太陽の恵みをたっぷり浴びて育ったパパイヤ。その鮮やかなオレンジ色は、見た目にも食欲をそそります。トロピカルフルーツの女王とも呼ばれるパパイヤは、甘美な味わいはもちろんのこと、美容と健康にも嬉しい栄養素がたっぷり。生で食べるだけでなく、スムージーやサラダ、料理のアクセントとしても活躍する万能フルーツです。この記事では、パパイヤの知られざる魅力に迫ります。
パパイヤとは?:基本情報と特徴
パパイヤは、中央アメリカおよび南アメリカが原産地の常緑樹、またはその実のことです。温暖な地域を中心に広く育てられており、日本では主に沖縄県や鹿児島県などで栽培されています。パパイアは、熟すと甘くてみずみずしいフルーツとして、まだ熟していない状態では野菜として使うことができる、色々な使い道がある植物です。「乳瓜」や「木瓜」といった名前で呼ばれることもあります。
パパイヤの品種と種類
パパイヤには数多くの品種が存在し、それぞれ見た目やサイズ、風味が違っています。代表的な品種としては、ハワイ生まれの「カポホ・ソロ」や「サンライズ・ソロ」、沖縄県石垣市で栽培されている種なしの「石垣珊瑚」などがあげられます。カポホ・ソロは酸味が少なく、強い甘さが持ち味で、サンライズ・ソロはとろけるようななめらかさが魅力です。石垣珊瑚はパパイヤ独特の香りが控えめなので、パパイヤを初めて食べる方にもおすすめです。
青パパイヤ(グリーンパパイヤ)とは?
青パパイヤというのは、まだ熟していない状態のパパイヤを指します。果肉は硬めで、シャキシャキした食感があり、味はあっさりとしていてクセがありません。野菜として使われ、サラダや炒め物、煮物といった色々な料理に用いられます。青パパイヤには、タンパク質を分解する働きを持つパパイン酵素がたくさん含まれており、お肉を柔らかくしたり、消化を促進したりする効果が期待できます。
パパイヤの選び方:おいしいパパイヤを見つけるポイント
美味しいパパイヤを選ぶには、いくつかの注意点があります。完熟したパパイヤを選ぶのか、青パパイヤを選ぶのかによって、見るべき点が異なります。
熟したパパイヤの見分け方
美味しいパパイヤを選ぶポイントは、以下の通りです。
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外観:表面にピンと張りがあり、光沢を帯びているものが良品です。しなびているものは避けましょう。
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重量感:手に取った時に、見た目よりも重く感じるものがおすすめです。果肉が詰まっているサインです。
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色の変化:皮の色が鮮やかな黄色に変わっているものが、食べ頃の目安です。
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未熟なパパイヤの見分け方
調理用の青パパイヤを選ぶ際は、以下をチェックしましょう。
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色合い:緑色が濃く、みずみずしいものを選びましょう。傷や変色がないか確認してください。
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重さ:しっかりと重みがあるものを選びましょう。
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硬さ:触った時に硬く、弾力があるものが新鮮です。
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パパイヤ:状態別食べ頃と保存方法
パパイヤは、熟度によって最適な食べ方や保存方法が異なります。
完熟パパイヤの食べ頃と保存方法
完熟したパパイヤは、皮全体が黄色くなり、軽く押すと少し柔らかく感じられます。冷蔵保存する場合は、1週間程度を目安に早めに食べきりましょう。まだ熟していない場合は、冷蔵庫に入れると追熟が止まってしまうため、常温で保存してください。長期保存したい場合は、冷凍がおすすめです。皮を剥き、種を取り除いてからカットし、冷凍庫へ。シャーベット状でそのまま食べたり、スムージーの材料にも最適です。
青パパイヤの保存方法
未熟な青パパイヤは、熟成を進ませないために、新聞紙などで丁寧に包み、冷蔵庫での保管がおすすめです。一度に使い切れない場合は、必要な分だけ皮をむき、残りは皮がついたままラップで包んで冷蔵することで、鮮度を保てます。
パパイヤの切り方:完熟と青パパイヤで異なるポイント
パパイヤは、その熟度によって最適な切り方が異なります。
完熟パパイヤの切り方
十分に熟したパパイヤは、まずヘタを切り落とし、縦方向に半分にカットします。中央にある種はスプーンで丁寧に取り除きます。小さめのパパイヤであれば、そのままスプーンで果肉をすくって食べるのも良いでしょう。大きい場合は、さらに半分にカットし、皮をむいてから食べやすい大きさに切り分けます。
青パパイヤの切り方
青パパイヤを切ると、白い液体(パパイン)が出てくることがあります。この液体に触れると、肌が荒れる可能性があるため、敏感肌の方はビニール手袋の使用をおすすめします。まず、縦半分にカットし、中の種を取り除きます。使用する部分の皮をピーラーなどでむきます。皮には苦味がありますが、食べられないわけではありませんので、薄くむく程度で構いません。その後は、調理方法に合わせてカットします。カット後、約10分ほど水に浸してアク抜きをすると、より食べやすくなります。
パパイヤの最高の食べ方:熟度別にご紹介
パパイヤは、その熟し具合によって、さまざまな風味と食感を楽しめる魅力的な果物です。
完熟パパイヤの至福の味わい方
十分に熟したパパイヤは、生のままフルーツとして味わうのが一般的です。もし独特の香りが気になる場合は、レモン汁を少量かけたり、冷凍庫で少し冷やすと、香りが和らぎます。レモンは、風味を向上させるだけでなく、パパイヤ本来の甘さを引き立てる効果もあります。また、少量の塩を加えることでも、甘みが強調されます。小さく切ってヨーグルトに添えたり、スムージーの材料としても最適です。意外な組み合わせとして、メロンと同様に生ハムとの相性も抜群です。
青パパイヤの新たな魅力的な食べ方
青パパイヤを野菜として調理する場合は、まだ熟していない、硬いものを選びましょう。生で食べる際は、皮をむいて薄く切り、水にさらしてアクを取り除くことが重要です。このアク抜きによって、果肉の硬さを和らげる効果もあります。タイの代表的な料理である「ソムタム」は、青パパイヤを使い、パクチー、トマト、ピーナッツなどを加えて、ナンプラーやライムで風味豊かに仕上げます。沖縄では、「しりしり器」という道具を使って青パパイヤを細切りにします。細切りにした青パパイヤは、ソムタムなどのサラダはもちろん、天ぷらやきんぴら、野菜炒め、パパイヤチャンプルーなど、様々な料理に活用できます。さらに、生の青パパイヤを細かく切ったり、すりおろして肉と一緒に漬け込むと、パパイン酵素の働きで肉質が柔らかくなります。ただし、薄切り肉や元々柔らかい肉に使用すると、肉が崩れてしまう可能性があるため注意が必要です。
パパイヤを使ったおすすめレシピ集
ここでは、パパイヤを最大限に活用した多彩なレシピをご紹介します。完熟パパイヤを使ったデザートから、青パパイヤを使った創造的な料理まで、パパイヤの魅力を存分にお楽しみください。
パパイヤのクラフティ
材料:パパイヤ150g、卵1個、砂糖50g、小麦粉30g、生クリーム200ml、無塩バター10g、粉砂糖少々。パパイヤは皮をむいて食べやすい大きさにカット。ボウルに卵、砂糖、ふるった小麦粉、生クリームを入れ、よく混ぜて生地を作ります。耐熱容器にパパイヤを並べ、生地を上から濾しながら注ぎます。180℃に予熱したオーブンで、表面に焼き色がつくまで約40分焼きます。少し冷ましたら、粉砂糖をふりかけて召し上がれ。
パパイヤボート
パパイヤボートは、パパイヤと自家製カスタードクリームが絶妙なデザートです。材料:パパイヤ150g、牛乳200ml、卵1個、小麦粉20g、ブルーベリー20g、ホイップクリーム20g、粉砂糖少々、ピスタチオ(刻み)少々、ミント1枚。ボウルに砂糖、卵、小麦粉を入れ、なめらかになるまで混ぜ、牛乳を加えてさらに混ぜます。ラップをして電子レンジ600Wで2分加熱し、一度取り出して混ぜます。これを計3回繰り返します。ラップのまま粗熱を取り、冷蔵庫で30分ほど冷やし、トッピングすれば完成です。
パパイヤチャンプルー
材料:青パパイヤ250g、水(アク抜き用)適量、にんじん・ニラ各40g、豚バラ肉100g、醤油・みりん各大さじ1、顆粒だし小さじ1/2、塩小さじ1/4、塩コショウ2つまみ、サラダ油大さじ1/2、かつお節(飾り)2g。青パパイヤは種を取り、皮をむいて細く切ります。水を張ったボウルに10分ほど浸し、アクを抜きます。にんじんは千切り、ニラは5cm長さに、豚バラ肉は3cm幅に切ります。フライパンにサラダ油をひき、豚バラ肉を中火で炒めます。野菜と青パパイヤを加えて炒め、お皿に盛り付け、かつお節をかけてください。
青パパイヤと豚バラ肉のガーリック炒め
材料:豚バラ肉150g、青パパイヤ300g、水(さらす用)適量、めんつゆ(2倍希釈)大さじ3、みりん大さじ1、おろしニンニク小さじ1、ごま油小さじ1、小ねぎ少々。青パパイヤは皮をむき、両端を切り落とし、縦半分に切ります。スプーンで種を取り除き、細切りにします。豚バラ肉を3cm幅に切り、ごま油を熱したフライパンで炒めます。豚バラ肉に火が通ったら、残りの材料を加えて中火で約2分炒めます。器に盛り付け、小ねぎを散らして出来上がり。
青パパイヤカレー
必要な材料は、炊き立てのご飯400g、鶏もも肉150g、青パパイヤ1/2個、にんじん・玉ねぎ各100g、水400ml、カレールー2かけ、ケチャップ・中濃ソース各小さじ1、サラダ油大さじ1です。まず、鶏もも肉を一口サイズにカットし、青パパイヤは皮をむき、種を取り除きます。にんじんも皮を剥き、1cm角に切りましょう。青パパイヤを1cm角にカットしたら、水に約10分間浸します。玉ねぎは細かくみじん切りにします。サラダ油を熱した鍋で鶏もも肉を炒めます。お肉の色が変わったら、青パパイヤとその他の野菜を加えて混ぜ合わせます。軽く炒めたら水を加え、蓋をして、鶏肉に火が通るまで約10分煮込みます。弱火にしてカレールーとケチャップ・中濃ソースを加え、よく混ぜてから約5分間加熱すれば完成です。
パパイヤの栄養と効能:美と健康の強い味方
パパイヤは、多種多様な栄養成分を含んでおり、美容と健康を応援する効果が期待できます。
ポリフェノール
ポリフェノールは、体内で発生する活性酸素の活動を抑えたり、活性酸素そのものを除去する働きがあります。中でもポリフェノールを豊富に含む青パパイヤを積極的に摂取することで、健康維持に貢献することが期待できます。
ビタミンC
ビタミンCは、体内でコラーゲンの生成を促します。コラーゲンは、口や鼻、目などの粘膜を保護し、骨や軟骨、皮膚、血管を丈夫に維持する重要な役割を担っています。また、ストレスに対抗するためのホルモン生成にもビタミンCは必要不可欠です。さらに、体内の酸化を抑制する抗酸化作用があり、老化のスピードを緩やかにする効果も期待できます。パパイヤ100gあたり、およそ50mgのビタミンCが含まれています。
β-カロテン
β-カロテンは、視力維持に貢献するだけでなく、体内の有害な活性酸素を除去する抗酸化作用や、免疫力を高める効果も期待されています。特に、完熟した黄色のパパイヤは、青パパイヤに比べてβ-カロテンを豊富に含んでいます。
カリウム
カリウムは、細胞内の水分量を調整し、浸透圧を一定に保つ重要な役割を担っています。さらに、ナトリウムの排出を促進する作用があるため、過剰な塩分摂取による影響を緩和するのに役立ちます。
パパイン酵素
パパインは、パパイヤ特有のタンパク質分解酵素であり、未熟な青パパイヤに特に多く含まれています。しかし、熟成が進むにつれてその量は減少します。青パパイヤには、パパインの他に、脂肪分解を助けるリパーゼ、糖質(デンプン)を分解するアミラーゼといった、三大栄養素すべてに対応する酵素が含まれています。
パパイヤはどこで手に入る?価格は?
パパイヤは、デパートの青果コーナー、沖縄や東南アジアの食材を扱う専門店などで購入できます。近年では、一般的なスーパーマーケットでも見かける機会が増えてきました。近隣の店舗で見つからない場合は、オンライン通販を利用するのも良いでしょう。パパイヤの価格は変動しやすく、1kgあたりおよそ800円から1500円程度が目安です。国産のパパイヤであれば、1個あたり300円程度で購入できる場合もあります。
まとめ
パパイヤは、その甘美な味わいだけでなく、豊富な栄養価と多様な調理法で、食生活に彩りを与えてくれる果物です。十分に熟したパパイヤは、そのまま食するのはもちろん、スムージーやデザートの材料としても最適です。一方、青パパイヤはサラダや炒め物など、幅広い料理に活用できます。ぜひ、パパイヤを日々の食卓に取り入れ、美容と健康の維持に役立ててみてください。
質問:パパイヤの種は食用可能ですか?
回答:はい、パパイヤの種は食べることができます。ピリッとしたワサビに似た風味が特徴です。少量であれば問題ありませんが、過剰に摂取すると消化不良を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
質問:青パパイヤの適切な保存方法は?
回答:青パパイヤは、熟成が進まないように、新聞紙などで包み、冷蔵庫で保存するのがおすすめです。カットした場合は、断面をラップでしっかりと覆い、同様に冷蔵庫で保存してください。
質問:パパイヤによるアレルギー反応はありますか?
回答:はい、パパイヤに対してアレルギー反応を示す人が存在します。特に、ラテックスアレルギーをお持ちの方は、パパイヤアレルギーを発症しやすい傾向があります。初めてパパイヤを口にする際は、少量から試すことを推奨します。