生クリームを泡立てると、軽くてふわふわの滑らかな質感が生まれます。この簡単な調理手順は、デザートやお菓子作りに欠かせない技術です。しっかりと泡立てることで、口当たりが良く、美味しい仕上がりになります。生クリームの泡立て方のコツを抑えれば、本格的なお菓子作りを自宅でも楽しめます。
生クリームの基礎知識
牛乳からできた生クリームは、乳脂肪分が主成分です。食品衛生法では、牛乳や生乳から乳脂肪分以外の成分を除去し、乳脂肪分を18%以上にしたものを「生クリーム」と定義しています。よって、生クリームには添加物を一切加えることができません。 生クリームは、乳脂肪分の含有量により、ホイップ用の30%以上と、コーヒー・紅茶用の18~30%の2種類に大別されます。ホイップ用は脂肪分が多いため泡立ちやすく、お菓子のデコレーションなどに適しています。一方、コーヒー・紅茶用は脂肪分が少ないので液体のままの使用に向いています。 「ホイップクリーム」は、乳脂肪分以外の植物性油脂や安定剤などの添加物が含まれた商品です。食品衛生法上、これらは「生クリーム」と表記できないため、別の名称が付けられています。値段が安く賞味期限も長いのが特徴ですが、味わいはあっさりとしています。 お菓子作りで泡立てて使う場合、生クリームは本格的な風味を求める際に適し、ホイップクリームは初心者にも扱いやすいでしょう。一方、加熱が必要な料理には生クリームを使うのがベストです。生クリームは賞味期限が短いので、開封後は早めに使い切る必要があります。冷蔵庫で保存し、温度の変化には注意を払いましょう。
上手な生クリームの泡立て方
泡立てに適した道具を選ぶことが何より大切です。ボウルはステンレス製かガラス製、泡立て器は金属製の手動式がおすすめ。電動のハンドミキサーは過剰に空気が入りすぎる恐れがあります。 温度管理にも気をつけましょう。生クリームを常温に戻してから泡立てを開始し、ボウルと泡立て器は予め冷やしておきます。低温のまま泡立てると適度な空気が含まれず、硬くなってしまいます。 最初は生地の真ん中から外側に広げるように、ゆっくりとべらを回しながら泡立てていきます。空気が適度に含まれるとしっとりとした質感になり、ボウルを逆さにしても滴り落ちなくなれば完成です。 経験と道具の扱いに慣れが必要ですが、こうしたコツを守れば本格的な生クリームの泡立て方が身に付きます。
固さ別・泡立てた生クリームの特徴
生クリームの泡立て具合は、その用途によって3種類の硬さに分けられます。 まず最も柔らかいのがソフトピーク。クリームを泡立て始めて2~3分経過した頃の、ねっとりとした質感です。デザートのトッピングなどに最適です。 次に中間の硬さがミディアムピーク。フィルムが出来る程度に泡立てた状態で、生地を作る際に適しています。 最後に一番硬いスティフピークは、ピークが作れるほど硬く泡立てたもの。装飾用に最適な固さです。 用途に合わせてこの3つの硬さを見極めることが、上手な生クリーム作りのコツとなります。泡立ての度合いによってクリームの質感や使い道が大きく変わるため、適切な硬さを心がける必要があります。
まとめ
生クリームの泡立て方は、ミキサーやボウルとホイッパーを使う方法がおすすめです。最初は低速で空気を含ませ、徐々に速度を上げていきます。適度な硬さになったら、そのままさらに空気を含ませ続けると、生クリームが切れてしまうので注意が必要です。練習を重ねることで、生クリームの理想的な質感が分かってくるでしょう。自宅で高級デザートを楽しめるよう、しっかり技術を磨きましょう。