アイスクリームは、冷凍庫にあるだけで至福の一時をもたらしてくれる食の喜びです。しかし、食品には通常「賞味期限」があるのに対し、アイスクリームにはその表示がないことにお気づきでしょうか?なぜこの甘美なデザートには賞味期限が設定されないのか、冷凍技術と食品保存の観点から迫ります。この記事では、意外と知られていないアイスクリームの賞味期限がない理由を探り、その背後にある科学と安全性について詳しく解説します。
アイスクリームには消費期限が設定されていない理由
最初に結論を申し上げますと、アイスクリームには賞味期限が存在しません。
「アイス」とは、主に次の4種類を指します。
市販のアイスクリームは、食品表示基準に基づき、賞味期限の表示が省かれています。
理由は、-18℃以下の冷凍状態だと微生物の繁殖が抑えられ、品質の劣化がほとんどないためです。
ただし、特定のメーカーは消費者の希望に応え、おいしく食べられる期間の参考として、アイスに賞味期限を設定しています。
保管方法次第で劣化が進行することも
先に述べたように、1年経ったアイスや10年経過したアイスであっても、適切な温度で管理されていれば問題なく食べることができます。
しかし、保存の状況次第では未開封であっても品質が落ち、風味が劣る可能性があるため気を付けましょう。
未開封の状態でも、以下の状況ではアイスが品質を損ねていることがあります。
家庭用の冷凍庫の温度は通常-20℃前後に設定されていますが、頻繁にドアを開け閉めしたり、ものを詰め込みすぎたりすると温度の変動が起きやすくなるので注意が必要です。
購入したアイスの品質を保つには、冷凍庫の開け閉めを極力減らすなど、管理に工夫を凝らすことが大切です。
美味しさを保つためには1ヶ月以内に食べ切ろう
開封していないアイスは、品質を重視しない場合、家庭用冷凍庫でかなり長期間保存が可能です。
しかし、一般的なスーパーや飲食店の冷凍庫のように最適な状態を維持するのは困難なので、品質が劣化して味が悪くなる前に食べることをお勧めします。
購入後約1ヶ月以内に食べ切ると良いでしょう。

溶けたアイスクリームの再冷凍は避けるべき
購入したアイスが溶けることがあり、例えば持ち帰りの間や家庭の冷凍庫で保存している間に起こることがあります。
もったいないからと溶けたものを再び冷凍しても、元の質には戻りません。
再冷凍されたアイスは品質が変化し、以下のような点に注意が必要です。
元の味が失われるだけでなく、細菌の増殖による食中毒のリスクも高まるので、食べるのは避けた方がいいでしょう。
開封後1週間以内にご消費ください
大家族サイズのアイスクリームは、一度に食べきるのが難しいことがよくあります。
開封後のアイスクリームは風味が変わりやすいです。
開けたら1週間以内に食べきるようにし、風味が良いうちに楽しみましょう。
すぐに消費できない場合は、アイスの上面を平らにしてラップでしっかり覆うと劣化を遅らせるのに役立ちます。
大量のアイスを食べるのが無理そうな場合、個別包装のパックを選べば、風味の劣化を心配せずに済みます。
においの強いものを一緒に保管しない
冷凍庫内のにおいがアイスクリームの風味に影響することがあります。
特に開封後は、他の食品や冷凍庫のにおいがアイスに移る可能性が高いため、気をつける必要があります。
保管時には蓋をしっかり閉め、強いにおいの食品とは分けて保存しましょう。

途中で食べたアイスを保存する際の方法と注意事項
食べきれなかったアイスを再び冷凍庫に戻したい場合は、溶ける前に素早く冷凍してください。
一度容器から取り出したアイスは空気に触れやすく、そのままラップに包んで冷凍すると固くなりがちです。
食べかけたアイスは以下の方法で保存することをおすすめします。
少し手を加えることで、滑らかで柔らかい状態をある程度維持できるでしょう。
冷凍保存用の袋に入れて保存すれば、匂い移りも防げます。
ただし、一度溶けた部分は劣化しやすいので、できるだけ早めに召し上がってください。