、法律でも「アイスクリーム類では、期限表示と保存方法の省略が許される」ことになっています。
それでも、温度変動によってアイスクリームの食感や風味が変化し、特に一度溶けたアイスクリームは元の状態に戻らないため、「製造日」や「製造から何日間品質保証期間」といった情報が表示されることがあります。このため、消費者自身が冷凍庫の開閉に気をつけ、適性な温度で保存することがアイスクリームの品質を保つためには重要となります。そのため、早目にアイスクリームを味わうことをお勧めします。
まとめ
それぞれ異なる彩りを持つアイスクリームの世界は、奥深い歴史と多彩な製造技術が息づいています。一口に「アイスクリーム」といっても、その定義や形状、味わいは無数に広がり、つねに新たな発見や驚きが待っています。本記事を通じて、ただただ暑さをしのぐための甘いデザートから一歩踏み出し、アイスクリームの世界に深く飛び込んでみてください。そのうえで、あなたの一番好きな「アイスクリーム」を見つけてみませんか?