ズッキーニは何科?知っておきたい分類、栄養、選び方、レシピまで徹底解説
緑色が鮮やかで、食卓を彩るズッキーニ。夏野菜の代表格として、ラタトゥイユなどの煮込み料理や炒め物など、様々な料理で活躍します。見た目はキュウリに似ていますが、実はカボチャの仲間であることをご存知でしたか?この記事では、ズッキーニの分類から、夏バテ予防にも効果的な栄養素、新鮮なものの選び方までを徹底解説。さらに、栄養を最大限に活かす食べ方もご紹介します。ズッキーニの魅力を余すことなくお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。

ズッキーニは栄養満点の夏野菜!種類、選び方、夏バテ対策になる食べ方を紹介

ズッキーニは、近頃スーパーで見かける機会が増え、食卓に並ぶことも多くなった夏野菜の1つです。旬を迎える6月~8月には、ラタトゥイユやカポナータなどの洋食に使われるだけでなく、細かく切って麺の代わりにしたり、和風の煮物や炒め物に使ったりと、さまざまな料理で楽しめます。見た目はキュウリに似ていますが、実はカボチャの仲間です。この記事では、夏バテ予防に効果的なズッキーニの栄養素や効能について詳しく解説します。さらに、ズッキーニの種類、新鮮でおいしいズッキーニの選び方、効果的な栄養摂取方法、食べる際の注意点、おすすめレシピを紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ズッキーニの基本情報

ズッキーニは、キュウリやカボチャと同じウリ科の野菜で、より詳しく分類するとカボチャ属になります。原産は北米の「ペポカボチャ」で、アメリカ南部やメキシコが原産地と考えられています。見た目はキュウリに似ていますが、カボチャに近い種類の野菜です。カボチャと違う点は、食べ頃と保存性です。カボチャは完熟してから食べますが、ズッキーニは開花後5~7日程度の若い果実を収穫して食べます。そのため、カボチャは熟成させることでよりおいしくなりますが、ズッキーニは日持ちしないため、収穫後はすぐに食べるのがおすすめです。国産ズッキーニの旬は6月~8月。果肉は白くてみずみずしく、皮は濃い緑色や黄色をしているのが一般的です。乾燥しやすいので、購入後は紙などに包んで野菜室で保存しましょう。

ズッキーニの種類と特徴

スーパーでよく見かけるのは緑色の細長いズッキーニですが、黄色いものや丸いものなど、さまざまな種類があります。種類によって味や食感、おすすめの調理法も変わってきます。

グリーンズッキーニ

グリーンズッキーニは、スーパーで最もよく見かける種類です。少し青臭さや苦味を感じることがあるので、加熱調理がおすすめです。油との相性が抜群で、炒めたり焼いたりすると、ズッキーニ本来の旨味と、とろけるような食感を楽しめます。

イエローズッキーニ

鮮やかな黄色が特徴のイエローズッキーニは、一般的な緑色のズッキーニに比べて、青臭さが少なく、まろやかな味わいが魅力です。皮が薄くて果肉が柔らかいので、サラダなどの生食にも最適です。薄切りにしてサラダに加えたり、風味豊かなマリネにしたりと、素材本来の味と食感を堪能できます。

丸ズッキーニ

ズッキーニには、愛らしい丸い形をした品種も存在します。直径5~15cm程度の、手のひらに乗るくらいのサイズ感が特徴です。果肉は、一般的なズッキーニと同様にみずみずしい白色で、ぎっしりと詰まっています。特徴的な丸い形状を活かして、中をくり抜いて器として使ったり、挽肉を詰めてオーブンで焼き上げるファルシなどの料理に最適です。

花ズッキーニ

花ズッキーニは、実が熟す前に収穫される、花が付いた状態のズッキーニです。ヨーロッパでは一般的な食材ですが、非常にデリケートなため、日本ではあまり流通していません。かすかにカボチャのような香りが漂い、ほのかな甘みが感じられます。花も美味しく食べられるので、果実と一緒にフリッターにしたり、グリルでシンプルに味わうのもおすすめです。

ズッキーニの主要な栄養素と効能

ズッキーニは、100gあたり約16kcalと低カロリーで、その約95%が水分です。低カロリーながらも、ビタミンやミネラルをはじめとする様々な栄養素がバランス良く含まれているのが特徴です。特に、皮の部分に栄養が豊富なので、皮ごと調理することで、栄養を余すことなく摂取できます。

ビタミンB群(特に葉酸)

ズッキーニには、三大栄養素である糖質、たんぱく質、脂質の代謝をサポートし、効率的なエネルギー変換を促すビタミンB群が豊富です。ビタミンB群の不足は、エネルギー代謝の低下を招き、疲れやすい体質の原因となることがあります。食欲不振になりがちな夏でも、ズッキーニを摂取することで、疲労回復と代謝促進の効果が期待できます。特に、ズッキーニは葉酸を豊富に含んでいます。葉酸は、赤血球などの新しい細胞を作る「造血作用」を助ける重要な栄養素であり、不足すると貧血のリスクが高まります。体力を消耗しやすい夏こそ、積極的に摂取したい栄養素です。

ビタミンC

ズッキーニには、ビタミンCも豊富に含まれています。ビタミンCは、健康な肌を維持するコラーゲンの生成を助けるほか、シミの原因となるメラニンの生成を抑制する効果があります。強い日差しを浴びやすい夏には、特に意識して摂取したい栄養素です。さらに、ビタミンCには強力な抗酸化作用があり、体の酸化ストレスを軽減し、疲労回復をサポートします。ただし、ビタミンCは水溶性で熱に弱い性質があるため、茹でたり長時間水にさらしたりする調理は避け、短時間で加熱するか、生で食べることで、ズッキーニに含まれるビタミンCを効率的に摂取できます。

ビタミンK

ビタミンKは、骨へのカルシウムの取り込みを助けたり、血液凝固因子を活性化させて出血を抑制したりする働きを持つ栄養素です。骨の形成や骨粗しょう症の予防にも不可欠な栄養素であり、特に高齢者は積極的に摂取することが推奨されます。通常の食生活を送っていれば、ビタミンK欠乏症になることは稀だと考えられています。ビタミンKは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に調理・摂取することで、体内への吸収率を高めることができます。

β-カロテン

β-カロテンは、野菜や果物に含まれる色素成分の一種で、ズッキーニでは特に皮の部分に豊富に含まれています。β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは強力な抗酸化作用を持ち、活性酸素の生成を抑え、細胞の老化を防ぐ効果が期待できます。また、皮膚や粘膜を健康に保つ役割や、目の機能を維持する効果もあります。β-カロテンも脂溶性であるため、油と一緒に摂取することで吸収率が向上するため、調理方法を工夫することをおすすめします。

カリウム

水分をたっぷり含んだズッキーニは、必須ミネラルであるカリウムを豊富に含んでいます。カリウムは体液の浸透圧を調整し、過剰なナトリウム、つまり塩分の排出をサポートする役割を担っています。この働きによって、高血圧の予防やむくみの軽減に貢献すると考えられています。カリウムが不足すると、筋力低下や疲労感を引き起こす可能性があります。特に夏場は発汗によってカリウムが失われやすいため、夏バテ対策としても重要な栄養素です。

マグネシウム

マグネシウムは、骨や歯を形成する重要なミネラルであり、体内にも多く存在します。さらに、約300種類もの酵素の働きを助け、筋肉の収縮、神経伝達の調整、体温や血圧の維持など、多岐にわたる生理機能に関わっています。マグネシウムもまた、汗と共に失われやすい栄養素なので、特に夏場は積極的に摂取することを心がけましょう。

食物繊維

ズッキーニには、100gあたり約1.3gの食物繊維が含まれています。食物繊維は、人間の消化酵素では分解されない成分であり、腸内細菌を増やして腸内環境を整える作用があることで知られています。そのため、「第6の栄養素」とも呼ばれています。さらに、食後の血糖値の急上昇を抑制したり、血中のコレステロール値を改善したりする効果も期待でき、生活習慣病の予防にも役立つと考えられています。

美味しいズッキーニの選び方

日本では比較的新しい野菜であるズッキーニ。そのため、美味しいズッキーニの選び方を知らない方もいるかもしれません。新鮮で美味しいズッキーニを選ぶために、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

表面のハリとツヤをチェック

新鮮なズッキーニを見分けるには、まず皮の状態をよく見てください。色ムラや傷がなく、全体的に鮮やかで濃い緑色をしているものがおすすめです。ズッキーニは乾燥に弱いので、表面がしっとりとしていて、なめらかなツヤがあるものを選びましょう。手に取って確認し、皮にピンとハリがあり、適度な弾力があるものが良品です。

程よい大きさで太さが均一なものを

美味しいズッキーニを選ぶポイントとして、先端からヘタにかけて太さがほぼ均一なものを選ぶと良いでしょう。目安としては、キュウリの2~3倍程度の太さのものが、味が濃く、食べ頃であることが多いです。極端に太すぎるものは、実がスカスカだったり、水分が多くて味が薄い場合があります。また、手に持った時に、見た目よりも重く感じるものは、実がしっかりと詰まっている証拠です。

ヘタの切り口をチェック

ヘタの切り口が新鮮で、みずみずしい状態であることは、収穫からの時間が短いことを示しています。ズッキーニは、カボチャのように追熟させる野菜ではないため、できるだけ収穫したてのものを選ぶのが美味しく食べる秘訣です。ヘタが茶色く変色していたり、乾燥してしなびているものは、鮮度が落ちている可能性があるので避けるようにしましょう。

ズッキーニの栄養を活かす、おすすめの調理方法

夏バテ対策にもなる栄養満点のズッキーニですが、調理法によって栄養の吸収率が変わります。ズッキーニに含まれる栄養素を効果的に摂取し、より美味しく食べるための調理法をご紹介します。

油で焼く・炒める・揚げる

ズッキーニに含まれるβ-カロテンやビタミンKは、油に溶けやすい性質を持つため、油と一緒に調理することで吸収率が高まります。加熱すると柔らかく、とろけるような食感が楽しめるズッキーニは、焼いたり炒めたりといった調理法との相性が抜群です。表面が少し硬めなので、まずは皮目から焼き始め、焼き色が付いたら裏返すことで、全体を均一に美味しく仕上げることができます。薄切りにしてバターやオリーブオイルで手早く炒めるだけでも、十分に美味しくいただけます。また、ズッキーニは油との相性が非常に良いので、揚げ物にするのもおすすめです。170度程度の中温で揚げれば、外はカリッと、中はしっとりとした食感に仕上がります。天ぷらやフリッターはもちろん、ひき肉を詰めた挟み揚げなど、様々な揚げ物料理に活用できます。

生食

ズッキーニに含まれるカリウムやビタミンCは水溶性で、熱に弱いという特徴があります。そのため、これらの栄養素を効率的に摂取したい場合は、生で食べるのが最適です。特に、イエローズッキーニは、グリーンズッキーニに比べて青臭さやクセが少ないため、生食に特におすすめです。グリーンのズッキーニもアクが強すぎないため、薄切りにすれば下処理なしでも食べられますが、えぐみや苦味が気になる場合は、軽く塩もみしてから水に浸すことでアク抜きをすると良いでしょう。ただし、揉みすぎたり水にさらしすぎたりすると、水分と一緒に栄養素が流れ出てしまうため、調理時間には注意が必要です。薄切りにしたズッキーニは、サラダやマリネ、塩漬け、ピクルスなどにして美味しくいただけます。また、ズッキーニを細長く切って、麺の代わりに使うというユニークな活用方法もあります。

煮込む

ズッキーニに豊富に含まれるカリウムは水溶性のミネラルなので、煮込み料理にして汁ごといただくことで、食材から溶け出したカリウムも無駄なく摂取できます。ズッキーニは実が柔らかく、火の通りが早いので、短時間の煮込みでも味が染み込みやすいのが魅力です。トマトやナス、パプリカなどの夏野菜と組み合わせてラタトゥイユやカポナータにするのは定番ですが、カレーやシチューの具材としても美味しくいただけます。さらに、味噌汁の具材として加えれば、ナスのようなとろける食感と、出汁や味噌がしみ込んだ優しい味わいを楽しむことができます。

ズッキーニを食べる際の注意点

栄養価が高く、夏にぴったりのズッキーニですが、食べる際にはいくつか注意しておきたい点があります。ここでは、ズッキーニを食べる前に知っておくべきポイントをご紹介します。

苦味に注意

ズッキーニには、「ククルビタシン」と呼ばれる特有の苦み成分が含まれています。通常、この成分は微量であり、人体に影響を与えることはありません。しかし、栽培条件や品種によっては、ククルビタシンの含有量が異常に増加する場合があります。極端に苦いズッキーニを大量に摂取すると、腹痛、吐き気、下痢といった消化器系の不調を引き起こす可能性があります。もし、ズッキーニを食べてみて、普段よりも強い苦味を感じた場合は、無理に食べ進めず、処分するようにしてください。

アレルギーに注意

ズッキーニはウリ科の植物であり、特定の体質の人はアレルギー反応を示すことがあります。特に、ブタクサ花粉アレルギーを持つ方は、ズッキーニを摂取することで「口腔アレルギー症候群」を発症するリスクがあります。これは、口の中のかゆみや腫れなどの症状として現れます。ブタクサ花粉症の方や、食物アレルギーをお持ちの方は、メロンやキュウリなど、ズッキーニと共通のタンパク質を含むウリ科の食品にも注意が必要です。初めてズッキーニを食べる場合や、アレルギー体質の方は、少量から試すように心がけましょう。

まとめ

ズッキーニは、食卓でおなじみになってきましたが、見た目はキュウリに似ているものの、実はカボチャの仲間です。その栄養価の高さと調理のしやすさから、夏に人気の野菜となっています。水分が約95%と豊富でありながら、ビタミンB群(特に葉酸)、ビタミンC、ビタミンK、β-カロテン、カリウム、マグネシウム、食物繊維といった、体に嬉しい栄養素がバランス良く含まれています。これらの栄養素は、夏バテの予防や疲労回復、高血圧の予防、むくみの解消、美肌効果など、様々な効果が期待できます。特に、皮には栄養がたっぷり含まれているため、皮ごと調理するのがおすすめです。また、緑色のものだけでなく、黄色や丸い形のもの、花ズッキーニなど、様々な種類があり、それぞれの特徴を活かした料理を楽しめます。新鮮なズッキーニを選ぶ際は、皮にハリとツヤがあり、太さが均一で、ヘタの切り口が新鮮なものを選びましょう。油との相性が良く、炒め物や揚げ物にすると美味しさが引き立ちます。また、熱に弱い栄養素は生で、水溶性の栄養素は煮込み料理で無駄なく摂取できます。ただし、苦味成分であるククルビタシンや、アレルギーには注意が必要です。様々な料理に合うズッキーニを積極的に取り入れ、美味しく健康的な夏を過ごしましょう。

ズッキーニはカボチャとキュウリどちらの仲間ですか?

ズッキーニは、外見こそキュウリに似ていますが、植物学的にはウリ科カボチャ属に分類され、カボチャの仲間です。元々は北米原産の「ペポカボチャ」から生まれた野菜とされています。

ズッキーニの旬はいつですか?

国産ズッキーニが最も美味しくなる旬な時期は、一般的に初夏から夏にかけての6月~8月頃です。この時期は栄養価も高まると言われています。

ズッキーニは生で食べられますか?

はい、ズッキーニは生のまま食べられます。中でも、イエローズッキーニはクセが少ないため、サラダなどにもおすすめです。グリーンのズッキーニを生で食べる場合は、薄くスライスして軽く塩もみをすると、気になるえぐみや苦味が和らぎます。

ズッキーニにはどのような栄養が含まれていますか?

ズッキーニは、100グラムあたり約16キロカロリーとヘルシーであり、様々な栄養素をバランスよく含んでいます。特に、ビタミンB群(中でも葉酸が豊富)、ビタミンC、ビタミンK、β-カロテン、カリウム、マグネシウム、そして食物繊維が注目されます。これらの栄養成分は、体の疲労回復を助けたり、むくみを軽減したり、肌の健康を保ったり、丈夫な骨を作るサポートをしたりと、様々な効果が期待できます。

ズッキーニの苦味、食べても大丈夫?

ズッキーニに含まれる「ククルビタシン」という成分が苦味の原因です。微量であれば問題ないとされていますが、非常に強い苦味を感じるズッキーニを大量に摂取すると、腹痛や吐き気などの症状が現れることがあります。調理前に少し味見をして、普段と違う強い苦味を感じたら、食べるのをやめて処分するようにしてください。

ズッキーニの保存方法の注意点は?

ズッキーニは、カボチャに比べて保存期間が短く、乾燥しやすいという特徴があります。購入後は、新聞紙やキッチンペーパーなどで包んで乾燥を防ぎ、冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめです。できるだけ新鮮なうちに、早めに食べるように心がけましょう。
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