自家製ゆずを育ててみませんか?挿し木は難しそうですが、時期や土作りなどポイントを押さえれば初心者でも成功できます。接ぎ木苗を選び、剪定などの手入れをすれば、最短3年で収穫も可能です。果皮や果肉など、ゆずは様々な用途で楽しめます。鉢植えでも庭植えでも育てやすく、栽培方法から増やし方、剪定まで、ゆず栽培の全てを解説します。
ゆずの特性と栽培の魅力
ゆずは数ある柑橘類の中でも、特に優れた特性を持ち、家庭菜園にぴったりの果樹です。その最も大きな魅力の一つは、寒さに強いことです。他の柑橘類と比較して、比較的低い温度にも耐えることができるため、日本国内の幅広い地域で栽培が可能です。また、そうか病やかいよう病といった柑橘類によく見られる病気への抵抗力も高く、農薬を使わずに栽培しやすいという点も、家庭で安心して育てられる大きなメリットです。
ゆずの木の植え付けに適した時期は、新芽が活動を始める3月から4月頃です。その後、初夏の5月から6月頃には、白い可愛らしい花を咲かせ、冬には香りと鮮やかな色彩で食卓を彩る実を収穫できます。

ただし、ゆずを種から育てる「実生」の場合、実がなるまでに15年から20年という長い年月が必要となるため、家庭で早く収穫を楽しみたい場合にはあまりおすすめできません。そのため、一般的には、丈夫なカラタチなどの台木にゆずの枝を接ぎ木した「接ぎ木苗」から育てるのが良いでしょう。
接ぎ木苗であれば、早ければ3年目あたりから実をつけ始め、比較的早い段階で収穫の喜びを味わうことができます。接ぎ木苗は園芸店で簡単に入手できるため、植物の栽培に慣れていない初心者の方でも安心して始められます。また、経験豊富な方は、この記事で紹介する接ぎ木の方法を参考に、自分で接ぎ木苗を作ることも可能です。ゆずは、その独特な香りと風味で、料理のアクセントや冬の風物詩であるゆず湯など、様々な形で私たちの生活を豊かにしてくれる、まさに「健康を支える果樹」と言えるでしょう。
用土の選び方と準備
ゆずの木を健康に育てるには、適切な用土を選ぶことが非常に大切です。ゆずは水はけの良い土壌であれば、比較的どんな土でも育つ丈夫な植物ですが、最適な土壌環境を整えることで、より豊かな実りを期待できます。鉢植えで育てる場合は、市販の「果樹専用の培養土」を使うのが最も簡単で確実です。自分で用土を配合する場合は、通気性、排水性、保肥力のバランスがとれた「赤玉土7割、腐葉土3割」の割合で混ぜた土が良いでしょう。赤玉土は排水性と保水性に優れており、腐葉土は土壌の通気性を良くすると同時に、微生物の活動を促進し、根の発育に適した環境を作ります。庭に植える場合は、まず植え付け場所の土を深めに掘り起こし、その土に「腐葉土を混ぜ込んで柔らかく」しておくことが重要です。土壌が固い状態では、根が十分に広がることができず、生育が悪くなる原因となります。また、苗を植える際には、根に直接触れないように、鉢の底や植え穴の底に「元肥」を少量入れてから、その上に土を被せて苗を植え付けましょう。こうすることで、植え付け直後から必要な栄養を供給しつつ、根が肥料焼けするリスクを避けることができます。元肥としては、緩効性の有機肥料が適しています。
苗の選び方と植え付け手順
ゆずの苗の植え付けは、その後の成長を大きく左右する重要な作業です。ゆずの苗を選ぶ際は、種から育てるよりも早く実がなる「接ぎ木苗」を選ぶことをおすすめします。接ぎ木苗は、園芸店で容易に入手できます。
まず、ポットに入った苗を植え替える前日には、苗にたっぷりと水を与え、根が十分に水分を含んだ状態にしておきましょう。植え付け当日、ポットから苗を取り出す際は、根を傷つけないように丁寧に扱います。取り出した根の状態を確認し、古くて硬くなった根や、鉢底で渦巻いている長い根があれば、清潔なハサミやカッターで優しく切り取ります。
もし根が固く絡まっている場合は、外側の古い土と根を軽くほぐし、新しい根が伸びやすい状態にしたり、ほぐせないほど固い場合は、刃物で薄く削り取るようにして、新しい根が生えるスペースを作ります。根の手入れが終わったら、用意した鉢(または庭の植え穴)の中央にゆずの苗を置き、周囲に土を丁寧に詰めていきます。

土を詰める際は、鉢の縁を軽く叩きながら、土を底までしっかりと入れ、苗がぐらつかないように固定します。鉢の縁まで土を入れたら、割り箸などの細い棒で周囲の土を優しく突いて、土と根の間に隙間がないように土を締め、馴染ませます。庭植えの場合は、苗がしっかりと根付いて自立するまで、風で倒れないように「支柱を立てて固定する」ことが非常に重要です。鉢植えの場合でも、苗がまだ小さい場合や不安定な場合は、必要に応じて支柱を使って苗を安定させましょう。植え付け後はたっぷりと水を与え、土と根がしっかりと密着するように促します。
ゆずの木の適切な水やり
ゆずの木にとって、適切な水分管理は、生育を順調に進め、良質な実を収穫するために欠かせない要素です。特に、植え付け直後の若い苗木は、根が十分に発達していないため、乾燥には特に注意が必要です。根がしっかりと地面に根付くまでは、土の表面が乾かないように、こまめな水やりを心がけましょう。鉢植えで栽培している場合は、土の表面が乾いたタイミングで、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えてください。こうすることで、鉢内の古い水や不要な物質を排出し、根に新鮮な酸素と水分を供給することができます。庭植えの場合は、鉢植えに比べて水やりの頻度は少なくなりますが、植え付けから最初の1ヶ月程度は、週に一度を目安に水やりを行うと良いでしょう。新芽が出始めてからさらに1ヶ月間は、苗の状態をよく観察し、必要に応じて水やりを継続してください。ゆずの木の苗が十分に根付いた後は、庭植えであれば、基本的に水やりはほとんど必要ありません。自然の雨水で十分な水分が供給されますが、夏の暑い時期など、雨が降らず乾燥が続く場合は、土の乾き具合を確認して、必要に応じて水やりを行いましょう。鉢植えの場合は、庭植えとは異なり、土の量が限られているため乾燥しやすくなります。そのため、引き続き、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるように管理してください。土の乾き具合は、指で土に触れて確認したり、鉢を持ち上げて重さを確認するなどして判断しましょう。
ゆずの木に与える肥料の種類とタイミング
ゆずの木に適切な肥料を与えることは、木の健康を保ち、豊かな実を収穫するために非常に大切です。肥料を与える時期と種類は、栽培方法(庭植えか鉢植えか)によって調整する必要があります。庭植えの場合、肥料を与えるタイミングは「春と秋の年に2回」が目安となります。春には新芽の成長と開花に備えて、秋には果実の肥大と来年のための栄養を補給します。一方で、鉢植えの場合は、水やりによって肥料成分が土から流れやすいため、より頻繁な施肥が求められます。鉢植えでは「春先の芽出し時期、開花時期の6月、そして果実が大きく育つ秋の10月」の年に3回、追肥を行うのが一般的です。肥料の種類としては、発酵油かすのような有機質の「置き肥」や、効果がゆっくりと続く「緩効性肥料」がおすすめです。これらの固形肥料に加えて、週に1回程度の頻度で水やりの代わりに「液肥」を与えることで、より細かく栄養バランスを調整し、植物の成長をサポートできます。肥料を選ぶ上で重要なポイントは、成分の配合比率です。ゆずの木は、肥料を与えすぎると枝葉ばかりが茂ってしまい、実のつきが悪くなる「徒長」を起こしやすい性質があります。そのため、窒素成分は控えめにし、果実の成長や開花を促進する「リン酸やカリウムを多く含む肥料」を選ぶのが良いでしょう。これにより、バランスの良い成長を促し、毎年安定して美味しいゆずを収穫することを目指しましょう。
摘果による隔年結果の防止と果実の品質向上
ゆずの木は、そのままにしておくとたくさんの実をつけますが、その結果、翌年の収穫量が大幅に減少する「隔年結果」を引き起こしたり、木全体の活力が低下してしまうことがあります。特に、若いゆずの木(植え付け後2〜3年)の場合、実をつけすぎると木への負担が大きくなり、最悪の場合は枯れてしまう可能性もあります。したがって、安定した収穫と木の健康を維持するためには、適切な「摘果」が不可欠です。ゆずの花が咲いた後、実が徐々に大きくなり始めますが、自然に実が落ちる「生理落下」という現象もあるため、しばらく様子を見守りましょう。その後、8月頃になったら、青い実を摘み取って実の数を調整します。摘果の目安は、ゆずの木の葉の数と残す実の数のバランスです。「葉20枚に対してゆずの実1個」を目安に残すと良いでしょう。この比率を守ることで、残った実に十分な栄養が行き渡り、一つ一つの実が大きく、高品質なゆずへと成長します。摘果によって早めに摘み取った青い未熟な果実は、「青柚子」として活用することができます。皮をすりおろして薬味にしたり、少し大きくなってから摘み取ったものは、果汁を絞って料理に使用することも可能です。このように、摘果は単に収穫量を調整するだけでなく、果実の品質を向上させ、翌年以降も安定した収穫を得るために重要な作業なのです。
枝の誘引で樹勢をコントロールし実つきを良くする
ゆずの木を含む柑橘類の多くは、成長するにつれて、勢いよく上に向かって伸びる枝(「徒長枝」や「立ち枝」と呼ばれる)が多く発生することがあります。これらの枝は生育が旺盛で、そのエネルギーが枝の成長に集中しやすいため、花付きや実付きが悪くなる傾向があります。上方向に伸びる強い枝に対して「誘引」という手法を用いることで、樹の勢いを調整し、実付きを改善することができます。具体的には、支柱や紐を使ってこれらの枝を外側へ、つまり水平に近い「開帳型」の樹形になるように広げて固定します。枝を横に誘引することで、枝の勢いが自然と弱まり、花芽がつきやすくなります。また、枝を広げることで、ゆずの木の中心部にも日光が十分に当たるようになり、光合成が促進され、果実の成長に必要なエネルギーが効率的に作られるようになります。この誘引作業は、ゆずの木の育て方で説明した摘果作業と合わせて行うことで、毎年安定して多くのゆずを収穫できる、健康な木を育てるための重要な管理技術となります。誘引作業は、枝がまだ柔らかい時期に行うと、枝が折れるリスクを減らし、形を整えやすくなります。
柚子の木の適切な剪定時期と方法
柚子の木の剪定は、健全な生育を促し、毎年良質な実を安定的に収穫するために不可欠な手入れです。ただし、苗木が小さいうち、特に植え付け後2~3年は、木を大きく育てることを優先するため、強い剪定は避けるべきです。本格的な剪定は、木がある程度成長した「4~5年目頃」から始めるのが良いでしょう。この頃から、密集した枝を整理し、日当たりと風通しを良くすることで、病害虫の発生を抑制し、実のつきを良くすることが目的となります。柚子の木の剪定に最適な時期は、「3月から4月上旬」です。この時期は、新芽が動き出す直前であり、剪定による負担を最小限に抑えつつ、その後の成長を促進できます。剪定の目的は、前年に実をつけた枝と、春に新たに伸び始める枝がバランス良く配置された樹形を作り出すことです。柚子の実は葉の数と深く関係しているため、剪定をしすぎると葉が減り、結果として実のつきが悪くなる可能性があります。そのため、剪定は「間引くように」枝を選び、木の内部にも十分に日光が当たるように、混み合った部分の枝を整理する程度に留めるのがおすすめです。特に、樹冠内部の枯れ枝や、病害虫に侵された枝、交差している枝などは優先的に取り除き、健康な樹形を維持することが大切です。

柚子の主な増やし方と特徴
柚子の木を増やす方法としては、「種まき(実生)」、「接ぎ木」、「挿し木」の3つが挙げられます。種まきは最も手軽な方法ですが、柚子は種から育てると実がなるまでに「15年から20年」と非常に長い期間を要するため、家庭菜園で早く収穫を楽しみたい場合には不向きです。そのため、早期に収穫を目指す場合は、一般的に「接ぎ木苗」を購入するか、自分で「接ぎ木」や「挿し木」に挑戦する方法が選ばれます。接ぎ木は、異なる植物の枝(穂木)と台木を結合させる方法で、病害虫への抵抗力や成長速度、結実までの期間を短縮できます。一方、挿し木は、親木の枝を切り取り、土に挿して発根させる方法で、親木とほぼ同じ性質を持つ木を増やすことができます。それぞれの方法には、メリット・デメリットがあり、成功するためのコツも異なりますので、ご自身の目的に合った方法を選ぶことが重要です。一般的に、接ぎ木は専門的な知識や技術が必要なため上級者向けとされていますが、挿し木は台木や特別な道具が不要なため、初心者でも比較的取り組みやすい増殖方法と言えるでしょう。ただし、柑橘類の挿し木は一般的に難しいとされています。
接ぎ木による増やし方:難易度と具体的な手順
柚子の木を接ぎ木で増やす方法は、種から育てるよりも早く実を収穫できるという利点があり、早ければ「3年目」から実がなり始めることもあります。この方法では、丈夫な「カラタチ」などの台木に柚子の枝(穂木)を接ぎ木して苗を育てます。接ぎ木作業は、植物の生理に関する知識と、繊細な作業が求められるため、やや上級者向けの技術とされていますが、成功した時の達成感は格別です。柚子の接ぎ木の適期は、「3月から4月頃、柚子の木の樹液が流れ始める時期」が最適です。この時期は、形成層の活動が活発になり、穂木と台木が結合しやすいため、成功率が高まります。ここでは、台木と穂木の太さがほぼ同じ場合に用いられる「切り接ぎ」という一般的な方法をご紹介します。まず、台木となるカラタチを、地上から約5cmの高さで、清潔なカッターや接ぎ木ナイフを使って水平に切断します。この切断面が、穂木と台木を結合させる上で非常に重要になります。次に、穂木となる柚子の枝を用意します。穂木は、その年に伸びた健康で充実した枝を選び、2~3枚の葉と芽を残すように調整し、下端を鋭利な刃物で斜めに削ぎ、台木の切断面にぴったりと密着するように加工します。台木の水平な切断面に、穂木の切り込みに合うように切り込みを入れ、形成層同士がぴったりと合うように差し込みます。形成層を合わせることが成功の鍵となります。差し込んだ後は、接ぎ木テープやビニールテープでしっかりと固定し、乾燥を防ぎます。成功すれば、新しい芽が伸び始め、やがて柚子の木として成長していきます。この作業は文章だけでは理解しにくい部分もあるため、もし分かりにくい場合は、インターネット上の動画や専門書などを参考にすると、全体像を掴みやすくなるでしょう。
挿し木による増やし方:難易度、時期、準備、管理の全工程
柚子の挿し木は、台木や接ぎ木の専門的な技術が不要なため、比較的初心者でも挑戦しやすい増やし方です。しかし、一般的に「柑橘類全体」において挿し木は非常に難易度が高く、成功率は数パーセント程度とも言われるほど、発根しにくい植物です。この難しさを理解した上で、「試しにやってみる」くらいの気持ちで、適切な方法と根気をもって挑戦することが大切です。
挿し木のベストタイミングと枝選び
柚子の挿し木は、夏の盛りや冬の寒さが厳しい時期を避ければ可能ですが、最も適しているのは「6月頃」と言われています。また、春先の3月や秋口の9月も良い時期なので、これらの時期に挑戦してみるのがおすすめです。挿し木に使う枝は、剪定した際に出た枝を利用できますが、最も重要なのは「元気でしっかりとした、今年伸びたばかりの若い枝」を選ぶことです。十分に成長し、少し硬さが出てきた枝が理想的です。枝の先端部分は避け、真ん中あたりを使うようにしましょう。挿し穂の長さは「15cm程度」にカットします。成功率を上げるためには、できるだけ多くの枝を用意し、たくさん試してみるという気持ちで取り組むと良いでしょう。
挿し穂の事前準備
選んだ枝の準備も非常に大切です。まず、挿し木にする部分の切り口は、清潔なカッターや良く切れる刃物を使って「斜めに、一気に、綺麗に」切ります。この時、枝の組織を傷つけないように注意しましょう。組織が潰れてしまうと、水分を吸い上げる力が弱まるだけでなく、腐ってしまう原因にもなります。また、挿し木は葉からの水分の蒸発を抑え、根を出すことにエネルギーを集中させる必要があるので、上の方に「葉を2枚」残し、それ以外の葉は取り除きます。残す葉も、水分の蒸発をさらに抑えるために「葉先を半分くらいにカット」します。土に挿す前に、切り口を「数時間水に浸けて、たっぷりと水を吸わせておく」ことで、根を出すために必要な水分を補給し、乾燥を防ぐことができます。
挿し木に最適な土と具体的な挿し方
挿し木を成功させるためには、土選びが非常に重要です。根の発育を妨げないように、栄養分が少ない「無菌の土」を選ぶのが基本です。具体的には、「赤玉土、鹿沼土、または市販の挿し木用土」などが適しています。これらの土は水はけと通気性が良く、余計な栄養分を含んでいないため、根が健康に成長するための清潔な環境を作ります。土は湿らせた状態で使い、肥料分が多い栄養のある土は、根の発育を妨げる可能性があるため、使用は避けるべきです。土に挿す時は、あらかじめ棒などで穴を開けてから、その穴に「丁寧に枝を差し込みます」。こうすることで、切り口が土の中で擦れて傷つくのを防ぎ、良い状態で土と密着させることができます。挿し穂を挿した後は、土が動かないように軽く固定し、土としっかりと密着させましょう。
挿し木後の管理、鉢上げ、そして成功のヒント
挿し木後の管理も成功の重要なポイントです。挿し穂をポットに挿した後、土が乾燥しないようにビニール袋などで全体を覆い、湿度を高く保つことが大切です。このビニールは、水分の蒸発を防ぎ、温室のような環境を作り出すことで発根を促します。置く場所は、直射日光が当たらない「日陰」を選び、挿し穂を「なるべく動かさないように」管理します。およそ「1ヶ月ほど」この状態で様子を見るのが目安ですが、根が出るまでにはさらに時間がかかることもあります。順調にいけば「3ヶ月くらい」で新しい芽が出始めると思いますが、焦らずに根がしっかりと育つのを待ちましょう。新芽が出始めたら、そのまま春先まで、ほんの少しの液体肥料や固形肥料を少しずつ与えながらじっくりと育てます。そして、根がしっかりと張ったことを確認できたら、「5〜6号鉢に植え替え」を行います。植え替えの際の土は、赤玉土の小粒と腐葉土を「6:4か7:3くらいの割合」で混ぜたものがおすすめです。植え替え後、少なくとも「2年」、できれば「3年」は剪定をせず、木の成長を優先させます。このように丁寧に育てていくことで、「3〜4年目」から少しずつ柚子の実を収穫できるようになります。柚子の挿し木は難しいと言われることもありますが、適切な方法と丁寧な管理を行えば、成功する可能性は十分にあります。例えば、あるガーデニング好きの人がレモンの挿し木に挑戦したところ、見事に根付いて成長したという話もあります。この成功例は、柑橘類の挿し木が不可能ではないことを示しており、あなたも自分で育てた柚子を増やす喜びを味わえるはずです。
まとめ
この記事では、ご自宅でゆずを栽培する魅力、ゆずの性質、日々の手入れ、そして挿し木や接ぎ木による増やし方について詳しく解説しました。ゆずは一般的に実がなるまでに長い年月を要すると言われていますが、接ぎ木苗を利用したり、適切な管理を行うことで、比較的早期に収穫できるようになります。また、ゆずは寒さに強く、病害虫にも強いため、初心者の方でも比較的容易に無農薬で育てられる果樹です。適切な水やり、施肥、摘果、誘引、剪定といった基本的な栽培管理をしっかりと行うことで、毎年安定して豊かな実を得ることができるでしょう。増やし方に関しては、接ぎ木は少し難易度が高いですが、挿し木は初心者でも取り組みやすい方法です。挿し木の成功率は必ずしも高くはありませんが、適切な時期に元気な枝を選び、丁寧な準備と根気強い管理をすることで、自家製のゆずの木を育てる喜びを味わうことができます。収穫したばかりの香り高いゆず果汁はもちろんのこと、果皮も薬味、ジャム、砂糖漬け、ゆず湯など、様々な用途で楽しむことができます。初夏に咲く白い花も見た目が美しく、良い香りがするため、観賞用としても価値があります。この記事が、皆様のゆず栽培への挑戦をサポートし、豊かなゆずのある生活を送るための一助となれば幸いです。ぜひ、この情報を参考に、ご自身のゆずの木を育ててみてください。

ゆずの木が実をつけるまでにどのくらいかかりますか?
ゆずの木は、種から育てた場合、実がなるまでに非常に長い期間を要します。しかし、接ぎ木された苗木を使用し、適切な管理を行うことで、比較的早い段階で収穫が可能です。具体的には、カラタチなどの台木に接ぎ木された苗を植え付け、摘果や誘引、剪定などの手入れを適切に行うことで、およそ3年目から実を収穫できるようになります。
ゆずの木は無農薬で育てやすいですか?
はい、ゆずの木は他の柑橘類と比較して、寒さに強く、一般的な病気への抵抗力もあるため、無農薬での栽培に適しています。適切な環境で育て、日々の管理を怠らなければ、農薬を使用しなくても健康な状態を維持しやすく、豊かな収穫も期待できます。
ゆずの木の剪定はいつ行えばよいですか?
ゆずの木の剪定に最適な時期は、一般的に3月から4月の上旬です。この時期は、新芽が成長を始める直前であり、木への負担が少なく、剪定後の回復もスムーズに進みます。若木の場合は、あまり強く剪定せず、ある程度成長した段階で、枝が密集している部分を間引くように剪定し、日当たりと風通しを良くすることで、実の付き具合を改善することができます。
柚子の木が毎年実をつけるようにするには?
柚子の木が交互に実をつけたり、つけなかったりするのを防ぐには、実の間引きが効果的です。実が多すぎると木が疲れてしまい、翌年の収穫量が減ってしまうことがあります。目安として、葉20枚につき実を1つ残すように、夏(8月頃)に青い実を間引くと、実の品質が向上し、毎年安定した収穫が見込めます。
柚子の挿し木が難しい理由は何ですか?
柚子などの柑橘類は、他の植物と比べて根が出にくいため、挿し木での成功率は低い傾向にあります。これは、柑橘類特有の性質によるもので、枝が硬くなりやすいことや、発根を促すホルモンの生成が少ないことなどが原因として考えられます。
柚子の挿し木に良い時期はいつですか?
柚子の挿し木に一番適しているのは、成功率が高いとされる6月頃です。その他、春の3月頃と秋の9月頃も挿し木に適した時期と言えます。これらの時期は、植物が生育を始めたり、生育がまだ盛んな時期なので、発根しやすい環境を作りやすいと考えられています。
挿し木に使う枝は、どのように選んだら良いですか?
挿し木には、病害虫の被害がなく、丈夫で健康な、その年に伸びた若い枝を選びましょう。枝の先端よりも、ある程度成長して硬さが出てきた部分が良いでしょう。長さは15cmくらいにカットし、上のほうに葉を2枚残して、水分の蒸発を防ぐために葉の先を半分にカットします。切り口は、清潔な刃物で斜めに綺麗に切り、組織を傷つけないように注意しましょう。
挿し木に最適な土とは?
挿し木を行う際、雑菌が少なく、空気と水を通しやすく、かつ肥料分の少ない土を選ぶことが大切です。具体的には、小粒の赤玉土や鹿沼土、あるいは市販されている挿し木専用の培養土などが適しています。土は軽く湿らせて使いましょう。肥料成分が多い土は、発根を妨げる原因となるため避けるようにしてください。
挿し木を成功させる秘訣は?
挿し木の成功率を高めるためには、まず適切な時期(特に梅雨の時期が良いでしょう)に、元気な枝をたくさん準備することが重要です。切り口を丁寧に処理し、葉の数を減らしてから、数時間水につけて吸水させると良いでしょう。挿し木をした後は、土が乾燥しないようビニールなどで覆い、湿度を高く保ちながら、直射日光を避けた明るい日陰で管理します。新芽が出始めてもすぐに植え替えず、根が十分に育つまで、およそ3ヶ月はじっくりと待ちましょう。植え替え後も、2〜3年は剪定を控えることが、その後の成長を促すために重要です。
柚子を接ぎ木で増やす利点は?
柚子を接ぎ木で増やす一番の利点は、種から育てるよりも早く実を収穫できるようになることです。接ぎ木苗の場合、順調にいけば3年程度で実がなることもあります。さらに、カラタチのような丈夫な木を台木として使うことで、病気や害虫への抵抗力、寒さへの強さを向上させ、柚子の木全体の生育を安定させることができます。